« 2016年度のブログ解析メモ | トップページ | 上尾市図書館問題の土地取引は住民訴訟へ(島村穰市長とクライズ) »

2017年1月 5日 (木)

こんな幹部は辞表を書け

議員はだませても、市民はだまされない…(上尾市自動書庫)
 追記 1/21続編記事。1/14、5項に時間。1/9、6項に需給。
 
あぁ知っている、という人は年齢が分かりそうです。
昭和40年代に100万部以上売れた大ベストセラー書(畠山芳雄著)のタイトルです。
 
かつて上尾市は県下2位の工業都市でした。
昭和45(1970)年には大宮市を抜き川口市に次ぐ工業生産出荷額でしたが、その後の凋落は産業構造の変化だけで説明できるものでしょうか。
 
今は9番位(?)ですから、上尾市民で製造業に勤める方も減りました(約16,000人)。
本稿はそんなIE、作業時間、工数等の言葉を見聞きする方にぜひ読んでいただきたい内容です。
A4で4-5頁の長文です。
読了された方には、オチもつけます。
 
1. 9月議会の井上議員の質疑で、ずーーーと気になっていたのが、新上平中央図書館への「自動書庫」導入の件です。議事録検索したら意外なヒットでした(自動化書庫とも呼ぶ)。
--------以下要約(詳しくは議事録へ)------------
 
◎28/3月議会の鈴木茂議員への教育総務部長(尾形昭夫)の回答。
今の閉架書庫は本館地下にあり、カウンターで注文された本を職員が地下へとりに行く。貸出しまで約10分程度かかる。自動書庫化して迅速にしたい。
 
◆井上茂議員(以下9月議会)
自動化書庫のランニングコストが不明なのに検討しているが、導入理由と利用頻度、費用、維持管理は?
 
◎教育総務部長(保坂了)
集密ラック書庫の約1.5倍の収蔵能力、利用者サービスの迅速化、作業効率化などを考慮して導入検討している。その効果は、貸出時間の短縮化
図書館システムと連動し保管状況や利用状況を把握でき、管理レベルが向上する。
ICタグを一括読み取りした図書情報、書庫データとの照合で蔵書点検ができ、閉架書架との移動解消などの作業効率化になる。
 
これによりリファレンス等の相談業務に時間をかけられ、サービス向上になる。
利用頻度は、現在書庫内作業と貸し出し、返却に伴い、地下書庫へ行く回数は1日平均90回程度、新図書館ではさらに増えると見込まれる。
見積や実例から、導入は約2億円、当面の維持管理費は保守点検費で250万円と想定。 
 
◆井上茂議員
視察で高崎市図書館に行った。メーカーは日本ファイリングか金剛ですが、高崎は金剛です。尾花議員に電話してもらいました。5年間で自動化書庫の費用が、維持費が年700万円。28年度からは1年間2,500万毎年という話です。
 
1日の利用は約120件、そのメリットはと聞けば「お金のことを考えなければ便利ですよ」と答えました。お金をとるか、便利をとるかですが・・・中略・・・もう一回検討し直していただきたい。
----------------------------
 
2. 問題 市民は、この投資案件をどう判断しますか?
 
金額でしょうか?
初期投資額は2億円、年間維持費は250万円×あいまい期間。
高崎市は700万円×5年間。その後は年2500万円というトンデモ金額。導入期が不明ですが3500+2700×残り使用年数となる。
20年なら4億4千万円。更に、自動書庫を解体して手動書庫に戻すことは可能なのか(これは不可能らしい)。
 
「これって、ただのカモじゃね」
 
「高崎ハムだから、高崎カモ」
 
「上尾カモ」
 
2chならこんな感想かな。
 
もっとひどいカモ。
 
3.時間が気になっていたのです
 
閉架本を地下室に取りに行く時間が10分と長いので、その短縮がサービス向上または職員が楽になる、といいます。
本館2Fの受付職員の作業分析の粗いイメージです。
  1. まずNDCコードを見て、どの階かどの棚かを知ります(経験値で早いでしょう)。
  2. 階段をB1かB2の入口へ降ります(1と2の順は不明)。
  3. 入口から目的の棚の前まで歩きます。
  4. 次に同NDCの数十冊(100を超す場合もあり)の中から、背表紙タイトルを目視探索します。原則は五十音順に並んでいます(乱れている場合は、ロスタイムです)。
  5. 棚から本を取り出します(多分、高さにより脚立の乗り降りが発生)。
  6. 次に階段口まで歩きます。
  7. B1かB2より2Fまで階段を昇ります(エレベーター利用時は、エレベータ待ち時間とカウンターまでの徒歩が発生)。
  8. 受付カウンター到着
 
