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2013年12月の16件の記事

2013年12月31日 (火)

上尾駅周辺のイルミネーションと協賛企業に見る時代の変化

毎年、12月になるとどこの街でも光の電飾をするようになった、冬の風物詩。

 
風さえなければ、西高東低の気圧配置は関東には穏やかな冬の夜をもたらしている。
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都内のイルミネーションと比べたら小さなイベントだが、ことさら珍しくないのか、はたまた展示が始まって日が経つためか、上尾駅頭のペディストリアンデッキで足を止めて見入る人は少ないようだ。

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 デジカメを持っていたので少し撮ったけれど、背景に余計な看板が写ったりで、せっかくの作品の見栄えが悪かったみたい。

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この手のイベントは市の税金も使うだろうけれど、資金の多くは地元企業の協賛という美名のもとに、奉加帳が回されることだろう。その一覧表を見ていると、時代の変化(ちょっと大げさかな、たんなる経済主体なんだけれど)を改めて感じる。
 

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 毎年の顔ぶれ企業もあるけれど、かつての常連は官公需に依存した建設会社だった気がする。地元で有名な建設会社が倒産して消えてしまったのは最近の事でもある。
 彼らがその時代の上席に君臨していたころには失礼ながら末席だったろうはずの企業名が堂々と上位に君臨しているではないか!
 
 この界隈ではナカヤマは住宅リフォームでは一番良く耳にする企業名だ。
 
 それともう一つ毎回気になる組織名がある。寄付させられるほど余計に貰っているのかなという疑心がわくだけだと思うけれど・・・どうなんでしょうね。
 
 
 

70歳死亡法案可決、姨捨山を想起するタイトルの割に平板なホームドラマ

「70歳死亡法案、可決」 垣谷 美雨(幻冬舎)、は凄いタイトルだ
 
だから手に取ってしまった人も多いのじゃないかと思う。

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帯には介護疲れした嫁の「2年後、やっとお義母さんが死んでくれる」とある。最近似たようなフレーズを見たばかり。「母の遺産」では「ママ、いったいいつになったら死んでくれるの」というがあった。
世の中残酷になったもんだ・・・
 
 この本は、少子高齢化の解決策として荒唐無稽な法案を前提に、ある一家の物語として描かれている。
 しかし登場人物があまりにもステレタイプである。 我儘し放題の姑、従順な嫁と無責任な夫、引きこもりの息子、遺産にしか関心のない身内等々。
 
 凄くシリアスなテーマなのだけれど、タイトルの荒唐無稽さのまま中身までもがコメディドラマみたいな感じに仕上がっているのは残念。介護のことが書かれているけれど、リアリティが全くない。 
 
 老親の面倒に窮する果てに死を問うことは、姨捨山伝説や楢山節考などでつまり昔からあるわけだけれど、どちらにも滑稽さはない。辛い話だけれどヒューマニズムに溢れている。
 
 姨捨山伝説を現代版にしたつもりじゃないと思うけれど、本書から受ける軽さは何だろうか。まさか、重くしたら二番煎じで読まれない、軽くしないと今日の問題が共有化されないという事なのだろうか。 毒づくくらいの風刺でこの問題を問うならましだけれど、既視感のあるようなホームドラマでは萎えてしまう。
 
 先日読んだ、「介護現場は、なぜ辛いのか」の本のがよっぽど良い。
 

2013年12月29日 (日)

「介護現場は、なぜ辛いのか」特養での体験レポートはリアルです

特養老人ホームの終わらない日常/本岡類/新潮社・・・少しの感想
 

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母親が介護の世話になったのを契機に、50代後半にヘルパー二級を取得して介護の世界に入った作者の半年間の奮闘記。
 
 堅苦しい介護制度の本でもないし、小説でもない。50過ぎの新人介護職ではあるけれど、出版関係に長く携わったという介護分野以外の仕事観を持った人から見た、生々しい様子が語られる。その点に一読の価値がある。
 施設や登場人物は仮名にしてあって、「松の木苑」という大きな老人ホームが舞台。デイサービスの他に、老人ホームには100人ほどが入居、平均的な要介護度は四というから、かなり重そう。あるいはこの程度が当たり前なのか。
 
