クレーム劇場でスカートの下の劇場(上野千鶴子)を読む
過激だから講師に呼ぶな、という騒動のおかげで読んだ本
山梨市で社会学者・上野千鶴子氏の講演会が急に中止になったというニュースを先日見た。記事には、彼女の過去の発言や著書から「講師にふさわしくない」というような意見がメールか何かで10件ほどあった、と出ていた。
講演会は前市長時代に企画されていて、新市長は市民のクレームで中止判断をしたようだ。だからニュースになった。
でも開催実行を求める声の方が多くて、結局は開催されたらしい。
実に不思議な出来事だと思う。
たった10件程度の否定的意見で、開催中止を決断したことだ。どうせ匿名の電話とかメールだと思う(匿名か否かは不明だが)。 過剰な事なかれ主義なのか、うわべだけの保守思想に偏った判断なのかは不明だ。
ふつう、彼らの常套句「貴重なご意見ありがとうございます。今後の参考に・・・」で、クレーム電話を切るのが常なのにね。
ネット時代は自由に意見を言えるような仕組みがあるから、匿名のクレームなどは日常茶飯事だろう。匿名意見などは一人で何人分も演じられる。つまり軽くみてイイのではないかなと思う。素性を明かして発言するのと、匿名では随分と責任感も重みも違うだろう。
次に驚いたのは、開催中止が再びくつがえされたこと。役所にしては身軽な転身だね。そんな臨機応変ができるなら、多少の過激な論者でも問題なかろうにと思うのだが。
当たり障りのない話を聞くよりも、上野千鶴子氏のように独特の社会観を持った人の話の方がよほど、考える点では刺激的で新鮮だろうと思う。ぜひ、我が市でも・・・
も一つ不思議なのは、開催後の様子はニュースにならないこと。地方紙だけかも。
で、彼女の発禁書、じゃない・・・問題と名指しされた本が次の本。「セクシィ・ギャルの大研究」と「スカートの下の劇場」。
古い本なので図書館には後者しかなかった。騒動のおかけで、読むことになったというわけ。見るな見ると、と言われれば見たくなるのが人情。
「スカートの下の劇場」とは凄いタイトルだ。
中身は、もちろん本の中身だけど、社会学者らしいドライな視点に基づいた内容。 受け止めは人それぞれだが、とどのつまりは普通、正面から分析対象にしない領域だから、新鮮で刺戟的ではある。でも読書感想文を書くのは難しい。ベースはナルシズム。
強いて、上野千鶴子氏の公演中止を求めた人は、「スカートの下の劇場」に出てくるような、ムスメ・ムスコの性の管理人たる母親もしく主婦かもしれないな、と思ったのが読書感想・・・
初版本の表紙絵は淡い色調で控えめなデザインなのに、今の表紙は上のように刺激的になっている。
この売り方を「激情」とよぶ。
いや本の宣伝だから「煽情」かな・・・
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