八日目の蝉の最終回を見た。希和子(檀れい)が絶叫した言葉が後で分かった。でも『薫、金麦冷やして待っているからー』と聞こえた人もいたようだ。
ドラマは面白かった。誘拐犯が主人公というのが珍しい。原作があるとのこと。読んだことはないけど。
ネットで調べたら、小説の八日目の蝉、元になる事件があったとのこと、それを知ると結構重たく複雑な気になる。
古い事件でも詳細(正確さは不明)に開示されている。本名が出ているのもある。
小説は事件とは違う展開だ。事件は凄惨であるが、こちらは親子の愛情に絞っている。
気になったのは、警察の手で希和子と子どもが分離されるシーンで、希和子が何か絶叫していた。それがよく聞き取れない。ビデオで再生し音量上げてもよく分からない。
老化で耳が悪くなったのかなー、と自己嫌悪に陥る。
主役の檀れいが甲高い声で早口でまくし立てた場面だから、よく分からない。まさかモスキート音ではあるまいし・・・
ネットの深みにはまっていたら、ようやく分かった。
正確ではないが「その子はまだ朝ごはんを食べていないんだから」
意外な言葉なので、余計印象に残る。別離のシーンで母親になりたかった希和子の言葉が「まだ飯食っていないから食べさせて」か、・・・・
リアルだけど、どうだろう?
良い母親ぶりという意見もあるようだが・・・果たしてそうか?
作者はなぜこんな日常的な言葉を入れたのか?
最後の再会シーンも重要だが、ここも重要なシーン。でもナニを叫ぶかは、それほど重要でもないと思ったのだが。
子供の名前を絶叫すればいい、或いは警察に懇願する言葉でもよさそう。でも
作者はあえて意味を持たせたようだ。
第三者が聞くと、たいしたことの無いセリフに聞こえるけど、子供(薫)が大人になっても気になっていたという背景があるので、この言葉は意味があるのだろうと思う。
「その子はまだ朝ごはんたべてないの」
子供(とりわけ幼児期の子供)の世話・面倒を見る上での一番大事なことは何か。食べさせる事。一食も抜かさないこと。抜かしたら親の義務を果たしていないこと。ということなの?。母性から出た自然の言葉?
母性とは自分ではなく、子供の欲求を満たすこと、ということなのか・・・
鳥の子育、幾度も幾度も親鳥が外へ餌を取りに行き巣に舞い戻る場面がある。あれだ。
薫にとって、誘拐犯でもあの時は本物の母親だったことを、認めさせた という意味があるのだろうか。
原作は知らないが、このセリフは子供に向けたものではない。警官に伝えたもの。別に絶叫する必要ないと思う。自分を羽交い絞めにしている警官に言えばいい・・・なんてのは野暮か。
「その子は私の子なんです」だったらエゴ丸出し。
「薫、おまわりさんに朝ごはんもらってねー」ではあんまりだ。
追伸
八日目の蝉「その子はまだ朝ごはん食べてない」の台詞はブログネタとしても盛んのようだ。ドラマ(小説)はそれでいいけれど、さかのぼると嫌な事になりそう。ネットは歯止め効きにくいから。
それにしても、皆よく聞き取れたものだなーと感心した。字幕が欲しかった。
ネットでいろいろ見ていたら、檀れいバージョンがあってもよさそうだ。
「薫、金麦冷やして、まってるから~」というのもあったような・・・?
5歳では無理だから、大人になって再開することを夢見たのだろうか。
ラストシーンだって、「薫、金麦冷えてるわよー」なら再会できたのにね・・・
●追記 2011.5/4 最近、映画「八日目の蝉」上映のせいか、このページに来る人が多いので・・・鳥さんの子育て事例もどうぞ。蝉なんて目じゃないよ
「そこまでして育てる、托卵戦略」
さあ、希和子と薫の母親、どちらがジュウイチとオオルリ七日?
頭がおかしくなりそう・・・
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