 介護の現場は大変な仕事であることは、みんな知っていることでもあるけれど、実は漠然としか知らないものだったりする。 本書はそれをリアルに、著者の不平や不満も合わせて見せてくれる。とりわけ排泄介護、つまりは糞尿との戦いのような場面は、読んでいても臭ってきそうなくらいリアル。
 本人の時給は850円だったらしい。かように介護は長時間労働で低賃金だから、離職率も高い。 
 
-------------------------   
 
 介護経験はないけれと、二度ほど老人ホームの現場を見てきた。
 初めの義父の時は、有料老人ホームのバスツアーに参加した。一日で四物件ほど見学した。結局、質を優先して入居一時金がそこそこ高い老人ホームに入った。当時は入居者も少なく、立派な施設はできていても1/3程度の入居率だった。そのためか、月に一度は親族も一緒に無料の昼食会まで企画されていた。実は、提供する食事の質が良いことがウリの有料老人ホームであったから、これが立派な料理だった・・・
 
 このような施設は入居金も高いけれど、基本は月々の年金額が25-30万円位ないと長居はできない。ようするに老後はカネ次第なのだという事が良くわかった。それには良い年金制度のある会社・組織に長く属することが前提なのだ。
 それと、そのような介護ビジネスでは入居者が早く死んでくれることが一番儲かる、という仕組みも良くわかった。入居金の扱いは今は改善されているかもしれないが・・・
 
 もう一つは、田舎の母が世話になっているデイサービスやショートステイ先に見舞いに行くとき。いくら元気な老人と言えども、高齢で骨折をするとそこから要介護に転落する。
 

2013年12月26日 (木)

ツイッターで首になるのはアメリカのが深刻みたい

140文字で人生を台無しにする人が後を絶たない、という記事

つい先日、アメリカでツイッター株が新規上場してバブル的に高値更新中なのだが、ツイッターで首になるのはアメリカの方のが深刻みたい。
 
以下にはツイッターの利用注意事項があるけれど、なぜ「ツイッター辞めましょう」は無いのかな?
 
 ツイッターのアカウントは日本上陸当時に作ったけれど、実際に使ったことは数回しかない。だから辞めればイイと簡単に言えるのだけれど、使っている人にはそうもいかないようですな。
ツイッターは包丁みたいなものだ、とつくづく思う。
 

米CNN(電子版)は、「ツイートする前に考えよう」と題したオピニオン記事で、人生を台無しにしないための8カ条を紹介している。
(1)ツイートを読み返す
(2)人種差別的なツイートは即失業
(3)匿名でもいつかはばれる
(4)ツイートは削除できない
(5)有名人でなくてもクビになる
(6)冗談でもクビになる
(7)(特定の人に送信する)ダイレクトメッセージと混同してはいけない
(8)不安なら(投稿しても解雇されないか判別してくれる)アプリを使おう
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8ではキリが悪いので、個人的に追加して
 (9)飲んだらやるな
(10)怒ったらやるな
これで10箇条・・・
24時間×365日、善人でいられる自信が無い人は、控えたほうがイイよね。
 

2013年12月25日 (水)

スポーツジムへ行った。今年はたくさん通ったと思う

案の定、最初は誰もいなかった。

直前の人が帰ったところだった。自分一人しかいないので、部分的に電気付けて節約だ・・・
 
 五分バイク
 15分間のランニング
 15分間のウォーキングは斜度10度×スピード6
  ダンベル系のはなんと呼ぶのか忘れたけれど、40回と正面10回くらいかな
 腹筋は三段斜度で50回、これは過去最高回数だ !
 その他、いろいろ
 一時間半程度で十分だな。
 帰る頃には少し人も増えてきた。
 
 今年は何回通ったかな。数えていないけれど、沢山通ったような気がする。でも期待したほどウエストが細くなることは無い、血圧も特に下がらないな・・・
 ↑あの程度の負荷では、ダメってことか 

2013年12月24日 (火)

