小売業、ヤマダ電機と交叉比率
ヤマダ電機では交叉比率を小売業の強さを示す指標にしている
交叉比率(交差比率)はそれほど使われていない指標だと思っていた。実際、経営分析の指標の中でもあまり見かけないマイナーな指標だと思っていた。今でもそうかもしれない・・・
でもヤマダ電機では小売業の強さを示す指標の一つとして使っているようだ。ただし、H20年ごろの有価証券報告書には「交叉比率」を明示していたが、今は無い。
交叉比率=粗利率×棚卸資産回転率
=(売上総利益÷売上高)×(売上高÷棚卸資産) と分解されるから
これは 商品の収益性×商品の効率性 の指標となるが簡略してしまうと
=売上総利益÷棚卸資産 となる。これだと意味が分かりにくいかもしれない
ヤマダ電機の2011/3期の連結と単独では
連結の交叉比率= 314%、 粗利率 23.5% 棚卸資産回転率 13.3 (期首期末平均)
単独の交叉比率= 341% 21.6% 15.8
会社全体の売上高を一つの単品に見立ててみれば、粗利率20%強の商品を13-15回ほど転がしているというわけだ。
そして交叉比率300%以上が小売りの優良企業と言うらしい(たぶん経験則だろう)。単純に、粗利率25%×12回転と覚えればよいかも。
でもそもそも交叉比率とはどういう意味なのだろうか?
利益÷資産の典型にはROAがある。投資効率である。その意味では棚卸資産投資効率と言う意味になる。でもそれでも分かりにくい。
粗利率の改善は容易ではないが、粗利率を高めると高価格品を扱うようになり、自然と商品回転率は下がる。粗利率を低くして商売すると、薄利だから必然的に高回転になる。
また期末在庫を減らせば交叉比率は容易に上昇するように見えるが、在庫を減らすことは機会損失となり売り上げの減少になる。強いては、バイイングパワーがあるならば在庫をなるべくメーカーや問屋側に持たせて納品体制を短縮することかもしれない。まるでカンバン方式みたいだ・・・
収益性と効率性は元々トレードオフみたいな関係もあるし・・・
仕入販売業では粗利は限界利益と同じだ。それならば、交叉比率は限界利益管理とはどう違うのかも課題になる。
まとめ
儲ける力と早く売る力を一つにまとめて見ているのだろう。
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