レッツノートS10の使用感、感想、評価、レビューです
まだ使いこなしているわけではないけれど、Let's noteS10購入後の使用感と評価を書いてみた。正式には2011年夏モデル、CF-S10CYBDR
●処理スピード
思ったほどではなかった。遅くはないが、Sandy Bridgeの第二世代Core i5に期待していただけに、こんなものなのだろうか。各種ベンチマークの値は高いものの、現在のデスクトップのWindows Vista+Core 2DuoE4500 2.2Ghzより目に見えて早いというわけではなかった。
でも64bit版Windows7 でメモリ4Mのせいか安定して使える。体感スピードが物足りないのはHDDモデルのためかもしれない。ちなみにLet's note S10の
Windows エクスペリエンスの値は図の通り。
●バッテリー
誰もがレッツノートを使い始めて一番体感できる優れた点だ。表向きの仕様では16時間ほどだが、連続しての長時間使用はしてない。一日数時間程度しか使わなくても、3-4日持つのですごいと思う。いつ充電したかも忘れてしまったが、それも80%充電。
●ACアダプター
小型軽量である。差し込みがL字型になったのは良いが、細いケーブルがやや短い。コンセントが床面だと、机から床面までの間にアダプターがぶら下がった状態になる。もう少し長くして、ウォールマウントプラグがあれば太いケーブルは不要になると思う。前機のラビではウォールマウントプラグがとても便利だった。
●重さ
1.34kgは軽いほうだが、それほど軽いとは思わない。スタイルがずんぐりしているので見た目の体積からすると軽く感じるだろう。かつては1.1kg前後で軽さを競っていた時代があったが、最近は通常電圧版+ファン構造のためかモバイルといえどもやや重い傾向があ。ライバル機と比較すれば軽いほうだ。標準のバッテリーが420gだから、全重量の三分の一がバッテリーなのだ。電気とは重いものだ。軽量バッテリーにすれば1.175kgと軽くなる。
●キーボード
やや使いにくい。狭い場所で使うにはいいだろうけど、基本性能が高いからと言って、デスクトップの代わりに使う気にはなれない。カナ文字入力をするには右端側のキートップが小さい。縦方向のキーピッチもやや窮屈。ストローク感には不満はない。
漢字キーの位置が悪くて、タイプミスをするからブラインドタッチができない。F2(編集)キーと思ってF1キーを押し、ヘルプ画面が出て困る。カーソルキーももっと大きくしてほしい。
制約の多いキー配置は設計が難しいだろうが、カラー文字やキートップ面に色を付けて識別しやすいようにしてほしい。とりあえず自分で蛍光ペンで色を付けた。
例えば、漢字キーやエンターキー、Shift、またはBS、TABキーなど、いずれかに色を付けるといい。かっこう悪いだろうか?最上段のファンクションキーもキー色を全体にやや異なる色にするとか、キートップ面の感触を変えられないだろうか。
キーがもう少し大きくなればすべて解決なのだが・・・。普段はカナ入力だが、レッツノートの時はローマ字入力にしようか迷う。モバイルPCでキーボードが優れているのはThinkpadだ。
●円形ホイールパット
縦スクロールは使いやすいが、横スクロールは認識が不安定でコツがいる。慣れるためにマウスを使わないようにしている。パット面か周辺部にBSキーの機能か欲しい。ブラウザーの戻るボタンとして使えれば、パットだけでブラウジングが楽になる。
パット部の面積が狭い。今後windows8でのジェスチャー機能を搭載できるのだろうか。状態ランプはこんな特等席にはいらないと思う。パット面をもっと広くしたり、割り当てキーが欲しい。
●DVDドライブ
生産量の少ないドライブレスのN10の方が高価格で売られていたし、重量差も60gと体感できない差ではN10を選択する理由がない。前面に開くのは便利だが、使用頻度は少ないので、この前面オーブンのドライブのために縦方向のキーサイズやレイアウトが制約を受けているとしたら総合的にはデメリットだと思う。
●HDD
640GBもある。モバイルパソコンでは必要ないと思うが、モデルチェンジのたびの付加機能として、あるいは同じコストで調達できるから容量が増えるのだろう。5年使っても空き家状態になりそうだから、他人に有料で貸したいくらいだ。SSDへの換装も容易らしいので、いずれはと思う。Windows7はパーティションが楽に切れるのに驚いた。
●熱処理
ファンが強く回るような処理をしていないので、騒音は気にならない。静かであるが、左手パームレスト部が暖かくなるのは不快。また左側面中央に排気口があり、左手で支えながら持つと熱気が手に当たる。前のラビは長く使うと底面が熱くてひざ上に置くのが辛かったが、それと比べるとまし。
●ディスプレイ画面
店頭で見たときは色調が薄い感じがして気に入らなかったのだが、実際はそうでもなかった。標準の背景色が緑デザインのためかもしれない。思ったよりも液晶は見やすくて良かった。ノングレアはビジネス用には不可欠。12インチで1280×800ドットという仕様は希少だ。縦解像度800ドットと多いのは実用的。
老眼が進み文字サイズ等をやや大きくしたため800ドットの恩恵があるのかは不明だ。縦方向の表示領域を増やすために、Office2010のリボンは閉じた状態で使い、タスクバーも隠す状態にしている。
画面が開く角度はもう少しあるといいかもしれない。画面を閉じるときの最後のパタンという閉まり具合が気に入っている。
●インターフェース