大人用オムツが子供用オムツよりも売れる少子高齢化時代へ

ユニチャームの国内販売では大人用オムツの売上高が子供用を上回った

 
 
最近、介護の本を読んでいたので、東洋経済の記事に目が付いた。
 

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ユニチャームの国内市場での売上高、2012年には子供用1390億円に対して大人用1590億円と、逆転したらしい。
 
多分数量ベースではまだ子供用が多いと思うけれど、少子高齢化時代を感じさせる数字だ。
 
もう少し詳しく知りたくてユニチャームのホームページやIR情報を見てみたけれど、統計的なセグメントデータが開示されているわけではなかった。 社会的にも有意義なデータだと思うから、その点では残念・・・
 
決算報告書の中では大人用オムツという用語は無くて、大人用失禁製品となっていた!。
 
 数量は子供用が多いかも、と根拠なく書いたけれど、乳幼児は2.5歳位まで×120万人として300万人。 
 しかし排泄介護や一時的なオムツの必要な老年人口はどのくらいなのだろうか・・・・
 
 年をとれば誰でもいつかは必要となりそう。オムツなんかヤダって言いそうになるけれど、現老人世代の幼児期は布オムツだった、今度はサラサラの紙だから気持ちよさそうだね・・・ 
 
 最近の幼児はオムツ離れが遅い傾向があるという記事を読んだ。母親が無理に急いでオムツ離れをさせないのが理由らしい。 はたまたその理由は何だったかなー 忘れた。
 
 便利さがもたらす退化じゃないのかな。
 きっと、そのように育てられた子供は老人になった時にも早くオムツ回帰するかもね・・・
 
 その時、親は介護されていて親子二世代でオムツ、なんて時代もくるのかも。ああ、想像しただけでイヤになる・・・

2013年12月21日 (土)

本屋大賞、海賊とよばれた男には不快な面白さがある

本屋大賞作の「海賊とよばれた男(上/下)」は○○佐三をモデルとした経済小説

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本屋大賞とはその名の通り「本屋が売りたい本」のこと。この本は上下巻で3200円もするから、売りたくなるのは当然かも。

 初めて読んだが、この作家は今は売れっ子みたいだ。「永遠の0」は映画になって、やたらと販促の宣伝をしている。 
 
 中身は民族系石油会社の創設者の一代記、経済小説だ。明治~昭和に及ぶ国岡商店の発展の物語だけれど、ようするに稀なる反骨精神とヒューマニズムを併せ持つ偉人伝と言うところだろう。戦前戦後の古い話が多いが、意外に文体は軽くて読み易い。
 
 タイトルの「海賊とよばれた男」の海賊とは若いころの洋上商法でのあだ名のようだが、それは一時に過ぎない。全編を流れるテーマからすると 「メジャーと戦った男」、「7人の魔女と戦った男」の方がしっくりくる。
でも個人的には「ドンキホーテとよばれた男」でもイイね。
 おぼろげながら、日章丸事件は聞いたことがある。   
 とりわけ戦後復興期からの石油自由化をめぐる物語は波乱含みで面白い。しかし人間描写がステレオタイプにすぎている。あまりにも聖人君子風であって児童向けの伝記小説のようにも見えてしまう。
 
 起業時の元手(資本金)を「もらった」というのは良いとしても、資金繰りに窮するたびに銀行幹部との禅問答やら人物評価で融資を受けられるという話が幾度となくでてきて、なんとなく鼻白んでしまう。
 
 所々に古典的というか漢文調の見出しや言葉を入れて、時代がかった嗜好を凝らしている。馘首なんて初めて聞いた。そのわりには文章がやや単調。文末が「・・・た」で終るのがやたらと多くて読んでいて平板である。その意味では、骨太の経済小説という感じに仕上がっているわけではないので、物足りない。成功談が多すぎたり、影の無い光の世界のようなのだ。
 
 概ね実話なのだろうと思うから、その点は面白い。特に既得権益者や官僚たちが国家よりも組織や自己保身に執着する様は、今日でも全く同じ風景を見るようで、「不快な面白さ」がある。
 
 本を読んでいて、ふと若い頃のことを思い出した。
 
 ある組織で、幹部の誰それは陸軍出身だとか海軍だとか、そんな話を聞いたことがあり、とても奇妙な印象を持ったことを思い出した。 
 
 メーカー勤めの時のこと。
 人間尊重で家族主義的な会社のようだけれど、その子会社に納品したことがあり、何度か訪問した。小説から受けるような印象は全くなかったなー・・・。子会社だからなのかな?
 
