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2013年12月 2日 (月)

オリンピックの身代金、経済格差からの怨嗟は中国での天安門爆発事件にも通じる

昭和のレトロな舞台セットと平成の俳優陣のミスマッチドラマ
 
テレビ朝日開局55周年 二夜連続ドラマスペシャル「オリンピックの身代金」
 

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 昭和の風情を懐かしく見られた。面白い作品だった。
第一話の方がサスペンスとして楽しめた。犯人の動機の深さが表れていたからだ。犯人が分かってしまってからの二話も大がかりな舞台セットを楽しめた。でも小説ならハラハラするかもしれないが、実写化したら警察がマヌケに見えたり、スーパー刑事に見えるだけだった。小説とは違う人物設定も入っているようだ。
 
 実は警察の失態ぶりは笑えない。思えば三億円盗難事件やグリコ森永事件だって似たようなものだから。 
 
 主役の二人は頑張ったけれど、俳優陣は演技力で採用すべきだ。原作が優れている時は『豪華キャスト』で釣る必要はない。残念ながら豪華キャスト=優れた俳優ではない。今回は女優陣がひどかった。
 
 どんなに昭和のセットを凝らしても、平板な平成俳優には時代を演じにくいだろう。昭和の俳優はもっと個性豊かだったぞ(顔も年齢も体型も)。テレビや映画の製作者は、俳優の知名度より演技力で役を与えないと、いつまでたっても人材が育たないと思う。
 
 失礼ながらとは思うが、草加次郎や過激派の爆弾事件も懐かしい。今の日本とは違う不安な社会でもあったのだと思いだした。政治力学的に騒然とした時期もあった。
 
 この作品の犯罪動機のせいで、当時小学生の頃、東京見物に来た車窓から見えたバラック小屋の住居が点在する光景がよみがえった。 経済成長がまだ及ばない地域の暮らしぶりだったのかどうかは分からないけれど・・・
 
 中国では経済格差の怨嗟から爆破テロ事件が起きていることを考えると、たんなる絵空事ではないのだ。
 

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