陽のあたる家(生活保護に支えられて)--NHK「お腹いっぱい食べたい」と「老後破産」
生活保護制度を訴える漫画と二つのテレビ番組
陽のあたる家(マンガで分かる生活保護) 秋田書店/さいきまこ著
丁度この本と、最近のテレビ報道が重なった。
どんな家庭にも降りかかるリスク、それは他人事ではありませんよ。という生活保護制度にまつわる仕組みと社会の偏見について平易に描いた漫画本、良書と思う。
夫が病気になり、一カ月程度の退職金で自己都合退職に追い込まれる。大黒柱の収入が途絶え、入院・通院費で生活が困窮化していく。高額医療費や失業給付は直ぐには出ないから家計は火の車。子供の学資保険まで解約に追い込まれる。
妻は昼夜二つのパートを重ねるも生活費に事欠き、電気まで止められる。その間、小中学生の息子や長女も学校で孤立していく。 母親も体調壊すが通院をためらう。友人の勧めで一人で生活保護申請するも「事務所まで来られたのだから、まだ働けるでしょう」と断られる。その後、専門家の同伴により再申請し受理される。
家賃扶助にも上限があり安い所へ引っ越さざるを得ないとか、「支援できないか」と親族の元へ行政から連絡が行くようで、それを扶養義務者と言うことを初めて知った。
生活保護と言うセーフテーネットが日本では偏見を持って見られるという事を周囲の人間模様を通して描いている。漫画ならではのオーバーな表現とも感じる所もあるが、二人の多感な子供達が受ける様は痛々しい。時に、社会性の未熟な子供は大人以上に残酷な言動をするものだ。
先日のNHKクローズアップ現代『おなかいっぱい食べたい』でも似た場面があった。高校生の子が、学校帰りに友達がマックで食べる時に自分は何も買えない、ことが惨めだったと寂しく語っていた。
生活保護に関しては極端な例がニュースになる。申請を断られたり、或いは保護制度にすがることもせず餓死者がでたという事件もあった。もう一つは対極の不正受給者の問題だ。
現在の受給は160万世帯、210万人、うち単身高齢者71万世帯という。特に高齢者世帯が71万と増えていることが深刻だ。
この点に焦点を当てたのが日曜日のNHKスペシャル『老人漂流社会--老後破産』だった。
とにもかくにも、「健康」と「家族」を大切にすること。この二つは生きるために欠かせない。
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