今のところ種類に不満はないが、端子のレイアウト位置が悪い。外部ディスプレイ用端子は背面がいい。使うときは一日つなぎっぱなしで使うため。人によっては側面のがよいかもしれない。左側のUSB二個は手前過ぎてUSBメモリやプリンタケーブルなど差したら手が当たりそうで気になる。AC口ももう少し奥がいい。この辺りは前機のラビが使い勝手がよかったという反動かもしれない。
●堅牢さ
試しに落とすわけにはいかないが、しっかり作られているという感触は受ける。堅くて丈夫と言うよりも衝撃を吸収するような作りだ。日々の取扱いに過剰に気を遣わなくていいというのは、気軽に持ち出す気になれる。モバイルパソコンではとても大切なことだ。
ケースにも入れないで、裸で持ち歩くという使い方はどうなのだろうか。ユーザーの勝手だが、一眼レフカメラのように肩掛けひもを通せるような留め具が欲しいと思う。
丈夫さは物理的な耐用年数を長くする。レッツノートの価格は他のモバイルPCよりも高めだが、3-4年で買い替えよりも4-6年も使えれば割安になる。あくまでも壊れない場合だが…
●価格
パソコンに限らないが、特に急いでいるわけではない方は、モデル末期に買うべきだ。同じ機械でも安く買えばコストパフォーマンスは高くなる。
●サポートセンター
軽い質問だが何度も電話した。直ぐつながる。深刻なトラブルや故障相談ではないので、真の評価はできないが、応対はとても良い。ディスクトップPCではエプソンダイレクトに電話をする。エプソンはサポート評価が一番高いことで有名だ。電話口の応対やその後のフォローでもパナソニックは良いと思う。音声案内での振り分けもなく、エプソンよりも簡単につながる。最悪はマイクロ●フトである。
●デザイン(スタイル)
デザインを追求したPCではない。堅牢さや排熱処理とのトレードオフになる。でもネジ面が散見されてセンスは悪い。レッツノートはシルバーが多いのでブラックにした。分厚くゴツゴツして野暮ったいが、見慣れるしかないだろう。美人を見ないことだ。
●選択の基準
モバイルPCに多くを望んでも仕方ない。何を重視するかで選べばよいと思う。そう言いながら、個人的には総合的なバランスで選んだ。でも軽さとバッテリーの持ちの良さだけでも価値はある。見た目や薄型にこだわる人には選択肢に入らないだろう。 薄さではソニーや東芝のダイナブックR731などが視野に入る。
●新レッツノートに、そろそろ新しい挑戦を期待したい
2012年春モデルには、立体トランジスタのIvy Bridge搭載のレッツノート新製品が出るだろう。それはLetsnote S11なのだろうか、それとも大きく設計変更した新しい型番なのだろうか。
レッツノートの円形スクロールパッドや前面に開くドライブ装置、分厚いスタイル、これらは一目見てレッツノートいえる位、差別化された優位性として高い評価を得ているようだ。レッツノートS8、S9、S10とパワフルな通常電圧版CPUを乗せて排熱処理を工夫しながら長時間を達成というのが現在のレッツノートへの歩みだと思う。
しかし、しかし だ。
むしろ、弱点として目立つようになるのではないだろうか。タブレットやスレートPCなどモバイル機器が乱立しつつある。MacBook Airに対抗するかのように、2011年末からはインテル推奨のウルトラブック(Ultrabook)という薄型ノートパソコンが登場するようだ。
Macやアンドロイドではだめなのだ。多くが欲しがるのはWindowsが動く軽くて薄くて力のあるノートPCなのだ。Intelによれば、ウルトラブックは今後数年にわたってスペックが強化されるシナリオだ。
厚さ17mm程度、1100gから1300g位でSSDが当たり前の標準になる。やや性能が低い低消費電力CPU(現行主流の35Wレベルに対して17W位)を乗せてもSSDの効果で体感スピードは良さそうに思える。
ファンレスなのだろうか。発表モデルでは背面に端子類が集中している。厚い場所が背面側にしかないためだろう。インテルはCULVでも笛を吹いたが、一部の海外メーカーしか踊らなかったように思う。という過去があるけれどUltrabookは期待したい。
パナソニックはどうするのだろうか。オールインワンのモバイルPC一筋もいいけれど、薄型が流行るとトレンドからはみ出ることになる。頑丈ですというだけでは、法人向けパソコンに埋没しかねない。コンシューマー向けのラインを増やす気はないのか?、レッツノートエアー(Let'snote Air)というのは出ないのか。ソニーはこの手の企画はお手の物だが、パナソニックがやればこうなる、というところを見せてもらいたいものだ。
●レッツスレートという新製品も個人的には期待する
キーボード分離型のスレートPCであれば、縦置きディスプレイにもなるのでExcelやWord作業にも最適だろう。タブレットは録画が苦手な再生専用機みたいなものだから、Windows8とPCの再定義によりタブレットは不要になると思う。
以下、PC Watchの「Intel、IFAで発表が相次ぐUltrabookの特徴を解説 」から一部引用。2011/9/5の記事。
・・・・ Ultrabookのプロセッサについては、最初のUltrabookはSandy Bridgeベースの第2世代Coreプロセッサを用いたものとなっているが、来年にはIvy Bridgeベースの第3世代Coreプロセッサへ移行し、Ultrabookのコンセプトをさらに成熟させたプラットフォームになるとする。また 2013年登場のHaswellは革新的なノートPCを生むものになるだろうと述べている。このHaswellベースのUltrabookのプラット フォームがShark Bayと呼ばれることも公表された。・・・・
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