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2014年1月13日 (月)

孤独な暴走老人! (文春文庫)にならないためと感情労働の功罪

現代社会に大量に生み出される孤独で切れやすい新老人達
暴走老人! (文春文庫) 藤原 智美著
 

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小説かと思ったけれどもノンフィクション。タイトルから老人批判本かと思われるけれど、そうではなく現代社会がいかに老人にとって生きにくいものに変化しているのか、という作者なりの目線を持って書かれている。
「いい年をした危ない大人が増えている」と警告しその背景を探った本。
個人的には昔から老人は横柄だったと思っている。問題化しなかったのは、家父長制、男尊女卑であったから年寄り(男の老人)最優先であり、身勝手な言動は回りが容認していたからだろう。
でも、平成元年からの16年間で65歳以上の検挙率が5倍に増えた(同期の老人人口の伸びは2倍)というから、タイトルは大げさではないようだ。
事例の多くは過去の老人が起こした事件(ニュース報道)なので、独自の追加取材ではなく著者の推測に終始する点は物足りない。
しかし切れる老人が増えた原因の時代背景に対する考察は価値のある所だと思う。
待つから待たされるへ、「透明なルール」の増殖、等々は面白いのだが、特に印象的なのは「社会の丁寧化」についてだった。思い当たる節が多い。
 
無理やり笑顔を振りまかざるを得ないような感情労働が増えているという。「魂の労働(渋谷望)」と言われるらしく、ボランティア精神や福祉という美名のもとに、本来は切り売りできないはずのココロの有り様を労働として求められ、その結果が過酷な労働を強いているという。
 社会の丁寧化が行き過ぎると(個人的には顧客満足度向上目的で行き過ぎと思うことが多い)、その期待を裏切られたときに客(老人でなくても)は暴走化しやすいだろうと思う。
 
 それを読んでふと思ったのが東京オリンピック誘致で強調された「おもてなし」について。
 
本来は自慢したり売り込むようなものではないのに、ムリやり経済政策的に扱われている。外国と比べても高い接客サービスが広く普及している国であるにも拘らず。
 
おもてなしに見合う高い客単価や待遇が見返りなら感情労働も可能だろうが、そうではない現実の消費最前線の働き手に「おもてなし」を暗黙に強要したり更なるサービスの向上みたいな社会的な雰囲気、本書で言うところの透明なルールにされたら、いっそう精神的に肉体的に過酷な職場が増えるだけだろう、と思う。
 
 
お・も・て・な・し → 裏ばかり  となる。
 

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