ここまでが閉架書庫により発生する作業時間です。
階段の上り下りは段数や距離から標準時間を設定します(それよりも早く歩くことは労働安全上禁止です)。
地下書庫は、入り口から一番遠い所と近い所の平均値を標準距離mにし、距離と平均速度から時間を決めます(一番遠い位置を採用する場合もある)。
検索時間は実験とヒアリングで決めます。
 
プロはもっと細かい作業分析ですが、上はイメージしやすい例です。
でも公務員にはできません。そこでパート職員に頼んで実際例を集計すればよいのです。
出発時にストップウォッチ押し、戻ったら止める。20~30回もサンプリングすれば十分です。冊数別に記録します。
 
4.所が、偶然とは恐ろしい
 
なんと…リクエストした本が閉架なの・・・(^O^)
その時、ボケーっと待つか、時計見るかは市民の自由です。 
  • A本、NDC337.8 文庫本、土曜午後4:30、空いている(職員は手待ち状態)。1分40秒(B2より職員はエレベーターで戻る)。
  • B本、NDC366.28文庫本、日曜午後2:30、空いている(同上)。2分30秒。階段から戻る。
「普通は二分もあれば分かります」
 
「三分もあればいいですよ」
 
「背表紙タイトルと本当の書名が異なる場合は、困っちゃう」
 
「同じNDCでも100冊位並んでると、ちょっと時間かかります。きちんと順列に戻してない場合があると、手間取りますがまぁ稀ですね」
 
10分がオーバーなのは(実際のリクエスト)経験から分かりますが、予想より早いです。
部長がやれば10分でしょう。ダイエットにどうぞ。
 
彼や部下が何を根拠に10分と決めたのか、民間の設備投資なら基礎データとその裏づけが要求されます。でないと稟議は通りません。案件を通すための粉飾の疑いもあります。今からデータを作るのでは無く、答弁時点での明細データの開示を求めます。
貸出時間を数分短縮が市民サービスになると言うが、そこまで来るのに30分も余計にかかることはどう説明するのだ。矛盾であり、恥ずかしくないのか。
 
5.発生件数90件/日の根拠も怪しい
 
階下に降りる作業が全て自動書庫化の対象ではないはず。件数と作業内容の根拠開示義務があります。対象がWeb予約本の場合は除外すべきです(上平になると確実に増える)。  むしろ、素人でも他館受渡し数が急増することを予想できます。それは便利施設を利用者から遠ざけた結果として数字に表れるでしょう。
 
見過ごせないのは「新館では地下に行く回数がさらに増える」と予想したこと。あれほど広い開架面積の提供を強調して正当性を言っていたのに、閉架書庫に行く回数が増えるのでは筋が違います。
ムリを通した計画にはほころびが、目立つのです。
余談
今回二人とも階段を慣れた足取りです早くおりました。管理職はこれを禁止すべきです。労働安全上の問題です。民間のある工場では、階段に近づくたびにセンサーで「手すりにつかまりなさい」と警告します。廊下の角では「ぶつからないよう、気を付けなさい」と警告されます。転倒災害の防止です。
 
●高崎市事例は良い追及です。
自動書庫を見たことがありませんから、自動倉庫を連想します。本は形状が多様なので、単品を機械ハンドリングは難しいハズ。
たくさんの小箱単位で収納・搬送されると想像します。搬送機構が多いものはトラブルも多いです。メーカーにとり定期的な保守料金は安定収益の源です(ストックビジネスと言って利益率がものすごく高いです)。
 
追記1/14
◎主席副参事(スポーツ・文化施設担当)(鈴木利男) h28/4/20文教経済常任委員会
複数冊ある場合は最初の取り出しに約2分、その後は約30秒間隔で連続取り出しが可能となり、貸し出し時間が短縮されるとともに、職員の労力も削減できます。
 
