ある経営シミュレーション研修の総括コメント事例 -- 2
ある企業での経営シミュレーション(ビジネスゲーム)研修後の講師コメント事例
ホロアPC社
売上最低、営業赤字となりました。お疲れさん。一部のユーザーからは「ボロPCとかアホPC」とさげすまれまたが、社長の人柄はいたって誠実。会社のためマイホームを担保に提供して運転資金を調達。ひたすら平身低頭で株主総会を乗り切りました(他の役員は見てただけ!)。
まず上期は世間知らずの価格設定で通す。結果、販売台数は低迷、売価高いため、みかけの決算は良くなります(在庫は費用にならないから)。6月末で550台の在庫の山。
在庫が積みあがるのを見て、操業短縮に入りました、次に訪れたのは資金ショートの日々です。手形は全割です。渡りに船とばかりにBDirectト社の大量
300台購入の話に飛び乗りました。それでも足りずに緊急融資1000万円で7月危機を乗り切ました。
そんな社長の姿を見て(他役員は見てただけ)・・・社内に危機感が浸透。セールス部隊は必死の在庫一層セール、666台完売(ナナント悪魔の数字)。過去最高売上高です。R&D部門からも完成の報が入りました。
でも、7月の粗利率は8%、当期利益は-1300万円。
喜んでいいのか、悲しんでいいのか・・・・・・笑った方が良いのか \(◎o◎)/!
危機が去っても、新しい危機が来るものです。8月は新製品発売なのに、操短のつけが来て玉不足。おまけに手形に余裕があるのに、手形全割にしないで、大事な玉をBDirect社に200台も納品する失態。
大混乱の7-8月は役員陣を浮足立たせました。セールスが客先で怪我をする事態があっても、何を考えてか盗難保険に入るしまつ。この二か月で機会損失は600台超。冒頭の陰口はこのころネットで流布。
在庫の山と機会損失の山に翻弄された一年だったようです。
マーケティング的には大阪を主戦場にしていますが、競争激しいです。デスクPCラインを縮小した企業向けにOEM供給を持ちかけるのも戦略的な課題です。そうです、下請だって生き延びる道です。当社の強みである二ラインの稼働率の維持と現金取引重視による資金繰り好転を期待しましょう。 生産会社への特化をするには、セールスの希望退職、大阪営業所の撤退 等が必要です。しかし自主再建をするなら、伸びきった営業戦線の絞り込みが不可欠です。既に他社の棲み分けが進んでいます。大阪市場への集中戦略に賭けて みるのも良いですが、激戦区です。JCN社の成功に見習うのも良いかもしません。或いは、販売提携を結べる相手を探し、デスクトップPC供給の代わりに、 市場分割や棲み分けを図る道もあります。
経営シミュレーション(ビジネスゲーム)研修 総括コメント 感想 株主総会発表 事例
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