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2015年5月24日 (日)

マネジメントゲーム経験者が学ぶビジネスゲーム研修の事例

マネジメントゲーム経験者の多い、土日で厳しさとアットホームが織りなす教育熱心な地方企業
 
 
昔はたまにあったけれど、土曜日から日曜日にかけて一泊二日で実施という研修は、今の大企業ではありえないし、地方中堅企業と言えども珍しいと思う。そんなビジネスゲーム(経営シミュレーション)の事例である。
 
コース人数は満杯の30人が参加。
大小さまざまなグループ企業内の各社長、常務、取締役クラスから部長・課長・係長まで幅広い階層が集う。グループの中枢が結集したかもしれない(詳しいことは知らないのですが・・・)
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親子ほどに年齢が離れている。技術職や女性役員、中国出身役員や都銀出身者もいたりしてバラエティに富む。なによりも、一番の特徴は、当企業グループでは過去にマネジメントゲーム研修を何度も実施していたことだ。三分の二はマネジメントゲーム受講経験者である。三回も受講した人もいる。
今回は第146回の研修となるらしく、とても教育熱心な会社でありトップ直轄の研修会となった。
 
コースは製造業向け標準コースであるPCMakerを実施。
事前学習として「会計の基本が分かる本」と当社向けに少し手を加えたレポート問題を課し、会社側で採点してもらった。問題は異なるが、平均点はやや高い。
 
30人は上限なので普通は6チーム編成だが、6人×5チームにした。
このあたりは、メールの打ち合わせでは参加者の実像(端的に計数能力)が掴めないためなのだが、ゆっくり運営で6サイクルと言うシナリオを優先したため。
 
普通は5人×6社で最低7サイクルできるだろうし、5社なら8サイクルも可能だが、いくらマネジメントゲーム経験有りと言っても、個人的には比較にならないと思っているので、年配層も多いことを配慮してスピードについていけないと困るし、土日(休日にハードな研修は酷だろう)、という保守的配慮に徹してみた。
 
マネジメントゲームとの比較での感想は集計が届いていなので分からないが、グループで実施した点が好印象だったらしい(アレは個人戦だから当たり前だが・・・)。
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三期やって中間決算、社長役を交代して後半三期やって本決算とした。
予想通り最初の社長役は若手が無理やりやらされた気もする(パワハラかもね )。老獪な現役役員は火中の栗を拾わない・・・
 
各社別のコメントをブログに書くのは久しぶりだが、体験者にしか分からない深ーいコメントをしてみよう。
 
1.㈱NSG
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意味深な名前だが、上期の大幅赤字の責任を某役員に負わせて退職させてからは、一転して、売上最下位なるも粗利と当期純利益でトップに躍進して高収益企業となる。粗利益率は他社より3~4ポイント高い24%。
様変わりの成功要因を一言でいえば集中戦略。それも一面ではなく、生産と販売の両面で実現したこと。
まさか新相談役のアドバイスではあるまいと、信じるのだが・・・
さらに上期の投資負担であったR&Dが下期収穫期を迎えたことも奏功。設備投資に走るよりも現業設備のフル稼働を維持し変動費の低下と合理化による固定費低減による製造コストの低下を実現。これらが差別化された適正価格とあいまって高い粗利益(限界利益)をもたらす。
 
マーケティングにおいても上期混乱から一転して集中戦略と値戻しに徹する。しかしながら、他社R&D追随を顧みない高価設定や精査せずに他社粗悪品を仕入れてブランドイメージを毀損するなどの脇の甘さは、成功体験からくる慢心の表れだろう。
でもね、ホントは同業他社の設備投資に伴う病み上がりの時に、間隙を抜いた、という「漁夫の利」ですよ。
ということで、この後の業績は補償できないかも・・・ 
 
 
2.㈱SKN
貴重な体験。一生の思い出となったか悪夢となったかは不明だが、ご苦労様。資金の出し手さえ現れれば会社はつぶれない、という世の真実を身をもって体感。
 
とにもかくにも、安定販売が伴わないうちでの設備投資が後々まで尾を引く。成功するにはリスクを犯すことも必要だが、投げたコインは裏だった・・・  
 
設備投資の後には膨らんだ運転資金の請求書が遅れて届くもの。他の投資も多い会社なので資金繰りは火の車となり、全役員が連帯保証に名を連ねる羽目に・・・。
 
貧すればなんとかで夏場に事件も発生。高収益をもたらすはずのノートPCを換金まがいの値段で叩かれても、辛い顔を見せることなく目の前の現金に小躍りしているかのよう。ようやく自力更生としてデスクトップラインの売却を決断したのは、㈱iTOと同じ月と言うのも皮肉。
本来の高収益事業を活かすことができずに、粗利率が業界最低15%はトホホです・・・ Img_8067
大型設備投資もやった、リストラ(特損計上)もやった、借りるだけ借りた、他社ビジネスもやった、退職者もだした、ブラック企業とも呼ばれた、事件も起きた、プチ焼け太りもした、在庫もしこたま抱えた・・・と思えば機会損失も出した、まだやり足りないことはありますか・・・
 
十分、経営シミュレーションを堪能できたはず。これで黒字なら罰が当たる。
 
さらにダメ押し、
これで学ぶことが少なかったなんて言ったら、もっと罰が当たりますよー・・・
 
でもリストラで身軽になったので、生来の安売りと山師的考えさえ排除できれば、普通の会社として再建は可能ですが・・・ムズカシイデスカ?
 
 
 

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