 事実は小説より奇なり。
 

2013年12月20日 (金)

誰もいないジムでランニングと筋トレ

今日は寒かった、天気悪いためかジムには誰も来ていなかった。

ここの公共施設のジムは空いている。
 
うっかりトレーニングパンツ忘れたので、下は普通のズボンのままだった・・・
 
走れないので、勾配6度でスピード6Kmにした早めのウォーキングをした。結構きつかった。
その他は定番の筋トレコースを一通りやって、一時間で切り上げた。
 
帰る頃には二人来た。
 
実に寒々しいジムだったな・・・外は少しみぞれ混じりの雨。

2013年12月16日 (月)

北本市のJR新駅建設投票は反対多数、時代が変わったのだと思う市民感覚

高齢化まっしぐらの時代に今さら巨額公共事業による財政負担ではないのだろう。

 
 
 北本市と桶川市の間にJR高崎線の新駅建設構想があって、その可否をめぐる住民投票があったらしい。 今朝のローカルニュースで初めて知った。
 投票率は選挙の時よりも高く62%、そして反対多数とのこと。
 
  賛成 8353 ----  反対26804  ---- (無効165)
 
 かつて政治家と町の実力者中心で、新駅が利権の源泉のように作られた時代があったと思う。郊外の小さなニュースだけれど、つくづく時代が変わったなと思う。  行政や議会の一方的な判断ではなく、広く民意を聞くチャンスを与えたのは良いことだ。
 
 72億円の建設事業費のうち、約51億円を市費でまかなう計画らしい。 財政負担の増加を懸念しての反対だと思うし、新駅効果への疑問もあるのだろう。岡目八目で言えば、賢明な判断だと思う。
 
そもそもこの手のプロジェクトは失敗しても投資の決定者は責任を追わないのだから・・・。実にお気楽な設備投資なのだ。
ところで、住民投票をする費用はいくらかかるのかな。民主主義のコストを知りたいもんだ。
 

 近くに北上尾駅というのがある。中間駅として新設されて25年たつらしいけど、ここ10年ほどでようやく周りに建物が立ち始めたような気がする。当初の経済効果は果たされたのだろうか?、とネットでみたらWikiにはドロドロした黒歴史も書かれていた・・・。

 
 今の安部内閣は「成長投資」を今さらのように言うけれど、必要なのは成長ではなく「成熟投資」だろう。 社会インフラのメンテナンス投資なんて物凄い勢いで増えている。
 
 

2013年12月15日 (日)

賃金データ 大卒初任給は約20万円、高卒16万円 

賃金事情 2012,6/5号   産労総合研究所

2012年度の中間集計
    大卒 一律・・・20.2万円
    高卒 一律・・・16.2万円
    入社直後の大卒 夏季ボーナス・・・91000
 
労働力調査 2012/1--3月より
 ・ 雇用者数に占める非正規は35%
 ・ 若年層(25--36歳) 25%
 
2011年短時間労働の賃金 厚生労働省
 ・平均賃金 1015円/時
 ・平均年間賞与 3.3万円/年
 ・実労働時間 5.3 時間/日
 ・実労働日数 17日/月
 ・平均勤続年数 5.4年
 ・女性と男性の比率 74: 26
 ・女性は30--50代が多く、男性は若年層と高齢者層に多い
 
小規模は半数が880円以下
 最高は 学術研究、専門技術サービス業  1457円  ・・・・ 下の1.6倍
 最低は 宿泊業、飲食サービス業 898円   
 卸小売業は 900円前後
 
