土日経営シミュレーション(ビジネスゲーム)--決算とROE
システムエンジニアによるグローバル競争風の経営シミュレーション(ビジネスゲーム)研修---2
●ほんだ㈱・・・・社名はこうしておきましょう
上期から製品戦略の転換をしました。目先的にはリストラ構造改革に伴う特別損失が先に計上されるため、決算的には厳しいものがありました。しかし、下期に収穫期を迎え特損を解消して余るほどのリターンを得ました。リスクを冒したからリターンが得られたのではありません。リスクを冒してリスクに溺れる会社の方が多いです。当社には堅実なるマーケティング戦略がありました。
規模拡大を追わないために売上は最下位ですが通期では粗利率32%、本業の営業利益率15%と、●●●●●もうらやむ高収益企業となりました。単月ベースでは直近の粗利率は46%、当期利益率は32%と超高収益を誇ります。
マーケティング戦略では少数精鋭を貫き、省スペースであるNote-PC需要の高い都市集中戦略を展開。拠点投資と人的販売を優先し販促は抑制的。R&Dも積極的に行い高性能品をストライクゾーンの価格で提供。
しかし販売趨勢を見ると数量は頭打ち。第一ライン生産量を直販部門で完売するのが関の山です。そこへ第2ラインが稼働。好決算の影に隠れるように期末在庫の積み上がりは不気味です。明らかにキャッシュフローが悪化しています。
販売と生産のバランスは均衡しているか? 成功要因の都市集中戦略、少数精鋭の効率経営に限界はないか? 金城湯池であったNote-PCの都市部での競争はどうなのか? White-Proも軌道に乗ってきました。サムソンも三番手として参入。日本、中国、韓国メーカーの三国競争が始まっています。
目先の好決算に浮かれて市場調査を怠ってはいけません。納税意識よりも将来のリスク要因への備えのが先です。膨れ上がった固定費を回収するには、従来の成功要因との決別も必要です。未参入エリアへの量的拡販や柔軟な価格政策が課題です。絶頂の時に危機が芽生えるという典型です…
満点常務からROEについての質問がありました。
印刷された決算書の指標では、単純に当期利益÷自己資本です。でも総資産が2.8億から4.1億へ急増したように、株主(自己)資本も大きく変化しています。このような場合は期首・期末平均を使う方が良いです。(期首+期末)÷2です。
そもそも利益は期間の値であるから、自己資本も期末ではなく期中平均を使うと言う意味です。それで計算してください
ROE=当期利益率×総資産回転率×レバレッジ となります。
レバレッジは借入をしたNPCが高くなっています。売上高を追うと総資産回転率も高いです。ROEについては、書籍の解説やこちらのWeb解説ページもご覧ください。
ROEの分解式
次に続く・・・
1/18 株主資産→株主資本、自己資本へ
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