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2011年10月 2日 (日)

テクダイヤのビジネスゲーム研修は池袋サンシャインシティで実施

テクダイヤの経営シミュレーション(ビジネスゲーム)研修はグローバル人材も参加した

テクダイヤ株式会社(TECDIA)様の研修は、国内組だけでなく海外拠点の中核社員も集めてサンシャインシティーの研修室で行われた。

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 24名中、外国人の方が9人(うち女性3人)と非常に多かった。他社のビジネスゲーム研修でも、たまに外国人(概ね中国系の人)1-2名参加する例はあったが、こんなに大勢参加になるなんて、時代が変わったなーと改めて感心したものだ・・・

 母国語、英語、日本語と使い分けられる有能なグローバル人材なのだ。会計面の予備知識を高めるために、事前学習(会計の基本がわかる本)とレポート問題を採用してもらった。

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 平均点で78点。日本人よりも彼らの平均点のが少し高い・・・オイオイ、日本語の本と日本語の問題だよ! 日本の若手ガンバレよ 

 

 2日間にわたり、社長さんも見に来られた。幹部役員もつきっきりで運営に当たられた。この辺りは、フットワークの良い中堅企業の良さであり、集まった彼らへの期待感の表れだろうと思う。 参加者にも良い意味での緊張感が漂う。

 テクダイヤ社は電子部品等のメーカーだが、参加者に営業系が多いと言う点と会計面の難易度から考慮して、今回の経営シミュレーションは商業モデルPRIMO-2を実施した。

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 中間決算までの3サイクルでは2強3弱の様相だったが、後半は4サイクルを実施した。一社が傑出した業績を上げ、コピー機市場を不毛地帯というか焦土にしたために、4社が大苦戦を強いられるという、まさに熾烈なグローバル競争そのものだった。

 発表は中間で専務が、最後の株主総会で社長が、ということで計10名に登壇してもらった。書画カメラ付きの併用型プロジェクターが無かったためもあるが、プレゼン場面ではドキュメントの中身や発表スキルの点でやや物足りなかった。

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では、各社に対する番外編のコメントを述べてみよう。

1.COPYDIA

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 上期順調なスタートを切る。チームワーク良く、温厚な紳士集団のように優良企業目指す。マルチ物産に対抗する唯一の会社と期待されたが、中間期に業績はピークを打ち、その後は転落の一途。

 計数面では多名賀専務や蔡常務を中心に精度高く、役員のチームワークも良く、製品集中の戦略は間違っていなかったのだが・・・一番遠地に住む社長自ら早く出社し、勤勉さを良とする社風である。

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 しかし、温厚さや勤勉さは「人の好さ」にすぎないのか、はたまた自己満足なのか、わきの甘さが露呈。事故への備えや価格調査を怠たるを見れば一目瞭然。市場のストライクゾーンを無視した高価格政策への固執が顧客の離反を招く。
最終期は支離滅裂な計画で債務超過転落寸前(-19800)。優良企業転落の物語の完成である。

業界とは「紳士の集まり」とは限らない。『業界とは、生き馬の目を抜くところ』なのである。マルチを見よ。死にもの狂いの他社を見よ。

●債務超過とは

2.野村電子有限公司

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 若い野村社長が奮闘するも、役員会のコミュニケーションが不足気味で、上期苦戦、下期も苦戦続く。新規プリンタ市場にいち早く展開するも撤退と再参入を繰り返すなど、製品市場戦略への迷いが痛手。

拠点投資もなく、強みとなるセグメント市場の確立が遅れる。マーケティング投資も不足気味で、兵力の拡散をするあまり、各セグメントでの局地戦に勝てず、低迷状況から脱せず。最終期は損益度外視の計画で粗利が赤字とはあんまりだ!

