« 粗大ごみの持ち込みで燃え上がる愛市への片想い | トップページ | 第三者委員会の報告書を格付けする本物のプロへのお願い »

2018年8月 2日 (木)

学力テストの公開で想うこと

学力格差の原因は家庭の経済力なのか

2018年度の全国学力テストの結果が公表された。と言っても埼玉県の平均値とさいたま市のみ。図はさいたま新聞より

2018

 他は、各自治体が公表するか否かを判断してからと思う。秋頃には埼玉県の教育課のこちらに公開されるが、いつも奇妙な公開である。

 リンク先の過去分を見て分かるように市町別に独立しており一覧性がない。県の統計は全市町一覧で見られるものが多い。財政データなどはExcelで公開し、少しスキルがあれば勝手に並べ替えして比較できる。学力テスト結果は意図的に一覧表にしないのだと思う。
 もう一つは、公表に同意しない市町があるのか否かよく分からない。その点を明確に書いてほしい。

 一覧表示を避けたくらいでどんな効果があるのか疑問だ。夫婦が公立の教員でも子供は私学という家庭もあり、建前と本音は違う。自治体間の学力差よりも同一市内のエリア(学区)差の方が深刻な場合もあるだろう(個別校は非公開だが、伊奈学園中学だけは丸見え)

 蛇足ながら、子供達が格差や競争社会を否応なく体感し始めるのは高校受験だと思う。その助走路としての塾には進学塾と補習塾があり、前者は駅前が多いからそこへの通いやすさの方が教育熱心な親には、もっと重要かもしれない。 

 たまたま東洋経済4/14号の「特集: 連鎖する貧困」を読んでいて気になった記事があったので書き留めておく。

●公立なのに八万円を超すアルマーニの制服採用ということで銀座の泰明小学校の記事があった。教育方針に特徴を出すのは良いけど、カネで買えるモノに求めたのは教育者としてはバカだ。それも強制ではなく標準服(任意?)と言い張る姿が小役人的だ、と改めて怒った
 最近、教師の凶悪犯罪多いけど、上のは別な意味で罪深い。

親の収入と子供の学力を巡る記事。鶏が先か卵が先か…

 所得と学力に相関があるのは当たり前だが、調査データでは国語A10点、数学A20点差だ(3年生、年収2001500万円の比較)。数学は差が開きやすい科目なので、国語で一割程度ならば決定的な要因ではないと思う。

 むしろ、親の学歴の影響の大きさをとらえた調査が腑に落ちる。両親とも大卒と非大卒家庭の中1年生の「大学進学期待」を見たもので、前者の子は60%、後者の子は23%と大きく開く。早稲田大学の松岡講師が「親が大卒だと、子もそれが当たり前になり、普段の授業や定期テストも大学に進学するつもりで受ける」と言う。生まれた環境と言うわけだが、学歴は①の結果でもある…。

 ところが、慶応大学の中室準教授は学力差が「おカネの問題ではない」という研究もあるとして次のように語る。貧困家庭に経済的支援をする場合、親が利他的に正しくお金を使う必要がある。自分の趣味や生活費に充て、子供のために使わない人がいるからだ(一定数居るとは思う)。
一方で親が「教育が大事だ」と言う考えさえ持っていれば、所得がゼロでも何らかの形で教育にお金をかける。子供に「きちんと勉強すれば将来いいことが起きる」「勉強することが楽しいと思う」という『意欲の格差』が、その後の社会経済的地位に影響を与えていることが研究で分かっていると言う。意欲の格差解消には、一律ではなく学校単位で投資を変えよと説く。
 要するに動機、目的志向、ものの考え方、受動ではなく能動的姿勢みたいなものなのだろうか。

この三つをまとめると、経済格差が家庭環境の違いをもたらして、意欲の格差を生み、負の循環になる。

●高卒就職と言う選択肢・・・企業規模別の生涯賃金では、民間企業の年収ピークとなる50~54歳の比較をしている。

大企業(1000人以上) 大卒971  高卒618

小企業(99~10人)  大卒602

つまり高卒で大企業ならば小企業の大卒よりも生涯賃金は多いというもの。毎年18万人超が高卒で就職しており、就職先を吟味すれば十分な処遇を得るチャンスはあると結んでいる。

 ここには書いてなかったが、実は定年60歳(高卒)までずーっと賃金が上がる世界がある。とても身近な所に。定年までずーっと能力が上昇するという考えらしい。上の大企業高卒を軽く超すのでは…

過去記事 全国学力テスト(埼玉県、上尾市、さいたま市等)の比較

« 粗大ごみの持ち込みで燃え上がる愛市への片想い | トップページ | 第三者委員会の報告書を格付けする本物のプロへのお願い »

学問・資格」カテゴリの記事

コメント

全国学力・学習状況調査の元データは下記にあります。
http://www.nier.go.jp/18chousakekkahoukoku/index.html
特に以下の2つのファイルが重要です。
http://www.nier.go.jp/18chousakekkahoukoku/factsheet/18prefecture-City/18p_101.pdf
http://www.nier.go.jp/18chousakekkahoukoku/factsheet/18prefecture-City/18m_101.pdf
東京都に関しては、中学は私立中高一貫校が参加していないこと、小学校は政令指定都市を除いて集計していて、しかも東京23区のデータが掲載されていないことに、政治的な意図を感じています。たぶん、公表できない理由があるのでしょう。
参考までに、保護者が大学院修了の場合の子供の平均的は、突出して高いことが、他のデータで公表されています。
別件ですが、行政は都合の悪いデータは、公表したがりません。大学入学者共通テストの試行テストの平均点(特に「数学I・A」は20点台と噂されている)も公表されませんでしたし。

コメントありがとうございます。
お子さんを持つお母さんみたいですね。それはともかく、詳しいようですから、遠慮なく突っ込んだご意見を書いてほしいものです。
例えば、政治的な意図とか、公表できない理由は何と思われますか?

私立中高一貫が参加しないのは、彼らにとって意味が無いからではないでしょうか。テストが易しすぎて無意味だからと思うのですが・・・

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 粗大ごみの持ち込みで燃え上がる愛市への片想い | トップページ | 第三者委員会の報告書を格付けする本物のプロへのお願い »

かまちょ図書館

  • はるかさん
    上尾市民として市政とりわけ図書館問題を熱く語っています。ぜひ飛んでください。 かまってちょうだいの意ね。
無料ブログはココログ