●正社員との比較
 勤続10年までは、非正規より200円多い
 勤続20年を超すと非正規よりも550円と拡大する

2013年12月14日 (土)

母と娘の確執がテーマの小説本が売れるらしいという変なブーム

小説、母の遺産と冥土めぐりに見られる不思議な類似点

先日、NHKの番組でやっていた。最近はやたらと母と娘の確執・葛藤を描いた小説が多いという。ヘンなブームだ。
 その中でも、母の遺産は大佛次郎賞、冥土めぐりは2012年の芥川賞ということで注目された作品だと思う。
 
 他の『母VS娘本』は知らないけれど、この二冊では母は良妻賢母でも善人でもなく、異常な位の虚飾的な女として描かれている。(他の本では毒婦ならぬ毒母なんてのもあるらしい)。
自分(娘)は母に抗うことができない従順な娘として描かれている。
 
 実の母子だから縁切るわけでもなく、振り回されてしまう関係のようだ。傍から見ると母は娘に依存しているが、内実は支配に近い関係だ。だから娘には強い葛藤が生じて、小説としては描きやすいのかもしれない。
 でも、二冊の小説には似ている点が多いのが気になった。
                                           
 

 

 
 

母の遺産

 
 

冥土めぐり

 
 

主人公の名前

 

 

 
 

主人公は美津紀、その姉は奈津紀

 
 

奈津子

 
 

祖父の代からの三代に渡る物語

 
 

三代に渡る一家の物語として描かれている。その内容はこの本のが卓越。

 
 

一財産を築く祖父の死後は、凋落する。家の歴史についてはさらっと書いてある。

 
 

母の特徴

 
 

異常な見栄っ張り

 
 

元スチュワーデス、今は狡猾な老女

 
 

物語の場所

これは対照的な感じ

 
 

世田谷、横浜、パリ、箱根、銀座、井之頭等々お洒落感満載だが通俗的な感じ

 
 

地名は一切なく、連想させない。

 
 

旅行が大きな共通点

 
 

箱根のホテルに2週間ほどの長逗留

 
 

昔の高級リゾートホテルが格安ホテルに凋落し、一泊二日の旅

 
 

父親の存在

 

共に父に対しては良い記憶がある。

 
 

若いころに病死。母に変り看病する。

 
 

幼い時に病死

 
 

共に子供がいない

その方が女性物語として書きやすいのだろう。

なんとなく気になった点を挙げたけれど、この程度は似ていても問題ないのだろうか?少し不思議な感じがした。
 
 本の読み易さでは言えば、平易な文体の冥土めぐりの方がすぐに読めてしまう。物語の凝った構成は母の遺産の方が面白いだろう。
 ともに「母VS娘」本の今日的な代表作だから、父親の存在が希薄なのは仕方ないね・・・・
 
所が、毎日新聞の記事が目についた。三代に渡る祖母・母・娘の実話の前では、小説など「お嬢様」の生ぬるい物語にすぎないようだ。 
 

2013年12月10日 (火)

ゲームフィケーションを意識的に取り入れたという大学教育の事例

e-ラーニングのセミナーで、ゲームフィケーションの大学教育例を見た

 
ゲームフィケーションとは数年前から言われているけれど、名ばかりで実態の薄い用語だと思っていた。
 
平たく言えば、仕事(あるいは教育)の中に「ゲーム」の持つ普遍的な利点を取り込んで、生産性(あるいはモチベーション)を高めようというものだ。実際はゲームフィケーションなどと言う前から、自然と採用されていた例は多いはずだ。
 

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そうは言っても、意識的に実践した例を知らなかったので、丁度良い機会という訳で聴いてきた。
東京工科大学のメディア学部岸本氏が自分の授業に導入した事例を話していた。

ゲーミフィケーションの要素として・・・

1.能動的参加
2.称賛演出
3.即時フィードバック
4.自己表現
5.成長の可視化
6.達成可能な目標設定
 
ではマネジメン研修ではどこまでやれるだろうか、というのが個人的な課題になる。ということで改めて、ゲームフィケーションの要素が自分の経営シミュレーション(ビジネスゲーム)研修にどれだけ織り込まれていたであろうかをチョット再評価してみる。
 
