経営幹部と部課長混在のビジネスゲーム(経営シミュレーション)の意味深コメント
受講者にはマネジメントゲーム体験者も多かったが、学習成果は・・・
前回の続き・・・
3.㈱ダイヤモンドシステム
ようやく輝きを増して着地。売上は二番手、営業利益はトップ。
通期では営業利益率3.3%なるも、直近は9%と高収益体質になる。DeskPCとNotePCのフル生産フル販売体制を構築。
悔やまれるは、Noteライン稼働時の立ち上げミスにつきる。当時の社長は不明朗な手形全割りを目論むなど、ガバナンス面であらぬ噂が絶えなかったことは、同社の黒歴史に刻まれる。しかし退任後の下期からはうって変わって計数管理能力も高く、資金予想もドンピシャリ。
マーケティングでは貢献利益分析による低採算セグメントを放棄して戦線絞り込みが奏功。業界最大の生産能力を強みとして、生販のバランスが安定すればコトラーの全方位戦略により業界のリーダー企業に一番近いといえよう。
R&Dも投資怠らず、今後はOEM依存から自社販売能力の向上が課題となろう。またコスト管理に改善余地が残る。
一人当りの指標も良好で、NSGよりは成長市場に軸足を載せている点で評価は高くならざるを得ない。
4.㈱CGC
文字通り薄氷の黒字決算で着地。測ったかのような決算は見事だが、その陰には若き営業担当役員の努力が見逃せない。最終取引が80万円の差益であり、成立しなければ通期赤字であった。まさに「決算は造られる」を地で行く快挙である・・・
一言でいえば、営業の会社。
石を投げればセールスマンに当ると揶揄されるくらい、業界最大のセールス部隊を擁し、タガの外れた広宣予算をDesk市場に集中投下する力づくの営業(現実にもアルアル)だが、他に強み無し。
強いて言えば、上述した営業役員の手腕により、他社から買い叩き、Bダイレクト社に納品するという商社並みの口銭ビジネスを展開していることだ。
しかしこれを、さもしい商いとは笑えない。椅子に根がはったような役員とは違い、さや取りの嗅覚とフットワークの軽さは特筆ものと言えよう。
社長も頭が上がらないが、信頼だけでなく役員の独断営業には注意も必要である。システムとして確立するには、他社との長期的な本格的な業務提携が必要となろう。その候補選定こそ社長冥利に尽きるだろう・・・
また、一人当たり販売数と貢献利益分析により、湯水のように投入するマーケティング費用の効率化も喫緊の課題である。
なお複雑な仕入をしているので限界利益はテキストの式で求めるが、実際は品物の分別管理をするわけでOEMは仕入と対応させて単純計算で良いかもしれない。
最後に、もう一言付言するならば、この会社の真の体質は業界互助会なのだろう・・・。
5.㈱iTO
業界の狡猾企業。
先代の若き社長はまるで「借りてきた猫」同前。提出に走り、アウトプットを取りに、まるでメールボーイ並みの扱い・・・同情を禁じえず。
下期は売上急伸し6.5億円でトップだが、利益は下期に大幅減益でありトレンドとしては不安定。
上期にNotePC設備投資実施。金融筋に詳しい役員を擁して巧みに資金調達。工場稼働率優先のためかマーケティングは安売りしか策が無く、せっかくのノート新製品発売も不発スタート。
似たモノ経営のSKNと対照的決算になったのは、上期の余禄と最終二期間でのノートPC注力の差であろう。そして、カモを見つけて大量売り抜けも忘れてはならない。
冒頭は褒め言葉である。
『業界とは生き馬の目を抜くところ也』を実践したからである。机上のmPQだけでは通用しないというのも真理かもしれない・・・
この上は、片手間のDeskPCライン全面撤退も視野に(黄氏仲介で中国へ売却)、鞘取り業者のCGCと結託したら、一大ダークサイド企業が誕生するであろうが、その前に役員の高齢化対策が必要かも・・・
おしまい。
真面目に笑えると好いんだけれどね…
追伸
参加者の発表はドキュメントを開示するプレゼンのが良いですね。私はほとんど、右から左へ抜けてしまいました・・・
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