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2018年4月10日 (火)

住宅過剰社会の末路-3 宅地拡大のデメリット

宅地開発の風景を見ると人口増加でイイなと思うこともあるが、そんな単純な話ではない。

老いる家、崩れる街…自分の街を見回そう
 住宅過剰社会の末路-2タワマンとサブリースそして近所

本書で驚いたのは、新築住宅がインフラ(道路、小学校、公園)の整わない区域でも野放図に続けられ、居住地の拡大が止まらないという指摘だ。その結果、公共施設や道路、防災対策やゴミ収集エリアの拡大を迫られて行政負担が増すという。

土砂や津波、高潮、災害危険区域という指定があっても、或いは活断層があってもマイホームを建てることは可能というほど新築規制は難しいらしい。地方都市では農地エリアにまで住宅がバラ建ちし、人口密度の希薄化が進むという。これらは各自治体の都市計画における規制緩和合戦の結果だという。国も不況対策として住宅建設を煽ることを繰り返してきた。

既存の家を壊してそこに新築するという再建築率は10%程度と低い。相続しても子供世代は他所に住んでいるから、そうなるのだろうか。

●上尾市の足元の景色

「空き家=住民の高齢化」だから、古い住民が多い中心部や早くに宅地開発された郊外地域に空き屋が目立つのは当たり前だ。三井住宅や向山辺りの分譲地にも空き家がチラホラみられる。わが近隣で目にするのは、死亡→相続→更地売却→ミニ分譲というケースが多いが、なぜか売れ行きが悪い。

Ss図は上尾市の区画整理事業の全体。スプロール化(虫食い状態)を防ぐためだがほとんど完了しており、後は大谷北部第二・第四が施工中だ。行政が懸念するのは推奨場所以外でパラパラ家が建ち外側に居住面積が広がりながら街のスポンジ化(本書の表現)が進むことなのだろう。

本書では触れていないが、空き家の増加は自営業の廃業が大きいと思う。洋服屋も八百屋も魚屋も肉屋もクリーニング屋も文房具屋も駄菓子屋も食堂も床屋も『個人商店が成り立たない経済構造』になったからだ。

例外的にFC加盟でやれる業種もあるが、一部だ。昔より増えた店は税金(医療や社会保障)が支払い手となる分野だ。なお上尾駅周辺で美容室が増えたのは女性雇用数の増加と思う一方、塾は少子化で既に減っている。

対策の妙案は乏しい。今ある居住地の再生や更新を重視せよと言う。例えば、空き家をリノベーションして公民館に替わるコミュのティの居場所にする。その収益は固定資産税を払える程度にすれば低賃料で利用できる。焼け石に水みたいだ・・・それほどこの問題は既に大きくなりすぎていて大変なんだと思う。

規制緩和が良い事ばかりではないという大問題を知った。街づくりにはむしろ規制が重要のようだ。


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  • はるかさん
    上尾市民として市政とりわけ図書館問題を熱く語っています。ぜひ飛んでください。 かまってちょうだいの意ね。
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