日本がハッピーな不況を堅持するという、海外エコノミストのご託宣
国内は沸いても、海外のエコノミストは日本経済をクールに見ている
日ごろ、エコノミストほど適当な職業はないなー、と思うことがある。
正反対のことを言っていても、議論が成立したり、予想(見立て)を述べても半年や一年後に、現実経済が異なっても、「彼はそういっていた」なんて誰も気にしないし、検証もしない。
それでいて、局面がかわるとまた登場して、あーでもない・こーでもない、とご託宣を並べる。
円安や株価上昇の見られるように、今は新政権への期待感で高揚しているけれど、ロイターの次の記事はクールだ。
海外エコノミスト、自民への期待低く日本経済の地盤沈下続くとの見方 2012.12/18
-----以下引用-------------------------
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(ロンドン)のジム・オニール会長
「すでに富裕な社会が、新たに台頭したライバルに対する優位を維持するため、わざわざ苦痛を伴う改革を断行して名高い社会的調和を乱す必要があるのか」という問題だ。
日本は過去20年、米国やユーロ圏ほどでないにしても1人あたりGDPを増やし続けてきた。失業率は格段に低い水準を維持している。
オニール氏は、市場が容認する限り、日本が「ハッピーな不況」を堅持するのは理にかなっているのかもしれない、という結論に至ったとしている。-----------------------------------
格差社会とは言うけれど、世界的には日本は先進国中ではきわめて格差の少ない国である、ととらえられている(たしかNHKのTEDの番組中でグラフを見せられた)。失業率だって低いほうだ。
思うに、相変わらず経済成長ばかりを目指していくならば、結局は国際資本主義経済の中に今まで以上にどっぷり浸かるしかない。果たしてそれで「ハッピーな好況」になるだろうか。翻弄されるだけという危惧を持つ。
他国の人と暮らしぶりを比較して生活しているわけではないけれど、もはや日本は成熟した先進国だ。豊かなストックを持つ国として、成長依存ではなくても国の経済が回る道を模索した方がいいと思う。
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