では現状の地下2B往復作業が2分30秒としたら、短縮効果は1冊時はたった30秒です(なお新館に地下は無いのでもっと短縮されるはず)。
さらに1回当たりの自動書庫稼働コストを出します(償却と保守含む月費用÷回数)。恐ろしくて試算できないでしょう。それでも職員の労力軽減だといいはるなら、考えている人を省人化すべきでしょう・・・。
 
●ためしに「自動書庫」と検索入力すると
予約キーワード(オートコンプリート)により、「自動書庫 デメリット」や「自動書庫 メリット」がでます。その位、問題多いんですね(^O^)。 エレベータ故障を連想させます。「自動書庫内の不明本」というミステリーもあるようです。
 
6.決定的に欠ける点
 
銀行やレジで10分も待たされたら、怒って帰っちゃう客がいます。
客は他店へ流れたり、来店頻度が減ります。売上が減るから、待ち時間の解消は顧客回転率の向上として重要です。
では、上平新図書館で閉架書籍の貸出受付のために、5分~10分も待たされた場合、
 
上尾市民は、怒って帰りますか?
 
桶川図書館へ、直行しますか?
 
帰りを急ぐ人は諦めるかもしれませんが、大方は待つでしょう。
 
それが無料貸本屋の常識的な光景です。
 
過剰なサービスと不釣り合いなコストでは、話になりません。苦情が気になるなら「閉架書籍はお待たせすることが有ります」と貼り紙をすれば投資額30円です。
媚びへつらう事はありません、待たせて良い場合もあるのです。
 
上尾市民の皆さん、この程度のデータしか出せない人達が2億円の買い物を平気でやるのです。
責任を負わない人に大きな権限があることを、もっと恐れるべきです。
市民も行政も「自分のカネならもっと賢く使う」を座右の銘にしましょう。
 
 
●彼に救いの手を差し伸べるとしたら、(給食配膳などの)小型エレベータです。
 
「それじゃ、地下に人が必要になるよ?」
 
「誰にする…」
 
「  」
 
●需要>供給能力 ・・・追記1/9
設備投資をするときは上式が前提です。こう書くと『民間とは違いますから』と決まり文句で逃げますが、駅前分館の1台の自動貸出装置を見たことありますか?
セルフ式のバーコード読み取りで貸出手続きをします(ツタヤでは当たり前です)。私は良く使います、対人恐怖症なので・・・。
カウンターには2~3人の職員が待機していて、客が列をなす光景は稀です(見たことない)。夕方仕事帰りの人が予約本を受け取る時しかニーズは無いでしょう(その件数すら不明)。受付の省人化にもなっていません。
そうです、民間とは違ってムダな投資をします。
ピーク需要に合わせた投資なんて馬鹿げています。
仮に貸出滞留の列ができて、それが館外まで伸びて『市民がタクシー乗り場の列と間違える』を避けるために導入したというわけかな。
 (なお上平新館ができると、駅前図書館の利用は増えます)
 
7.収納効率の1.5倍効果は本末転倒
 
新図書館は閉架書籍対策で作るのか? 
立地アクセス性が悪い論点をかわす常套句は「狭くて本を置く場所がないから建てる」という「本主義」あるいは蔵書主義とでも呼ぶものです。
広さがウリと言う上平でも、閉架書庫能力や面積が不足するのですか?
まるで「上平中央書庫」。
 
リファレンスサービスに時間を投入できる、というなら数字で語りなさい。本館でも稀な光景です。相談待ち行列が発生していますか。そもそも専用コーナーに職員常駐していないこと自体が、発生頻度の少なさの証明です。
 
民間でも新しい建物を作るとき、「これも一緒に入れておこう」と、予算のある限りや業者の言いなりで便乗購入することがあります。会議室やホールのAV機器などが典型。
市はそうはいきません。定量的な効果を説明しないだけでなく、責任も取らないのですから。
よって本件は却下。
大学生並みの説明も恥ずべきです。
 
8.矛盾
 
面積制約のある現本館に導入したいと言うなら、動機は理解できます。なぜ広い面積を求めた上平に導入するのは矛盾します。
あの面積制限条項なのですか?
下の冊数が入らないためか?
 (構想案の開閉比率は6:4のはずだった。改めて書く)
 
