肥大化する上尾中央総合病院は埼玉県で二番目病床数へ
西の徳洲会、東の中央医科グループと言われる巨大病院だけど
内心、上尾市行政の長い歴史の中で最大の功績・最高の意思決定とは、昭和39年の市立病院からの撤退である、と思っている。
平成になってから上尾中央総合病院は年がら年中のように増築・拡張工事をしているように見える。まだ工事が残っているが、2014/6月に13階建てB館第一期が完成して、ひと段落しただろうか。 エスカレーターを設けたり、コーヒーショップまでできたのには驚く。玄関口はまるでホテルを思わせる。
受付機械で発行された用紙のパーコードを、検査部門の給湯器みたいな機械で読み取らせると、ボトンと、名前が印字されたあの紙コップが出てくる。
もちろん、お茶のサービスではない。中身はトイレで・・・
以前は県下四番目くらいだと思っていたが、今は埼玉県で二番目に病床数の多い大病院になっていた(日本病院会のHPより)。前後が大学病院だからたいしたものかもしれない。
埼玉医科大学病院 | 1085 |
上尾中央総合病院 | 724 |
自治医科大学附属さいたま医療センター | 608 |
さいたま赤十字病院 | 605 |
さいたま市立病院 | 567 |
川口市立医療センター | 539 |
東埼玉病院 | 532 |
深谷赤十字病院 | 506 |
行田総合病院 | 504 |
埼玉県立がんセンター | 503 |
24時間年中無休の病院工事は大変だと思う。増改築で肥大化する上尾中央病院は、中を歩くと迷路みたいにまごつく。あちこちで、行先を職員に尋ねる声が聞こえる。
聖路加ならぬメイロカ病院なのだ。病院内を迷わず歩けたら、多分健康な証拠だから来なくてよいだろう・・・
昔は、低い天井と狭い通路のごく普通の総合病院だったが、今は紹介状無しでは初診料(選定療養費)5400円とられる急性期病院というらしい。何とも敷居の高い病院になったものだが、国の政策だからしたかないか・・・
僅か11病床で産声あげた私立病院がここまで隆盛を極めたのはなぜだろう。
元の上尾市立病院のままならここまで巨大化(724ベット)しなかったはずだ。類似人口24万人の草加市民病院は350病床である。この「二倍」こそ民間効果なのかもしれない。
関連前記事: 市立上尾病院が板橋中央病院に売却された経緯は何だろう
幸いにも病院をはしごした経験がないから詳しい理由は分からない。もちろん医者の質とか評判も知らない。しいてJR駅に近い総合病院という点は強みだろう。どんなビジネスも集客の立地は重要だ。マーケットを広げて隣町からも通院しやすい。医者・看護師や職員を集めるにも都合が良い。
遅ればせながら病院もサービス業としての有り様が問われるようになったが、本院は民間病院として早めに対応したかもしれない。最新型の検査機器や医療技術の導入という設備投資の意思決定も早いのだろう。
そして何より、規模拡大こそ日本の病院経営のKFSだったのではないかと思う。 上尾中央総合病院は中央グループの旗艦病院と言える。まあ、黒字経営なのだろう(何処にも情報が無いが・・・)。
ところで、現在、地方自治体の公立病院の半分くらいは赤字経営らしい。廃院騒ぎになった例もある。脆弱な地方財政を圧迫する要因になっている。そんな意味で、冒頭の感想を持ったわけだが、多少の皮肉もこめて・・・。ただ、一市政には合理的でもマクロ的に医療費が重いことに変わりない。年間40兆円に迫る。
「医者」は元々政治とのつながりが強く、特権的な一大政治勢力の面もある。医業へ傾注すべき力まで政治に注ぐことのリスクは徳洲会事件が黒い手本となっている。幸い当グループについては政治的な話は聞かないので、その点は安堵している(知らないだけかもしれないが・・・)
所で、かかりつけ医院と大病院の棲み分けを厚労省は図っているが、ミクロ的にはそうならない例もある。
近所の医者が高齢のため廃業してしまった。
さて、新しいかかりつけ医を探そうか。
それとも病気にならない体を作ろうか。
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