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2019年5月 2日 (木)

飯綱町議会の改革、寺島渉議長。嵐がきて変れる街と変われない街

正義だって、たかる人がいる

Photo_13 飯綱町は戸隠村の手前にある山の中の町だ、というか長野県そのものが山の中だ(笑)。
長野市から車で三十分ほど。昔は善行寺裏から登るつづら折りの道が急こう配で、ギヤをLに入れないと登れない七曲と呼ぶ難所もある。
今はループ式の迂回道ができて楽しく走れるから、七曲を選ぶ人はへそ曲がりだ。

 冬の飯綱スキー場は初心者から家族向き。夏場は池のボートやキャンプ場もある。さらに数十分もバードラインを走れば戸隠蕎麦の店、さらには戸隠神社の奥社へと観光にもよい。

つまり、こんな山間風景しか思い出せない町が議会改革の先進事例だと聞いて 、ウソだろ(>_<)!。

 上尾の市民団体AANが二月に寺島渉・前議長を招いて講演会を開いた。その後、実施した写真ブログもあったが、肝心の中身の報告は無いし、出席した市民がネットで感想を披露するでもないので、やっぱり必要無かったなと思っていたら・・・

予約本が忘れた頃にやって来た。

地方議会を再生する/相川俊英/集英社新書

人口11千人、四千世帯、2014年の一般会計65億円、財政力指数0.29はぜい弱だ。議員は16人、会派は無い。報酬は月16万円と最低レベル(年収は議員262~議長441万円)、政務活動費も無い。年間活動日数は議員110日・議長284日と信じられない多さ。日本一コストパフォーマンスの高い飯綱町議会なのだ。

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懐かさのためか私的にはスラスラ読めたが、一般には田舎の政治劇と感じるかもしれない。昔は三水村(さみず)と牟礼村(むれ)だったが、平成の大合併で飯綱町になった。その過程における寺島渉・前議長という骨太な政治家の奮闘記をライターが書いた本だ。特に、前半にある腐敗と政争劇や合併問題の混乱ぶりの話は、アルアル感で面白く、「違法行為をする人よりも、それを指摘する人の方が悪い」という歪んだ考えの村社会への挑戦物語である。

寺島氏は立命館大の民生同盟の活動家で、若いうちに郷里、牟礼村の共産党議員になる。その彼の所に一通の談合情報が寄せられた。不正追及なら共産党という訳で(業界関係者から)届いたらしく、「ゴミ焼却場の建設が初めは中小業者が行う19億円規模だったが、急に大手のみで27億円に増え、差額を工作資金化する」というもの。

  • 正義の裏側

 寺島氏は予算が通る前に公開質問状を出すことにした。しかし党上部から質問状への連名を指示され、逆らえば除名とも。近づく選挙目当てという狙いを感じとった寺島氏は党の要請を拒否し一人で出した。そして仲間達も離れ、孤立化していく。不正追及の舞台裏で、手柄の横取りで選挙利用という泥臭いエピソードだが相当苦労したようだ。

 その後、共産党出身議長になるも、やがて離党し、村長選にでたが完敗した。その時の候補者らの主張がイイ。

・類似の公共施設を近隣自治体が競うように持つのは愚の骨頂。
・車で30分圏内には同じような施設は作らない。
・村民には近隣自治体の施設を使うように。・・・笑える

 「三水のような貧乏村とは合併したくない」という格上意識があったと嘆くが、相手を嫌うのはよくある話だ。合併特例法の期限ぎりぎりに合併を果たし、新町長選は82%の投票率、町議選は双方から半分ずつとなる。また、第三セクター飯縄スキー場が累損15億円を抱え、損失補償が明るみとなり、なんと八十二銀行から町が訴えられる事態まで発展したとあった。こうしていろいろな問題が起き、その再生過程で寺島氏のような強いリーダーが議会改革を推し進めたようだ。

 読んでいて、アリコベールA館売却による第三セクの損失(21億円?)、さいたま市との合併問題(市長、労組による合併反対運動)、ゴミ焼却場の不正入札(ツートップ逮捕)、上平新図書館(総事業費38億円)とその裏で進められたパークゴルフ場建設(?億円)等々、上尾にも何度か嵐がきたがそれを機に変る力は起きなかった。

・肝心の議会改革はややピンとこなかったが… 

・一問一答方式の導入 (上尾は実施済み)

・町長に反問権・・・(簡単なのですぐ導入すべき)

・同一議題の質問三回までを無制限に。(議論を避ける体質があると無意味)

・全員協議会で議事案件の争点整理をしてから、一般質問をすることで質の向上になる。

・議会サポーター制度。町民参加を広げる、現在16名 (よい仕組みだ)

等々だが、「議会力は上がったが、議員力はまだ」と言う。ところで飯綱議会には会派が無いが、その廃止方法が分からなかった。

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 ホンネが「改革したくない」という議員が多数派である限り、議会改革は中途半端になる。だから、できないと知りつつ「只今検討中」という「やってます感」で住民に格好を見せる。議会基本条例も他の自治体のをコピーして、導入したつもりになっている所が多いと書いてあった。実は「改革」というほど大げさなものではなく、ごく当たり前なことを望んでいる。それは「きちんと議論しろ」ということ。それができないのは能力が無いのか、人前で議論すると困るからだろう。

 今の上尾では、政治倫理条例とか職員倫理条例が注目されている。条例を作ると議員や職員の質が高まるなら、地方の問題はとっくに解決しているはずだ。企業でも新しい経営手法がトレンドになると、「○○委員会」を作りたがる。作ることで安心しきるのだ。

 特に上のリンリと言う用語は「議員のモラル」と勘違いされるから別表現が良い。真のネライである『議員の利害関係者に公共事業を受注させない』を前面に出すべきなのだ。そして「多数派により否決された」と何度も何度も宣伝すれば良い。

例えば、市が行う契約に関連して、特定の業者から金品等を授受することや特定の業者を推薦、紹介等有利な取り計らいをすること、自己または親族が実質的に経営する企業に受注させること等を明示し、これを禁止する。 上尾市 第三者委員会報告p12より

 

参考 JIJI.COM トップインタビュー寺島渉

 

 

 

 

 

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コメント

よい情報を有難うございます。
いつもながら鋭さに敬服。
嫌かもしれないけど、年末の市議選に出たら?票数をあたってみては?
物足りないでしょうが、まともな議員がほとんどいないのだから。

これはこれは、身に余りすぎて、どこかに溢れそうなコメントですね (>_<)

その票数を当たった見たら、別に一位の方がいましたとさ。(^^♪

書いたままお蔵入りしていた、その古記事を明日アップします・・・

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