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2015年7月の14件の記事

2015年7月31日 (金)

エスキモーに氷を売るというマーケティング指南書

好いタイトルだなーと感心して読んだ、スポーツ興行関係者には必読書

 
エスキモーに氷を売る -- 魅力のない商品を、如何にセールスするか
 ジョン・スポールストラ著/中道暁子訳/きこ書房
 
Photo_2 タイトルが気に入った。
いらない物を売りつけるなら、日本にも昔から『押し売り』がありますよ、って言いたいけど、これは恐喝ではなくマーケティングの話です。
もちろん、「エスキモーに氷を売る話」はサッパリ出てきません。喩えですね。
 
アメリカのNBAプロバスケットボールのさえない下位チーム・ネッツを観客動員で劇的に変えた、コンサルタント/社長のマーケティング指南書です。
 
日本の例もあります。西武ライオンズが日本一を繰り返していた時期に客の入りはたいしたことなかったとか、ようするにチームの成績が良ければ客が増える、という簡単なものではないのです。
 
今年は横浜ベイスターズの活躍が目立ちますが、勝利成績だけでなく観客動員が凄いようですね。赤ヘルの広島カープもカープ女子とか言って騒がれていますが、この本のようにスポーツ興行のマーケティング策を練るようになった成果だと思います。
 
去年までは大リーグのレンジャーズ戦をよく見ていました(今年はダルビッシュ休みなので中継も無い)。ホームグランドの試合ではかなり客が入ってました。成績は良くなかったのに・・・、あの手この手の客を呼び込む策をしているのだろうという事が本書から分かる気がしました。
 
で肝心の消費財や生産財などの商品販売への応用ですが、それはこの本から普遍性を読み取るしかありません。
書いてあることはもっともなことが多いです。気になったのは最初の方にカンフル策という用語が良く出てきます。概念としては「顧客の購入頻度を高める策」という意味です。
そのためにも最終ユーザーの名前を知ることが不可欠だと力説しています。
 
最後の方にある固定費と変動費については、少しヘンだなーと思う点もありました。

2015年7月29日 (水)

東芝不正会計とビジネスゲーム研修への応用

ブラックジョークみたいな仕掛けが、ビジネスゲームのリアリティさを演出します
 
 
会計とは複雑なルールの上で成り立つが故に、恣意的な側面が強いです。
科学の測定みたいにはいきまぜん。
扱うのがゼニですから、都合の良い数字を操作することが後を絶たないです。それを防ぐための監査をする方も、雇われだから一蓮托生。なんと東芝の監査はオリンパスの時と同じ監査法人とは・・・仕立ての良いスーツを着た何とかですね。
 
今夜のNHKクローズアップ現代では東芝の不正会計でした。  
 
「社長は必要以上に高い数字を公表してしまう」ためにその数字が必達目標になるとか
「決算前の三日間で120億円の利益を出すように迫る」とか生々しい証言が有りました。
 
オリンパス粉飾事件のような複雑さは無いけど、別の意味で深刻です。それはどこの企業でもありがちな、あるいは陥りやすい事例という点です。
 
いろいろとビジネスゲーム研修(経営シミュレーション)のネタにも使えます。
 
例えば、決算期前の月に、顧客から「来月分を前倒しで買ってもいいよ。ただし単価割引してね・・・」という依頼を受けたら、果たしてどうするか。
次にやる実際のビジネスゲーム研修に入れてみます。受けること間違いなし・・・ タイミングとしては中間決算前が良いかな?
 
売手側が仕掛けると押し込み販売ですが、どちらにしても商習慣としてはありがちです。経営陣には決算前に大きな注文とれたと、報告できます。
実際、テレビでは東芝のパソコン事業が四半期決算の月のたびに売上急騰し、翌月は下落のグラフは笑っちゃいました。
粉飾の手口の期ズレでは無かったようですが・・・

2015年7月28日 (火)

NYダウより上海総合指数のミラーみたいな日本の株式市場

そろそろ潮目が変わったのかな
 
NYダウの影響を受けて日本の株価、日経平均が連動することはよくあることで、ミラー相場とか写真相場と呼ばれる。
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しかし今年は日経平均はNYダウとあまり連動せずに、日本企業の業績は順風満帆ということで二万円台を回復して、強気だった。
 