1.これは研修企画の問題であり、自主参加なのか一律的な階層教育なのかで異なるだろう。
2.一般論で言えば、研修の発表者に対しては、まずもって労をねぎらう拍手を無条件にすべきなのだ、と思った。たまに運営に忙しいと忘れてしまいがちだなと反省しきり。対象者によるけれど過度な賞賛は良くない。
 
ただしゲームフィケーションで言えば、アウトプットされたドキュメント内の文言の工夫だろうと思う。その点は自然と達成しているが、賞賛演出として再検討してみようと思う。
 
3.計画のinputと結果のoutputは必然的に本研修にあるので、この要素は100%満たしている。
 
4.やや意味がわからないので、導入が難しい・・・
 
5.マネジメント教育では教育効果の測定が難しい。せいぜい、研修アンケートで満足度評価くらいしかできない。スキル系の教育なら比較的可能だと思う。 テストで測定できるだろう。
 カークパトリックの四段階評価もあるけれど・・・
6.研修から実務能力への繋がりとなるが、ややあいまいだ。アンケートでの満足度とは違う。

2013年12月 5日 (木)

ココログ新アクセス解析の訪問組織/業種別ランキングはイイね

ココログのアクセス解析が機能強化して新しくなった。訪問組織解析が良いと思う

まだ慣れないけれど、使わざるを得ない。
機能的に強化されたり、表示が豊富になったのは良いのだけれど、まだ少し戸惑う。
 そんな中で、訪問者の属する組織名が簡単に取れているのは凄いね。無料版でここまでやれるとはという新鮮な驚き。

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 たかがブログだからあまり気にはしないけれど、意外と大学系が多くアクセスしているのがすぐに分かったりして驚いた。
 

2013年12月 2日 (月)

村上春樹の「色彩を持たない・・」ベストセラーの印税計算と出版社の賞

2013年の年間ベストセラー1位は村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

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  推定売上部数は98.5万部とのこと。 略して100万部とすると、普通は印税10%だから
本の値段は1785円、消費税を除くと 1700円。印税は一冊170円。
1700×0.1×100万=1億7千万円
 
でも村上春樹のようなベストセラー作家は並みの作家ではないから、10%なんてことはあり得ないと思う。高いほうの15%とすると。
 1700×0.15×100万=2億5500万円なり・・・チーン
 まさかとは思うけど、20%でも出版社は是非とも請け負うだろうね。
(個人的には、初めての村上作品として読んだけれど、アマゾンのレビュー1位の方がよほど面白いかも)
 
 ところで、今日ウェブを徘徊したら、年間200もの文学賞があるらしい。殆どは本をたくさん売るためのマーケティング策でしかないようだ。
文芸春秋の芥川賞も直木賞もしかり。
 
ちなみに村上春樹はどの文学賞とも無縁らしいけど、多分そんなの欲しくないだろう。飛び越してノーベル文学賞・・・

オリンピックの身代金、経済格差からの怨嗟は中国での天安門爆発事件にも通じる

昭和のレトロな舞台セットと平成の俳優陣のミスマッチドラマ
 
テレビ朝日開局55周年 二夜連続ドラマスペシャル「オリンピックの身代金」
 

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 昭和の風情を懐かしく見られた。面白い作品だった。
第一話の方がサスペンスとして楽しめた。犯人の動機の深さが表れていたからだ。犯人が分かってしまってからの二話も大がかりな舞台セットを楽しめた。でも小説ならハラハラするかもしれないが、実写化したら警察がマヌケに見えたり、スーパー刑事に見えるだけだった。小説とは違う人物設定も入っているようだ。
 
 実は警察の失態ぶりは笑えない。思えば三億円盗難事件やグリコ森永事件だって似たようなものだから。 
 
 主役の二人は頑張ったけれど、俳優陣は演技力で採用すべきだ。原作が優れている時は『豪華キャスト』で釣る必要はない。残念ながら豪華キャスト=優れた俳優ではない。今回は女優陣がひどかった。
 
