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2010年12月 4日 (土)

あるビジネスゲーム研修とキャッシュフロー分析の事例 -- 5

経営シミュレーション(ビジネスゲーム)研修の講評とキャッシュフロー計算書の限界

ペンティアム社

 利益水準高い。粗利率31%、営業利益率二桁達成。MKBTとのノートPC事業の先陣争いに勝利する。デスクトップPCラインを2ライン売却処分、ノートPC専業メーカーとなる。その歩みは、至極慎重な経営。

 まず自己資金でノートPC第一ラインを導入。その後の資金不足時には当該ラインを担保に資金調達する。第二ラインも自己資金たまるまで投資決断せず。600台体制は11月以降に開花。

 ノートPCは相対的な高価格政策が奏功して、利益率高い。限界利益率で49%。強いては、ノートPC専業らしく、低コスト体質化と更なるR&D強化、セールス部隊増強(人員と質)等々の規模ではなく、内部資源の質的強化が不可欠。
製品レベルは2.5へ上昇。来春にはsandy bridge搭載のレッツノート市場投入決定か。ライバルはMKBTのため、当分その地位は安泰かも・・・

  ノートPCから上がる豊富なキャッシュフローでデスクトップPC再参入または、他社資本提携でデスクトップPCのOEM調達も検討課題。文字通りフルライ ンカバレッジのリーダー企業への夢膨らむが、その絶頂期に米国インテル社から社名についての商標違反で訴訟されるであろう・・・\(◎o◎)/!
                  
  脅威はJCN社のノートPC参入です。戦略的なウォッチが欠かせませ ん。ノートPC供給を打診して動きを探ることです。ノートPCのOEM供給により、ライバルの本格的進出を抑制します。あるいは暗黙の市場二分化戦略も可能です。相互不可侵的姿勢をとり、現製品に特化するのが最もハッピーであることを共有します。あるいは相互に製品を供給しあう等です。そうでなければ、貪欲なリーダーとしてフォロワーを傭兵的に巻き込み、JCNとの全面戦争を挑みます。

 JCNとも同じですが、リーダー企業としては需給バランスを常に気にしなくてはなりません。定期的な需要調査と業界各社のキャパシティの推移を予測して、最適な製販体制のシフトを構築します。

 セールス一人当たり売上高はJCNがダントツですが、 生産性でみる一人当たり粗利額は当社がダントツです。一人当たり粗利は三倍稼げと言われます。一つは自分の給料分、一つは給料を除いた販管費の分、残りの 一つは利益という意味で使われます(あくまでも俗説ですが分かりやすい)。

●キャッシュフロー分析と経営
 
キャッシュフロー計算書からは、高水準の営業キャッシュフローが投資CFを埋めて、フリーCFを黒字化しています。つまり営業CFの範囲で投資している、と読めます。
でも実態は違います。先行投資であり、キャッシュフローが後から加速度的に回収されてきた結果です。

 デスクトップPC中心の前3月期との比較ですから、高単価品による売上高増となり売上債権も増えるのは当然です。売上債権の増加が売上高増なら良性です。あくまでも、しいて言えば、回収率を少し上げるのも手です。
原価も高いし、事業拡大期は棚卸資産も増えるはやむをえません。部材も高価格ですし、コスト低減目的のまとめ買いにより仕入債務は急増しています。

 つまり売上債権と棚卸の増加分というキャッシュフローの悪化は仕入債務の増加でかなり相殺されています(900万円の赤字へ縮小)。2ライン稼働により、営業CF極大化への収穫期に入ろうとしています。既に投資完了により、新規投資ニーズは少ないでしょうから、フリーCFも極大化しそうです。

 借入金の増加は自己資金での投資後の一時的な運転資金不足からきたものです。手形割引が減ったのは、営業キャッシュフロー拡大で資金繰り好転したからに他なりません。

 キャッシュフローは二点間のB/S比較がメインです。当社のように期首から期末へ事業構造が大きく変化すると、キャッシュフロー計算書のみからでは読み取ることができません。
 表面的なキャッシュフロー計算書の分析では平凡な内容になりがちですが、経営事象の時系列的な変化を見ながら、キャッシュの足跡を見ることが大切です。

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  • はるかさん
    上尾市民として市政とりわけ図書館問題を熱く語っています。ぜひ飛んでください。 かまってちょうだいの意ね。
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