ところが最近は、中国の上海総合指数の上げ下げに極端に反応するようになった。上海株式市場は別名、上海公式賭博場というほうが正しいと思うくらい、本来の証券ルールが通用しない市場であることを日本の市場関係者は知っているのに・・・
何をそんなに、びくびくしているのか。
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くるくる詐欺だった「中国バブル崩壊」がいよいよ始まったと感じているのかもしれない。
 
おりしも日本企業の第一四半期決算がでつつある。去年と違って減益決算もでている。ファナックは第一四半期は増収増益だが、通期では減益予想を出してきた。理由の一つに中国市場の不透明感があるらしい。
 
秋にはアメリカの金利も上がって、円安期待もあるけれど悪い円安は恐ろしい。最大の外需であるアメリカ景気は金利に敏感だし、中国の景気減速と相まって日本経済には大きなマイナスだろう。
 
「決められない政治」の反動が生んだ強いリーダーシップも、ゴリ押し政治へ進みつつある。
 
そろそろ潮目が変わったかもしれないな。
根拠は?
根拠とはいつも後講釈にすぎない。
そもそも、気づいてからでは遅いよね

2015年7月24日 (金)

上信越道とメトロポリタン長野からみた新長野駅舎の風景

梅雨明け直前のこと。
上信越自動車道は群馬県境から長野県にかけて、片側一車線にして道路整備が多かったです。対向車の無いトンネル内で一車線というのは珍しい体験でした。
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まだ夏本番前の植栽の刈取りや道路整備なのだろうと思うけれど、延々と一車線が続いていましたが交通量が少ないため苦になりません。ちょっと情けないというか、或いは贅沢な高速道路ですね・・・
 
6月には火山噴火のニュースが多かったですが下火になるとそんな話題も聞かなくなります。浅間山は穏やかでした。
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駅前のホテル窓から見えたので、長野駅舎が改築されていたことに驚きました。
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上からだと見苦しい景色でした。駅舎の屋根はたんに構造物や空調設備むき出しですね。
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下から見るときれいに見えます。
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木造風の建物とおおきな提灯が連なり、それなりに門前町をイメージしています。
Img_8271 なぜか、長野駅の提灯飾りには灯がともりません。LEDランプで明りをつけた方がグンと風情があっていいと思うのですが…あるいは夜遅くに点灯したのだろうか・・・
 
長野駅舎の一番素晴らしい姿は、前の前の仏閣風作りの建物だと思います。懐かしいです。長野新幹線やオリンピックという大事業を前にしてあまり公の議論をしないまま、簡単に取り壊してしまったようです。
新国立競技場問題とダブるような感じは、進歩の無い話ですね。
さて50年後100年後にはどうなっているでしょうか。
 
仏閣形駅舎・・・ソースは フォト蔵 長野駅旧駅舎 1989年より
上記ページに国立駅舎もあったのに驚きました。赤い三角屋根の国立駅もながく利用していましたから・・・
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目的地の一つ。記録として
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2015年7月22日 (水)

Excelのオブジェクトがシートからはみ出します、は有名なトラブル

目に見えないゴミオブジェクトを削除したら、行の挿入問題は解決した

 
Excel2010のワークシート内に行を挿入しようとしたら、「オブジェクトがシートからはみ出します。その操作はできません」というエラーが表示された。
 Excel
なんとなく昔に経験有ったが解決策は忘れていたので、ネット検索したらそれなりに方法はあった。マイクロソフトがサポートページに書いているくらい、有名なそして古くからあるトラブルなんだ。でもこここまで続いているとバグじゃないのかと言いたいね。そのページに書いてあることを試したが解決しなかった。
 
 
シート内の非表示行を再表示したり、未使用領域から右側全列を削除、下方の全行削除したりしたけれどダメだった。Excelオプションの図形の位置表示についても問題なかった。 保存形式を変えて保存したら、直ったがマクロが保持されなかったので諦めた。
 
結局、次のように解決した。
試にシート内の全図形を選択して削除したら、挿入できるようになった。
次のように行う。
全図形の選択はf5キー、セル選択、オブジェクト、OKとする。
Excel_3
図形が選択されたらdeleteキーで削除する。
その後、挿入できることを確認したら、Ctrl+Zキーで削除図形を元に戻す。 それでも挿入できない場合はコメント文か他の原因となる・・・
 