(万冊) 現本館 新図書館 増加率
蔵書数 30 43 143%
開架冊数 12 18 150%
閉架冊数 18 25 139% 
開架比率 40% 41.9% わずか
初期の構想案(自動書庫を考慮していない)では閉架19万冊ですから、18+19=37万冊でたった2割増し。新館建設のメンツがつぶれます。
 
●自動書庫を導入したと上尾市はPRします
自動書庫をGoogle検索すれば、大学とか県立図書館並みの格上図書館が目立ちます。一地方が買ったとなれば、わだいになります。「笑い」ではありません…
 
埼玉県下でも稀な導入なら、他市(図書館)からの見学を募り、上尾市は(誇らしげに)広報するでしょう。どんなに維持費が高くても、自動書庫を維持するために必要だと言い張ります。
閉架書庫とはようするに利用頻度の低い本置き場です。そこに高額の維持費をかけ続けることは矛盾です。そこの面積単価が高いから効率利用になるというような経済的理由が不可欠です。上尾市の導入理由は他人のカネで政策ミスを隠したという珍しい例です。プレハブ施設を連結増築すれば間に合うと思うのですがね。
 分不相応の買い物だったと市職員が正視できるようになるのは、先輩たちがパラシュートで降り去った頃です。
 
「有れば便利です」で買い物が許される時代は終わりました。
パートの作業が軽減されます、に費やす投資額ではありません。数字で出したら手動作業で十分の案件です、それで不満ならあなた方が寄付するのが道理でしょう。
 
H28/3月には、遅ればせながら市民に向けて上尾市の長期的なインフラ維持に危機感を訴えています(上尾市公共施設等総合管理計画)。所が、誰かを向いたとたんに、同じ口から無責任がこぼれ落ちています。
 
余談、人件費の怪
行政も人材派遣を使うようになりました。直採用なら安いものの、丸ごと業務委託が多いです。当人は時給900円?前後でも、派遣元は1400円?位ではないのかな。これにより、市の決算からは見た目の人件費が減り、コストダウンしたように見えます。業務委託や物件費に費用を付け替えたに過ぎません。
癒着業者がいないとも限りませんから、透明性も問われます。特に指定管理者制度は公共事業に群がった建設業者に替わるような面もあります。
 
●最後に
上尾市民の中から建築や不動産関係の人が集まり、少し汗をかいてもらいましょう。現本館建替え答弁の詭弁性をはぎ、有償の彼らよりも無償の市民の方が優れたプランを提示できるかもしれませんね。
 
 
  & 
 
 
選んだ本。
S_3
 
・値段が語る僕たちの昭和史/高橋孝輝著/主婦の友社/2001
・こんな人が解雇(クビ)になる/角川書店/2001
 
本稿は昨年書いたものですが、本の感想も書いてあります。時期を見てアップします。
続編
関連

« 2016年度のブログ解析メモ | トップページ | 上尾市図書館問題の土地取引は住民訴訟へ(島村穰市長とクライズ) »

図書館」カテゴリの記事

コメント

様々な視点で市政、議会への問題点やご批判をいただき、ありがとうございます。今回の記事も大変参考になりました。引用など活用させていただいてよろしいでしょうか?よろしくお願いします。

ご来訪に深謝。

市当局>>議員>>>>>私役所(一市民)
これが情報格差の不等式です。 こっちは議員特権もありません。決定的に情報不足ですから、役立つはずはないのですが・・・
引用?
はい。でもギブ&テイクでね 。
教えてくださいな。
1.当初建設費20億円と市が明示した、日付と人物(議事録ではみつからないので)
2.現本館と新館の開架面積の値とその図面レイアウト(これが必須)を開示させてください。特に現本館の面積算定図が必須です。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 2016年度のブログ解析メモ | トップページ | 上尾市図書館問題の土地取引は住民訴訟へ(島村穰市長とクライズ) »

かまちょ図書館

  • はるかさん
    上尾市民として市政とりわけ図書館問題を熱く語っています。ぜひ飛んでください。 かまってちょうだいの意ね。
無料ブログはココログ