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2018年11月20日 (火)

上尾事件-4 おわり。つながる上尾の過去と未来

あの時代、なぜ上尾から暴動が発生したのか

前記事のつづき

 事件の夕刊には「背景を深く考える時」として識者達のコメントがあります。「国鉄は労使の信頼が薄い、戦前の官僚主義体質。新幹線は世界一と言いながら、客のシリを押して満員電車に詰め込む。そして値上げ、民衆に不満が溜まる…」等たくさんありますが、記者が上尾についてこう書いています。 

冷遇されていた地帯 開発においつけぬ本数(要約)

5年前から団地開発が急で、埼玉国体の選手村跡のシラコバト団地など六つが造成され12,000世帯が入る(※)。主に東京方面へ通うが、京浜東北線がある県南部に比べ、大宮から北の新通勤地帯は高崎線と東北本線だけで本数が少なく、スシ詰め。

そのうえ順法で上野駅まで37分が3時間にもなるから、明け方に家を出て帰宅は深夜という殺人的な通勤を強いられた。国鉄は赤羽-大宮間に新線を計画するが大宮以北はまた冷遇。もみくちゃにされている新通勤地帯の乗客の、普段からの不満と怒りが爆発したのが、今度の騒ぎの原因といえる。

原市、シラコバト、尾山台、富士見、西上尾第一、西上尾第二、根貝戸の各団地が昭和4145年に相次いで建ち、市人口の20%超の規模です。詳細は過去記事(団地から人口増加し減少へ)。

もう一つ、3/15木の朝刊。
住宅が輸送に先行 磯崎国鉄総裁が答弁/参議院予算委

乗客に迷惑をかけ、国民に不安をいだかせたことは申訳ない」と頭を下げ、①大宮での立体交差や車両の増設などで、高崎線の輸送力は四十年当時と比べて約四割の増強。②しかし、上尾市の人口が四十年に比べ倍増している。今後も三万戸ふえるといわれ、通勤人口二万六千人を運ぶには、十数本を増発しなければならない、などと説明。
 「このような増発はとても不可能だ。高崎線の輸送は車両の改造などで増強に努めているが、住宅はどんどんできても線路の複々線化は用地取得の面から不可能だ。上尾市周辺に限らす住宅地を造成する時、輸送面を十分考えてほしい、と国鉄倒から要請しても、いつの間にか住宅の造成の方が先に進んでしまう」と述べ、政府の都市対策を内部から批判した形の答弁をした。

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団地をバンバン建てたから供給力(輸送)を超えたんだ、という需給ギャップを国鉄総裁が愚痴ったようです。なお人口倍増と答弁してますが、S40年から48年の135,000人へ2.5が正しいです。最古の「統計あげお」によるとS42年人口は前年比+25というウソみたいな値、その後も+19%+18%がフツーに並ぶ時代でした。

だから、需給ギャップさえなければ事件は起きなかった、少なくとも暴動一番手にはなり得なかったはず、と確信します。「民度が低かった?」という疑問が消えたのは個人的な成果です。なお、今はダイヤ乱れの大きな原因が、労働争議ではなく鉄道自殺という社会ですから、より深刻です。

 上の記事からは武蔵小杉駅を連想しました。人口急増で毎朝ホームに人があふれ、駅入場規制をしています。官主導の大規模団地と民主導のタワマン乱立の違いはありますが、短絡的、場当たり的という点で似ています。ついでに「人手不足だから外国人労働者を」というのも…。
 
●人口変化の局面と二つの事件

 上尾事件で検索すると市長議長逮捕の方が多くヒットします。誤解を恐れずに言えば前者の方がカラッとしています。人口急増期の国の政策によるシワ寄せでしたが、後者は人口減少へ備えるべき時代に"上尾自身"が犯した事件です。

 「まだ大丈夫だよ」と総人口22.8万人の横這いをみて思うのは勘違い。日本人の微減を外国人の増加がカバーしているだけです。団地誕生から50年、高齢化と人口減少は団地から進んでいます(過去記事)。さらに、生徒数に至ってはピークの半減です。

 32,300(S57/1982) 17,200(2018) ▲47%

前の事件の頃は小学校をバンバン建てましたが、今、総クラス数が611クラスの小学校を小規模校といい、平方北、尾山台、大石南、上平北、平方東の5校です。中学校のそれは311クラスで、大石南、太平、大谷、瓦葺です。その水準を底割れすると過小規模校となり統廃合も視野に入ります。年間500校が廃校と言われることもあるように、地方では当たり前の景色が首都近郊にも待ったなし。

ところが、学校に限らず公共施設やインフラが今まで通り維持保全できるわけがないのに、「便利さを失う」「弱者切り捨てだ」と嘆いては、一つ一つに反対運動が起き、解決に手間取り、人口減少に軟着陸できない状態が続くと、市財政が貧するはず。或いは、エゴ丸出しで「もっと建てろ」の声が出るのも同じ穴のムジナ。どちらも"後者の上尾事件"は未解決という状態です。


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  • はるかさん
    上尾市民として市政とりわけ図書館問題を熱く語っています。ぜひ飛んでください。 かまってちょうだいの意ね。
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