以上で、図形が悪さをしていることが分かったので、どの図形が問題かを探す。
ホームタブの「検索と選択」から「オブジェクトの選択と表示」内のリストを見ていたら、
Photo_2
「Rectangle 31」という心当たりのない図があった。選択しても、それが何で何処にあるのか分からない。広いシート内を目視で探すのは大変なのでデリートキーを押して消した。上のリストからも消える。
その後、正常に行挿入ができたので解決した。
 
何かの作業で作られた見えない図形(枠線が白色)なのか、マクロ作業中にできたものかわからないが、正常に動けば良しとする。解決までの時間が短時間で済むことが一番なのだから…
 
昔のExcel97時代なんかバグだらけだった記憶があるから、今のExcelは完成度高いって思っている。
でもマクロの実行スピード落ちたのはダメだね。

2015年7月21日 (火)

粉飾ではなく不適切会計という表現は、スポンサー東芝への気遣いかも

期ズレは、粉飾決算の手口として一般的です

 
不適切会計なんて言葉があることは知らなかったなー。
googleで検索しても「東芝」絡みでしか出てきません、もっと検索ランキングの下の方まで見ないとないのかな。
 
不正会計とか不適切会計なんて、奥歯にものの挟まった様な言い方をマスコミが使っている。なくとなく「不祥事」という曖昧表現と似ている気がします。
特に日本経済新聞社は企業情報に詳しいのに、粉飾決算とは言わずに不適切会計を使い、法的に確定するまで表現を控えているのだろうか。
マスコミの多くは横並びでスポンサー企業として多額の広告費をもらえる大企業、東芝への配慮をしているようにしか見えない。
 
いろいろある粉飾手口の一つ「期ズレ」が使われているらしい。
翌期の売上を繰り上げて当期に計上することです。例えば、4/1の売上を3/31に入れちゃう。費用だって計上のタイミングをズラしてしまう。まあ期ズレしても中期的には相殺されますが、麻薬と同じく止められなくなるのが粉飾決算ですね。

 さっさと粉飾決算と言えばスッキリするのに。それにしてもこの間の配当もらえるはずの株主は直接の被害者ですね。

内部告発者は守られて欲しいものです。

なお西田氏も問われているようですが、優秀な人だった(と思っていた)ので残念です。

2015年7月19日 (日)

スポーツジムから上尾夏祭り

暑いのでダラダラしやすいから、午後からスポーツジムへ行く。本当は庭の草取りをすべきだったのだが・・。事前に駐車場が空いているか聞いてから行った。本日は上尾夏祭りの日で家の周りの道路が混んでいたが、17号は問題なし。
 
ノルマとして、バイク、腹筋のシットアップ、ダンベル系、ウォーキング、ランニング、あと何の機械かよくわからない奴を二三種類、これらを二回やることにしている。今日は特に重量挙げみたいなのを繰り返しやったので、疲れた。
それでも二時間弱。いつもより多かった。 
 
不思議なことにトレーニング室は窓を開けながらクーラーが運転中だった。喚起や臭い対策かと思ったが、いぶかしいので帰りがけに事務所で尋ねた。
「エッ!」と言われた。
 
掃除の人が空けたままにし、職員が気づかずにクーラーのスイッチ入れたらしい。
 
そうです。ここは公的な埼玉県の施設です。
(学校プールの栓を閉め忘れて水漏れしたら水道代を関係者が賠償しますね)  
 
 
少し暗くなってから駅まで夏祭りを見に行く。去年は行かなかった気がするが、そろそろ来年は当番になるかもしれない。
いつもながら一体どこから集まってくるのかと思うような人出だ。
この界隈では、夏の一番始めに行われる祭りみたいな位置づけとなっていて、近隣からも結構来るのだろう。 駅前広場での神輿の光景は見慣れているが、つくづく丸広百貨店の威容はイイと思う。経営は楽ではないと思うが、仮に丸広上尾店が閉店となるときは上尾市も寂しい時代になっているときかもしれない。
 
人を見た目で判断してはいけない、とは思うが、見た目で判断するのが世の常(と言う言い訳)。いつも思うけど集蛾灯(誘蛾灯)に引かれるように、普段見かけない異様な人達は一体何処から来るのだろう・・・
 
それに比べ、幼児が祭りのご褒美を手に両親に連れられて歩く様子は微笑ましいものだった。そういう子供もやがて成長して、夜店のガラクタの価値が分かるようになると興味が失せるようだが、いずれ家庭を持って繰り返すのかもしれない。
 

2015年7月17日 (金)