 どんなに昭和のセットを凝らしても、平板な平成俳優には時代を演じにくいだろう。昭和の俳優はもっと個性豊かだったぞ(顔も年齢も体型も)。テレビや映画の製作者は、俳優の知名度より演技力で役を与えないと、いつまでたっても人材が育たないと思う。
 
 失礼ながらとは思うが、草加次郎や過激派の爆弾事件も懐かしい。今の日本とは違う不安な社会でもあったのだと思いだした。政治力学的に騒然とした時期もあった。
 
 この作品の犯罪動機のせいで、当時小学生の頃、東京見物に来た車窓から見えたバラック小屋の住居が点在する光景がよみがえった。 経済成長がまだ及ばない地域の暮らしぶりだったのかどうかは分からないけれど・・・
 
 中国では経済格差の怨嗟から爆破テロ事件が起きていることを考えると、たんなる絵空事ではないのだ。
 

2013年12月 1日 (日)

冥土めぐり(芥川賞)-不条理な家族の呪縛から、無垢で愚鈍な夫に光明を見出す従順な娘の物語

不条理な母の呪縛から逃れようとする娘の葛藤・・・への感想
第147回 芥川賞受賞-冥土めぐり 鹿島田真希著

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手にした動機は、図書館のおすすめ棚に置いてあったから。もちろん芥川賞作品というのが効いているけれど・・・。 
芥川賞作品は受賞当時は予約が多くて順番待ちになるらしいけど、半年もしたら閑古鳥みたいだった。
 
 最近はこんな本ばかりなのだろうか?
 と思うように陰気な物語だ。
 現代社会の暗部をえぐる骨太な社会派小説でもないし、なんとも生気の無い人間ばかりが登場する。よく言えば不条理な母弟とそれに抗う事の出来ない従順な娘の物語だが、まるで洗脳されて逃げ場のないカルト信者が最後に達観する物語のようにも見えてしまう。
 
 登場人物は四人とシンプルだから読み易い。パート勤めの娘(主人公/奈津子)とその夫、そして元スチュワーデスで虚栄心の塊のような母親と自堕落な弟。
 
 心象描写がくどくどしていない文章なのもいい。「冥土めぐり」というタイトルから「心中」かなとも思ったが、たった一泊二日のつましい旅行の中で一家の生活や母のことが回想されながら物語が進むという点では面白い展開だった。
 
 裕福な祖父が死に、父も病死してから一家は経済的に苦しくなる。お姫様扱いを受けて育った母にはその凋落ぶりを受け入れられず、やがては作為的に精神障碍者の認定を得て年金生活を手に入れた、という狡猾な人物だ。
 
 母と弟は自分達が上等な人間であると自らに虚栄する一方、娘をカネずるとして寄生する。主人公は意思や感情が希薄な人として描かれていて、不条理な仕打ちに辟易しながらも受け入れていた。まるで虐待を受けている子供が逃げ出さないかの如く。
 
 やがて娘の夫までにも寄生しようとしたが、夫は突然発病する。脳障害になった夫は無垢な人として描かれているが、愚鈍さは否めない。 より厳しい重荷を背負うことで、あの二人からの呪縛から少しでも解放される、という風に読めてしまった。 つまり誰からも可哀想な対象となる人物に尽くすことで、心が救済されるみたいに書かれているのは少し安易ではなかろうか。
 
 心の易しさを持つが故に、母の呪いのような価値観に染まることが無かった娘が背負ってきた葛藤だけでなく、あの二人と適切な距離を保って生きていく強い意思を宿して自立した人間として成長する姿、克服していく姿が描かれて欲しかった。それこそが純文学の力ではなかろうか。 
 
 最後は薄暗い中に光明が感じられるが、障害の夫を背負うことは並大抵では無いだろうから、やがて消え入りそうな心細い光に見えてしまう。
 
 読後に、困窮しても周りに助けを求めない人は居るものだというニュースを思い出した。
 
 
 もっと不思議なのは、母と娘の関係性と小説の構図が先日読んだ「母の遺産」と似ていると思ったことだ。
 

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