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2007年10月の2件の記事

2007年10月30日 (火)

起業塾 経営シミュレーション(第1会合)・・・・・新潟ビジネス専門学校/事業創造大学院大学

Photo文部科学省の再チャレンジ推進委託事業 として新潟ビジネス専門学校主催で行われたのが、 起業塾です。本年初の試みですが、そのカリキュラムの中核を成すのが、私の提供する経営シミュレーション(ビジネスゲーム)による事業感覚の養成です

 とまあ、堅苦しい紹介ですが、先日 2007/10/27-28の二日間がスタートしました。全日程では6日間のシミュレーションコースです。
 場所は新潟ビジネス専門学校のグループ(NSGグループ)のひとつである、事業創造大学院大学です。
 プログラムコーディネイターは副校長である松山さんです。

Img_0456●10/27-28のレポート
  あいにくの雨の中ですが、16名の方が集まりました。既に起業塾は始まっており、本日で3日目です。土日ですから、出席するのも大変。軽い気持ちでは参加できません。
 経営シミュレーション(ビジネスゲーム)のコースはまずは、商業モデルのPRIMO-2を三日間スタートします。今回はその2日間です。

 
 皆さん、会計知識はほとんど無い人が多く、とても緊張して参加していましたね。老若男女はもちろんのこと、キャリアもさまざまです。
 いつもは企業人向けばかりの研修ですが、このような顔プレの研修は私にとっても初体験。

 冒頭、起業するのは簡単です。企業は継続するほうがもっと大変なんです。と挨拶しました。おりしも、NOVA倒産のニュースが出たときです。『起業は易く、継続は難し』 というわけで、経営シミュレーションをする意味は十分あります。

今回のような状況での研修の難しさや問題点を抱えながらのスタートです。

Simg_0454_2  たとえば、参加者は全日程を参加できるわけでない。各自の都合があります。そのために4人のグループが翌日は二人になったりします。初日欠席の人は、二日目から内容を分からずに参加しなくてはなりません。

 でも、他のメンバーの助けや個人の努力でカバーしていました。

 残念なのは、電卓を持ってこなかった人が圧倒的だったこと(連絡モレとは言え)。経営の勉強会、それも数字を扱う、と言う程度の事でも電卓を連想しないとまずいですね。

 また、皆さんの中には、このような学習場面は何十年ぶりという方もおられたかもしれません。聞く、書く、発言するという教育場面での対応に少し戸惑われた様子も見受けました。でも、熱心である事、前向きである事、があるから、たいした障害ではありません。慣れです。

Img_0475 さて、オリエンテーションから始まり、ケース環境の解説の後で、会社編成をしました。初日は4月の経営からスタート。 結果を踏まえての決算処理に皆さん悪戦苦闘です。
 初めて決算書を見るに近い人までいますから、大変です。でも諦めないで最後まで作りました。普段の企業内教育でのペースの半分ですが、それは予定通りです。 

二日で3サイクル、中間決算まで行い、発表もしてもらいました。二台のプロジェクターによるダブル投影画面です。

 社長役は上期と下期で交替です。つまり2人×4社で8人が社長役をします。なるべく大勢の方がその任を経験するくことは意味があります。
Simg_0459  管理会計までやりたかったのですが、それは宿題にしました。

 
 宿題は
・7月の経営計画と資金管理
・7月の予想P/LとB/S
・7月の管理会計による限界利益管理  等

最後は理解度テストとアンケートで5時に終りました。
 貴重な日曜日、お疲れ様でした。


 

2007年10月15日 (月)

東和コーポレーション様の経営シミュレーション(ビジネスゲーム)

Towa 皆様、その節は大変お世話になりました。二日間、とても多忙な研修であったと思います。「時間のたつのもあっと言う間だった」という感想も聞こえてきました。さて、発表が長引いたので最後の解説が不足しました。このブログを使って補います。 ただし、多少のジョークも込めてですよ・・・

Img_0426

 

(1)  一般に、本研修の6社編成による運営は時間が遅れがちになります。最後に出した会社のペースになるために、繁閑の差が生じ、ご迷惑をおかけしました。それから、6社編成はやや過当競争ぎみになります。でも今回は1社赤字、5社黒字は意外でした。

(2) 共通事項として
まず各社のDesk生産能力を見てください。総合計3500台。では9月時点の総需要はいくらでしょうか?。
そこそこ売れているから、と言う理由で調査をしていませんね。2300台程度です。

そうです。需給関係は崩れています!!!!

そもそもスタート時点は500×6=3000台に対して、需要23003000台という推定でした。

なんだ、初めから需給が合わないのか?

いえいえ、バッタ社のOEMがありました。皆さん、お世話になったでしょう。盆暮れの挨拶もしないで・・・。 Max 150×6=900台、これが調整弁です。

どっちにしても最後は需給は崩れました。だから全社がフル稼働することはできません。どこかが操業短縮に追い込まれます。実際に業界のDesk在庫は積みあがりつつあります。中間決算と比べると一目瞭然です。

つまり、どこかが設備廃棄しない限りは(Noteに参入しDeskから撤退)Deskの設備投資は業界にとって自殺行為です。もちろん、強気で投資しても良いけれど、他社をつぶすくらいの覚悟でないと無理です。今回は2社がしました。その時点では、その会社が青息吐息になると思いましたが・・・少し様子が異なりました・・・

(3) Noteへの参入
大型の設備投資ほどリスクは高いものです。今回はpc1のみが参入。リスクが高かいのでリターンも大きい、と言う事で業績ナンバーワンは当然かもしれませんね。