小選挙区制では偏った民意になるという事例

48%の有効得票率(絶対得票率17%)で、75%の議席は不公平感アリ

 
2014年末の衆議院選挙での自民党の得票率と議席数でみると、小選挙区の有効投票数に占める得票率は48%
獲得した議席数のシェアは75%
実際には、その前の民主党敗北選挙の時の方がもっと極端です。
 
全有権者数(棄権も含む)に対する自民党の絶対得票率は17%と言われます。また戦後最低の投票率52.7%が偏った議席シェアに寄与しています。
なお比例区での自民党得票率は33%で、議席シェアは38%だから、まあまあ公平感はあります。
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昨年末の総選挙では選挙戦術的に安全保障を論点にしないように避けられていました。でも憲法違反だと叫んだところで、結局選んだのは「国民」です。
 
選挙制度としては1票の公平感が保たれることは大切です。単純な「一票の格差問題」とは異なり、大量の死票を生む小選挙区制は政治離れを招き、利権や組織を持つ政治勢力には有利です。
 
民主主義の浸透は試行錯誤で良いと思うので、行きつ戻りつでも仕方ありません。アメリカのような二大政党制が向かないことは明らか、隣国のような一党独裁政治もご免です。
 
連立政権では決めるのに時間がかかり、独裁政権はあっという間に決まります。しかし政治とは意見を異にする人の間における『合意を得る努力』のはず。その努力が面倒だと思うならば、ITを駆使して国民電子投票制度による直接民主主義を作ればよいのです。
今のような大量の無駄な議員や選挙費用も減ると思います。
 
各マスコミの世論調査 図は朝日新聞2015/7/4 より引用
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毎日新聞 2015/1/5

2015年7月15日 (水)

なぜ上尾市の新中央図書館を不便な上平に建てるのですか

地元に公共事業を誘致する、という動機は今の時代にあるわけないね
 
追記 2016/10 本稿の(1)と(2)は下記へ結実します。 
 
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そんな低レベルな動機ではないでしょう。ではなぜ上平地区に上尾市は大型図書館を建てたがるのだろう。
郊外に大型商業施設を建てるのは、広い商圏設定で車での来店を期待してのことですが、図書館利用者はむしろ車を持たない人も多いです。つまり子供(中高生)・高齢者・女性という利用統計上の切り口ではね。最近は若い人も・・・
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Q. 立地性の悪い不便な上平に新図書館を建てる理由は何ですか?
Q. どうして、図書館へあまり本を借りに行かない人達が、建設計画を決めるのですか?
 
誰も正面からは言いませんが、うすうす答えは○○です。とりあえず公開資料が有りました。他にもあるかもしれませんが・・・
 
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(1)上尾議会だより  2015/5月号 より引用
 
問(井上茂議員)
 新図書館について、一般財源や補助金の有無、借金など財政計画の観点からも総事業費を把握する必要があるが、どの位か伺いたい。また、よほど魅力的な図書館を建てない限り、市民は手間をかけて遠い図書館に足を運ばないと思う。候補地の選定において、なぜ第一に立地条件を据えなかったのか、上尾西口大駐車場と上平公園西側の比較検討の内容について伺いたい。
 
 施設の概要は、基本設計により決まるため、現時点で事業費は報告できる状況でない。
新図書館の候補地は、延べ床面積5000㎡程度の建設が可能で、100台程度の平置き駐車場が確保できる土地を前提に選定した。
上尾西口大駐車場は、駅から近いが、市が所有している部分の面積は約2330㎡で、残りの約2050㎡については高額な土地の買収費用が想定される。また、面積の上でも建築制限により、前提条件を満たすことは難しい。
一方、上平公園西側は、JR北上尾駅から徒歩約18分の距離にあり、JR上尾駅からバスが運行している。面積は約7000㎡で、建築計画が容易で、土地の買収費用も比較的安価なことが想定される。これらを総合的に判断して、政策会議で決定した。
 
注、同号には他議員からも質問と回答があったが、稚拙で馴れ合い質問風なので除外。
 
 
(2)井上しげる議員のレポート レポートNo30  2015/4 URL変更済み
 
「先に上平公園西側候補地ありき」が明らかに!
上平候補地の地権者とは候補地を決めた政策会議(平成26/1/22)後に買収交渉を始めたのか」との質問に「平成25年11月からお話をさせていただき、一定のご理解を得ていた」と政策会議前に候補地が決まっていたことが明らかになりました。
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(1)の答に対し、さらに突っ込んだ質問が無いのは残念です。
建設資金は分からないが建設地は決まった。こんな論理が通用する職場ってヘンです。「駅から遠い」と言えば「北上尾駅から近い」、こんな答弁は笑いもの。そして最終的な決定理由は「総合的」。真意を隠すために行政や政治家が好んで使う常套句です。
 