一人当たり何台販売、という指標を持ちながら、メリハリある市場選択が必要となろう。とりわけ、元々強かった東京市場へのマーケティング資源を集中し、安定した売上の確保が課題となろう。

3.3Sコーポレーション

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 社長、専務ともに海外出身者。上期の販売不振により在庫積みあがる。原因はプリンタ参入時のマーケティング戦略で、価格面と広告認知活動が弱点。セールス部隊は最少にも拘らず二商品展開では戦力的に不利。

販売低迷にも拘らず大量発注を続け、9月度に支払い不能事態に陥る。メインバンクの緊急融資で運転資金調達するが、不明瞭な仕入発注が露呈し、供給先メーカーとの仲介をメインに依頼して事業継続を果たす。その責をとりアン社長降格し、キャッシー専務が新社長へ。

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背景には社長派と専務派の暗闘があったのでは、とのうわさが絶えない・・・

役員人事刷新後は、プリンタのローカル市場への集中戦略により回復を目指す。限界利益率10%の薄利ビジネスから、20%超のブリタンへ転換して黒字達成。とりわけ、台湾に近い九州での寡占を実現… 

4.マルチ物産

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売上、利益とも業界ナンバー1達成。特にプリンタ市場では終始業界をリードする。直近の月次決算では経常利益率13%を達成。通年でも7.6%。

早期のプリンタ参入は他社も同様だが、同社は徹底して攻撃的マーケティング戦略を展開し、セールスや販促予算は湯水のごとく他社の二倍を投入して圧倒。しかも都市部を制圧して他社をローカルに追いやりつつある。

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年功の社長と自由闊達な社風でコミュニケーション良く、終始、笑いが絶えない会社。計数能力も高く、好業績も相まって資金繰り順調で不安なしだが、あくなき利益追求が行儀の悪さとなる面もうかがえる。とりわけWolfe常務と林監査役の2人組は暴走気味である。

コピー市場から撤退しプリンタ集中戦略で荒稼ぎするも飽き足らず、コピー機再参入する。再参入時の価格設定は限界利益率13%の薄利戦略、コピー機市場に価格競争を誘発する。

結果、コピー機市場は不毛地帯と化す。単一市場に依存した他社は大打撃を受け、業績急落となった。

某顧客から監督官庁へのメール有り。コピー機を原価並みで売るから、高価格でプリンタを買え、との商法を展開しているとの趣旨。コピー機は「おとり」であり、実質はブリンタ事業を収益源にしている同社のダークサイドが見えつつある・・・とても、尊敬を集めるリーダー企業とは言えないな・・・

・・・その慢心こそが市場調査を怠り、来たる変化への対応を遅らせるかもね。

 

5.パイナップル㈱

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アップルに成れなかったばかりか、債務超過転落へ、まさに朽ちたパイナップル。上期は順当なるスタート切るも、広く浅くの拡散戦略により販売は低迷。途中、製品市場の絞込みへ戦略転換するも、過当競争市場へ集中したのが裏目。

さらに遅れて大阪に拠点持つも、マルチやCOPYDIAと競合して効果出せずに、打つ手打つ手が裏目に回る。高価格(相対的に)政策のため、仕入は抑制的、そのために仕入単価も高く、低価格政策取れずに、販売低迷。価格政策も業界動向の把握遅れて(調査怠り)、浮世離れした価格で顧客離反を招く。

総じて、資金繰りに追われ、マーケティング分析が足らずに悪循環へ。最終期は換金売りの商品売却よりも借入による資金調達を優先すべき。粗利率 1%は原価割れが含まれている証拠。追い込まれたあげくの価格設定はまさしく「パイナップルのたたき売り」そのもの・・・ 

ここで失敗をしておけば、必ず現実ビジネスでは成功につながりますよ。ワンさん遠くからご苦労様でした。

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 テクダイヤの社員の皆さん、受講態度はとても良好でした。事前学習もしっかりやってきており、休み時間を惜しんでまで学ぼうとする態度がよく表れています。ぬるま湯につかる大企業の風土よりも活気がありましたね。

 しいて言えば、日本人社員の方では、肩書や外聞を気にしないで分からないことを恥じることなく、堂々尋ねながら参加すると良かったかもしれません。
 海外系の方は優秀でした。特に女性がね  


tecdia sports festival テクダイヤ運動会 

テクダイヤ(TECDIA) グローバル社員研修 ビジネスゲーム、経営シミュレーション、池袋サンシャインシティ






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