(4) ミラクルの快進撃の原因
腑に落ちない人が多いでしょう(失礼)。まずセールス20人は圧倒的です。差別化は遅れている(半年前のモデルを新製品と言って売り歩くようなもの)。広宣は平均です。価格は常に最低価格です。結果としてですが、業界は価格競争に入りませんでした。そのため最低価格での販売が功を奏しました。けっして安売りではありませんでした。他社よりは少し安いライン。そこが不思議です。本来はもっと差別化策が寄与するのですが、たまたま価格がストライクゾーンにあり、安定して売れました。今回は価格がやや効き過ぎたようです()。続きはミラクルの項を参照。

(5) 賞与月の処理について
本来は、支払月のみで費用負担するのではなく、6ヶ月に配賦して負担します。引当金処理です。このシミュレーションは簡易モデルですから、その手続きを省略してあります。ですから、49月までの月次決算では6月は連続性が欠けることを承知してください。具体的にはセールス人件費が6月に過剰です。また労務費のそれは7月に高コストとして顕在化しますね。

(6) ミラクルの奇跡について
何かと手のかかる会社でした。提出は遅れるし、不注意なことが多いし、資金繰り計算も合わなかったり・・・。しかし、しかしです。なんと利益は二位の健闘でした。中間の一位は、投資抑制という一時的なものですが、後半も順調だった理由は上記に書きました。その後、内部通報がありました。某役員が頻繁に価格調査をしていたのではという通報です。真偽のほどは闇の中・・・
賞与を勘違いして0(本来は出す積もりだったようだ)、三人退職は前代未聞です。しかし6月に2名採用していたので、ダメージは減りました。7月は4人採用です!!
賞与0はシステムの間隙をついたできごとです。賞与0でその分得したのです。しかも、労務費サイドでは賞与0のペナルティがありません。本来は生産計画の乱れが生じても良いですが、講師は忙しくて忘れました。すごくついています。運も味方した、と言う事でミラクル? なお、1000万円ほど利益から引くと他社との比較になります。

(7) MyPC

よく言えば堅実経営、悪く言えば中庸をいくような特徴の無い戦略でした。マーケティングにおいてもメリハリの無い市場選択です。相対的には高価格でしたので高い粗利率になりました。失敗は6月度の部材1200発注です。8月と9月が支払月です。9月には8千万円の手形を落すために3000万円の借入をしています。普通は生産能力の2倍を超すような在庫手当はしません。在庫は悪であるという、事を学べれば幸いです。

Img_0438(8) YPC

大阪が強みですが、そのわりに低価販売を避けていました(笑)。5月にDesk第三ラインを中国に建てたようです。そのため、毎月、もらった手形は全額を割引に出すという自転車操業の日々です。マーケティングでは広宣が強みですが、闇雲に打っているようです。8月は16枚、9月は20(どうせ払わないのだから?)と出稿が増えています。ほんらいは貢献利益分析(テキスト参照)をして、地域別にメリハリを持たせる必要があります。失敗(皆さんではなく、私の)は、9月にOEM302台を吸い上げた事です。過剰でした。これにて、中国の第三ラインはバッタダイレクト社向け専用ラインになりました。しかし10月も資金繰りがきついです。多分、この会社にクリスマスはきません。くるのは借金取りです。

(9) エスペックPC

唯一の赤字、ご苦労さまでした。けっこう期待されていましたが、結果は厳しいものでした。経営資源に強みがありませでした。MyPCと似て堅実でした。価格設定はよかったですがOEMに慎重すぎました。計数能力が高いと、薄利ビジネスを敬遠しがちですね。稼働率を安定維持するにはOEMはありがたいです。よほど自社販売で完売する自信があるなら別ですが・・・。集中した東京は激戦で、効果(リターン)は得られませんでした。

 

(10) MEC

利益で三位。価格は一貫して一定額。このように製品の性能を上げながら、価格据置という戦略は今日のハイテク商品の代表的な例です。営業所を全エリアに開設しました。本当はNoteまで進出すると営業所効果は大きく発揮されました。なぜなら、どちらにも有功だからです。後半失速しました。その理由は今回の特徴である、製品レベルよりも価格が大きく寄与したためです。人は抑制気味ですから、一人当たりの売上高はDeskではダントツです。R&D投資も最多で競争力あり。価格の一貫性もよいけれど、柔軟性も必要か?。この上はNote参入がポイントです。実質的にはPC1に対するチャレンジャー企業です。

 

(11) PC1

「笑う角に福来る」ではないけれど、良く笑う会社に利益も訪れました。

5月にNote設備投資の意思決定する。資金不足は借り入れで補う。賞与は不満なヤツは辞めればよいとばかり、厳しい提示で突っ走る。

売上は7Note発売から順調推移。Note投資時には、リードタイムを間違える(落とし穴)ことなく理解できたのは立派。しかし、二兎を追うものは・・・の例えどおり、資金繰り厳しく手形割引フル回転でしのぐ。高い限界利益率の事業に特化し、資金繰りの苦労から開放されるために、ようやくDesk廃棄に乗り出すは賢明(本来はもう少し早く決断が必要)。盗難騒ぎと保険は特別損益の部の学習用。焼け太りだった。

今後の課題はDesk2ライン売却なのか1ライン温存するかがポイント。懸念すべきは役員の健康管理か。

 会社:  ゴム手袋の東和コーポレーション

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