(2)は、なんとなく「決める前に決まっていた」となりそうです。本来は候補地に数十もの評価項目を設けて比較検討をして決めるはずです。
 
 ●上尾市議会議事録検索へ 検索語「候補地、政策会議」、H27年で検索可(糟谷氏質問)
 
候補地を決め、次にどんな図書館にしようか。こんな順番で仕事をするのは結果責任を負わないお役所だけ。広さと駐車場が建設地の条件とするのも本末転倒。フツーは利用人数や貸出数という需要を見積もり、それを達成するための適地は何処か、となります。
 
利用指標を目標にしないのは無責任(きつく言うと無能)です。具体的には、或る利用者数(市人口に占めるカバー率)が来て、どれだけ繰り返し来館し(リピート率)、そして多くの本を借りるか(利用頻度=貸出冊数、いわば買上点数)です。
 
 
一定期間(通常1年)におけるフロー情報こそ図書館行政の成果指標です。しかし今の行政と議員は、人口や施設面積とか蔵書数というストック情報でしか文教を語れません。典型が「23万人にふさわしい・・・」です。本館は365日開館という案もだせずに(他人の)カネで買える設備投資で、効果指標も持たないとは無責任の極みです。
 
ストックでしか語れないのは、時代錯誤の箱モノ行政か「立派な文教施設を作った」という為政者の功名心に過ぎない?と疑われます。「ストックは素人でも分かる、プロならフローを語れ」と言いたい。
利用指標を目標にしないのは未達の責任や政策の間違いが判明するからでしょう。かくして行政の行動は曖昧となり「結果無責任」が繰り返されます。
 
あらためて、上平案では車を持たない利用者や子供には遠い図書館になります。不便で高額な「上平中央図書館案」には反対です。上町の中央図書館でも雨天は休日でも閑散、駐車場が満杯なんて日は珍しいです。夏場は避暑目的で混みますが、それが遠くなると往復で汗かきそう。
賛成派は今の本館利用度×建設投資倍率(新図書館÷現本館)以上の貸出数や利用者数を見積もれる自信がありますか?それも20年間ベースで。
 
(3) ケンセツ的な提案・・・上尾市アマゾン図書館計画
 
新図書館では蔵書を増やしますが、不便な場所のために「Web予約で近隣図書館受渡し」の利用形態が必ず増えます。そうなると高額建設費の施設が本末転倒になります。駅前分館は今よりも高稼働になります。
  文末 「その本図書館にあります/カーリル」記事参照
 
蔵書数を増やすなら、郊外に大型蔵書施設を作ればよいのです。新規物件ではなく、空き施設。例えば、上尾でも小学校の部屋が余るのは時間の問題・・・(年間500校が廃校する時代です)。
 
つまり図書館のAmazon化です。大きな倉庫(書庫)と配送により建設投資を抑えられます。毎年の運転資金は新施設を稼働するよりも安上がりと思います。なによりも図書館の存在が市民にとって(ネットと物流で)等距離となり、立地による不公平感が解消されます
 
作業として増える配送仕訳と配送頻度や図書受渡し場所は雇用創出(NPO等)と地域安全に寄与します。貸出本の滞留日数が増える弊害もありますが、全体としては低コストです(それが目的です)から費用対効果は高いとみます。なお上図からは北上尾駅前に分館か受渡し場所があっても良いと思います。
 
学習机や閲覧スペース、くつろげる場所は増やす必要がありますが、蔵書を外部化することで空きスペースが生まれます。蔵書外部化を進めると図書館の万引き被害は確実に減ります(防犯タグの高額投資も不要?)。
 
「広い書棚空間を巡り本に触れ合う」という体験は児童書コーナーのみで良いでしょう。限られた予算で大図書館体験を望むのは、贅沢な懐古趣味かもしれません。蔵書数を増やすほど、人々は検索利用に依存するのです。 早く若い人に交代して下さい。
 
