メルトダウン(炉心溶融)の恐れではなく、メルトダウンになっていたという顛末
動かぬ証拠が出ない限り、認めない、という習性はお役所人間の典型だろう。
憶測だけでは軽々しく言えない、という平時の習性から抜けられない例が明らかになった。
福島第一原発事故の直後、盛んにメルトダウン(炉心溶融)の危機が言われる日があったが、そこまではひどくないとか、そのリスクは低いとか、そんな証拠はないみたいなことを述べる専門家が結構いたのではないか。
東電や保安院とかいう役所発表もあやふやなものだったが、二か月過ぎて、ようやく認めたようだ。
「彼らは目で見て確認できる時が来るまで言わないだろう」と思っていたのだが・・・
メルトダウンの有無を議論しているあの時、実は事態はすでに終わっていた。というのが事の顛末のようだ。滑稽で愚かしい局面にいたものだと、国自体が自己嫌悪に陥る。
フランスやアメリカは事故直後の冷却停止から数時間以内にメルトダウン発生の危機を想定していたようだ。
恐ろしいのは、この差。
単に日本政府や東電がお役所的、官僚的体質というだけではないように思える。
近代日本人そのものの疾患ではないだろうか。
では、更なる最悪の展開、再臨界が起きなければいいけど、その確証はどうなのだろうか。
しかし、またもや彼らに説明や対策をゆだねてよいのだろうか。日本国民はお人よしすぎないだろうか。その気質が今回の顛末そのものではないだろうか。
果たして、事が起きると、責任がわが身に及ばないことを気にするような人々(に思えて仕方ない)に任せてよいのだろうか。
現在の日本にはこの事態を収束する能力はないことがはっきりした。
菅総理は浜岡原発の停止を求める大統領的な英断をしたが、次は福島原発終息へ向けて、担当者の入れ替えをする必要があると思う。人材の対象は世界中だ。
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