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2015年6月15日 (月)

イオンモール上尾店の建設遅れは中止や白紙撤回ではなく熟慮中かもね

イオンとヤマダ電機だけじゃないイトーヨーカドーも経営の岐路に立つ

追記 2019/7/10 プレスリリースへ (20年秋を予想)

2018/6/9 イオンモール上尾は再々延期(2017→2019→?)。こちらへ
11/22  久しぶりに見に来たら、カウンターが25000とは。いつまでも建てない効果ね
2017/4/27 追記 開業予定は2017年から2019年度(h31)へ延期

 


 後から出店決定のヤマダ電機上尾店の方が先にオープンする。家電量販店はこぎれいな倉庫にレジを置くだけで良いから半年で建設できるだろう。でも当初の看板には着工が2014/12月末、竣工6月末とあったので三か月遅れの着工だから9月末完成になりそう。
 今年見た、更地後2ヵ月でオープンした近所のセブンイレブンの早さはお見事だった・・・
●夢を語るパース・・・ 2014年6月のイオンモール上尾店の出店発表時資料より
Photo_2

●し、しかし、野ざらし中にクサが・・・ コーセー化粧品跡地は更地のまま

Img_8225

 これ見て、どうかサッカー場になりますように、と願う人がいるかも。

郊外の大型ショッピングセンターが閉鎖されて廃墟になる例はあるが、計画段階からぺんぺん草というのも珍しい光景だ。SCの立地政策が郊外型から住宅地近隣型への転換もあることだから、建設中止ではないと思いたいが、日銭を追う流通業にあって開発土地を一年も野ざらしにしておけるのは流石イオン!、と妙に感心する。
工事の槌音はおろか、異音すら聞こえてきません。 ←  シャレです
遅れ理由は、当節の建設能力不足によるものではなく、今のイオンが抱える深刻なものだろうと思っている。
●ただいま建設中・・・、ではなく熟慮中・・・
 下は2015年2月期のイオンの決算を報じるIRページからの転載。
売上高は増収一路だが営業利益は右肩下がり。三期連続の増収減益という珍しい決算だ(しかも来期目標売上は8兆円!)。
 Photo_3

 

イオンの経営を一言でいえば買収による規模拡大路線。売上グラフはまさにその通りだが、営業利益の落ち込みを見る限り、名前は言えないが弱り目の赤字企業ばかり飲み込んできたのでは、と勘繰ってしまう。

売上高7兆円は流通業日本一でも営業利益率はたった2%、最後の手取りの純利益に至っては0.6%、つまり100円売って手元に残るのは60銭。
 売上を増やしながら減益を繰り返す、ということは規模拡大路線の行き詰まりといえるが、買収先の収益悪化に足を引っ張られただけでなく根本的に内部に問題があるようだ。
 売上の半分は祖業たるGMS(総合スーパー)事業であり、その営業利益が16億円の赤字。
 3兆円も売って本業が赤字! 
 Photo

  結果として、連結営業利益の七割が金融・不動産業となった。元々デベロッパー事業は有名だし、金融業の利益が大きいのは(セブンと同じく)今日的であり、この二事業に問題があるわけではない。

 郊外立地のショッピングセンターは少子高齢化・人口減、若者のクルマ離れ等々で維持できなくなるという指摘は前からあったが、それが顕在化しているとか、地方経済の落ち込みが予想以上だとしてもそれならば他社も同じことだ(実際アリオ上尾店も苦戦している)。
 
 それよりも深刻なのは本部一括の大量購買を背景としたGMS経営そのものが岐路にあるらしい。

 

●日経ビジネスにイオンの特集記事があった
 本部幕張主導の画一的な商品政策により、新鮮味のない店舗、
トップバリューばかりの棚、金太郎あめ売場が増えてしまった、とあった。店や商品の競争力が落ちたというものだ。そのような弱り目になることを「イオン化」と揶揄していた。
 ここ数年で上尾市界隈はオーバーストア気味と感じるし、後発組には厳しい。例えば、イオンモール上尾店の対面にはスーパーバリューSVが食品部門で健闘し、近辺には独自経営の店も多い。
 小さいながらも毎週定休日を持つヤオヒロは野菜果物に強くてSVが来ても揺るがない。宮原寄りには鮮魚の角上魚類がある。伊奈まで行けば地元埼玉の最強、食品スーパーヤオコーがいる。28期連続増益企業として業界では有名だ(ヤオコーの営業利益135億円はイトーヨーカドーの比ではない)。
 というわけで、イオンモールは今の業容からして従来型「イオン」で出店することは無いだろう。建設遅れはその熟慮中と思いたい。核テナントにイオンリテールや飲食店が入っても、取り巻きはモノ売り業ではなく、多様なサービス業の集積モールを期待したい。
 身近では上尾駅前タワーマンションのテナントも空床が目立っていたが結局はサービス業が殆どになった(それも女性向けと医療関係)。 ライバルとなるネットショッピングもサービスの販売は苦手だ。
 勝手にいえば、場所がらスポーツジムやスポーツ用品などは好まれるかも。美容院、ネールサロン、エステサロン、マッサージ店、スパ、各種医院、薬局、カルチャースクール、学習塾、デイケア施設、公的機関の出張所、図書館等々、いわゆる滞在型モールならアリオ上尾店や北上尾PAPA等との不毛な競争も減ると思う。
と書いたものの、よく考えたら個人的には全くニーズがない・・・ 
ホカニハ、雀荘、碁会所、AVルーム・・・・発想が貧困ですね  

 

さらにイートイン(店内で買った飲食物を食べるコーナー)をフードコートに設けて滞在時間を増やす策は、高齢化時代における住宅地隣接型モールの流行のようだ。デイケアサービスに近いね。
 
ところで総合スーパーの不振はイオンに限らない。 一人勝ちと見られるセブン&アイでもイトーヨーカドーの低迷は止まらない。そのアリオ上尾店については別に書いてみたいと思うが・・・、ようするに総合スーパーから巨大化してきた流通二強が、共に祖業で苦戦している。
 そして、その改革策の先例となる店舗作りがたまたま全国に先駆けて上尾市で行われている(かもしれない)、という点で実に面白い話だと思っている・・・ 
 2017年春オープンは間に合いそうもない。仮に中止でもその次に何がという話題は尽きないし、そもそも向かいの横浜ゴムは空き地が目立ち、土地放出の余裕がありそうに見えて仕方ない 
 
イオンモール上尾店はよく言えば計画熟慮中、悪く言えば計画延期・凍結かもしれない。過去にも大きなショッピングセンター計画が予定より遅れる例はあるようだから、今は白塀に囲まれた凍結物件という仮り姿と思いたい。
追記
だれでも荒地を見れば、イオン上尾は建設中止かと思います。理由は、上のようなイオン側の事情と思ってましたが、そうでもないらしいです・・・。何であれ反対運動は起きるかもしれません。便利施設でも我が家に近すぎると話は別です。高層建築ではないけど日照権の問題はあるかもしれません。交通渋滞の問題もあります。上尾中学校の隣というのもクレームが付きやすいですね(生徒は歓迎ですか?)。まあウワサですが・・・市は歓迎でしょうね。

 

関連

コーセー上尾跡地や横浜ゴム跡地にみる時代の変化とグーグル

 

 

 

 

 

 

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