55歳のハローライフ、トラベルヘルパーの小林薫はフーテンの寅さん風
NHKドラマ、小林薫のトラベルヘルパーは寅さん風で好演
本編は原作の小説も面白かったが、ドラマでも小林薫が演じるお気軽男の気取った感じが、フーテンの寅さんを思わせて面白かった。また、その裏返しの孤独感もよく演じられていたと思う。
さしずめ、安田成美演じる謎の美女はマドンナのようだった。
村上龍の原作を読んでいるときは寅さんを連想しなかったけれど、テレビは映像の力だろうか、寅さんの失恋物語みたいな所もあった。
小林薫は演技力は安心して見られたが、堀切彩子という謎の女性は難しい役どころだから安田成美ではどうかな、とやや疑問視して勝手に木村多江をキャスティングしたのだが・・・・。
素顔が笑顔系の女性には、はまりにくい役柄と思ったが、そうでもなく彼女も年のせいなのだろうか、微妙な陰というか謎のある表情がそれとなく出ていたので、思ったよりもよかっと思う。
ところで、必ず前話の主人公がチョイ役のように顔を出すシーンがある。今回も、前話「結婚相談所」の原田美枝子がスーパーの試食販売係として登場していた。
まったく予想通りの場面だったので、ほとんど無意味って感じ。
たんなる演出のお遊び、もしくは自己満足。
では、次回の「空を飛ぶ夢をもう一度」ではトラック運転手の小林薫がどう出るかは想像できてしまう。次の5話の主人公は工事現場の交通誘導員だから、その現場にトラックで出くわして、一言声を交わして通り過ぎる、と言う程度かな。
そんな安直だったら、本当に作り手の自己満足にすぎない。本当は深い連鎖を、前話の主人公と今回の主人公が遭遇するのは、偶然か必然か、と想像をかき立てるような演出までやれると凄いと思うのだけれどね。
NHKのホームページにある美術スタッフ日誌などは、「仕事」の担当者の意気込みなのだろうけれど、個人的にはどうでもよいし、この手のドラマでは資金の出し手としてはそんなことにカネ賭けないで、ストーリーと俳優の演技力やはまり役具合に注力してほしいもんだな。
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