新時代にふさわしい、ツタヤ図書館とも違うからので注目されますヨ、上尾市長さん。なお、この計画には立派な図書館長室や革張りの椅子は有りません。だって倉庫だもん・・・
 
役人や市長・議員のカネではなく、建設資金は納税者のカネと将来世代への負債です。
国レベルでは新国立競技場問題がありますが、上尾市でも新図書館の高額な建設費や毎年の維持費がこれから明るみに出ると似た問題ですね・・・
 
追記:
 
Q. 建設計画を作った人達の、去年一年間の図書館利用回数と読書冊数を教えてください…
 
 
関連:
 
 
 
 

2015年7月13日 (月)

銀行の法人営業担当者へ没入感の高いビジネスゲーム研修例

融資先の決算書や資金繰りを見ている銀行マンへの経営シミュレーション研修
 

若手から10年位の中堅層までが入り混じった自主参加のビジネスゲーム(経営シミュレーション)研修をしました。

法人営業担当なので日ごろ顧客の決算書を見る機会が多い人達です。不思議なのは、本店や近隣支店よりも遠隔地の支店から来た人が多かったです(参加動機は別にあったのかな・・・)。 土曜朝から夕方までのフルタイムの自主参加なので、学習意欲が高い人ばかりとなるから私としては楽です。
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直近の人事異動後の休日と重なり参加者は大幅に減りましたが、本ビジネスゲーム研修は受講者から見て、少人数であることは気にならないようです。定性的な研修ではなく経営スキル養成という具体的であり、流行言葉でいえば「没入感」が高くなるためです(アンケートにもその言葉を発見)。多人数になると、議論が収束しないという欠点が露わになります。
カード型や盤型ビジネスゲームみたいに「楽しさ」ばかりを追求しない点も、リアリティな法人貸付をしている彼らには没入感が得られるのでしょう。
 
なんと、朝、皆さんが「会計の基本がわかる本」を持ってきたのには驚きました。急きょ、事務局が手配したようですが事前学習はしませんでした。銀行の法人営業担当者ですから「決算書なんかスラスラでしょう」と判断し、一日で5期実施しました。ハイスピード運営です。
 
研修室の28度のクールビズは蒸し暑いですが、シミュレーションの展開は暑さを忘れさせるものでした。二社黒字・二社赤字。上手くいった・・・
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さすがに銀行マン、コース想定レベルよりは理解度が高いので、途中からは一部企業には経営モデルの隠し機能も使いました。「えっ、そんなことできるの」と言われる位にして、5ヶ月の経営をマンネリしないよう運営しました(少し時間かかるけれど…)。循環取引もどきもあって、楽しかったですね・・・。
欲張って、限界利益と固定費の管理会計も少し入れましたが、ニーズは低かった感じね・・・。

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皆さんにとって印象的だったのは、自分が経営者の視点で資金繰りを計算したり借入交渉をしたことです。「支払到来の怖さ云々」と感想にもありました。
 
もう一つは、決算書を見るのではなく手を使って書き上げることを繰り返し学習したこと。既存の理解を深堀するのに役立ったようです。
 
そうして最後に、「どうして売れないのか」、「どうやって売り上げを増やすのか」という経営戦略のジレンマをマーケティングの視点から体験したことです。
 
忙しい中でも、最後には二画面プロジェクターで発表したので、一日と言えども内容・質ともに凝縮したビジネスゲーム研修ができました。
アンケート結果も良好です。
「研修を通しての成長実感」項目で平均4.6点。カネ勘定に強い法人営業担当者への短期研修で、高い納得感が得られたのはポジティブサプライズでした。
 

2015年7月 7日 (火)

絶歌で再注目された「少年A この子を生んで」を読んで分かったこと

彼は、犯行声明文の最後の一文を絶歌により実行した。
 
「少年A」この子を生んで(父と母悔恨の手記) 少年Aの父母著、文春文庫
 
こんな本が有る事すら知らなかったが、絶歌の出版騒動により再び注目されたようだ。
書店で平積みの絶歌に載るように小ぶりな本書が展示されていた。書店は「売る」のが目的だが、気味の悪い売り方だと思った。
一瞬、加害者が親子揃って事件をネタにしていると勘違いした。その面もあるかもしれないが、両親は贖罪の意味と責任を込めて本を出しているようなので、絶歌とはやや異なるだろう。
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事件の事は詳しくもなく、未成年の事件は親が責任をとるのは当たり前、くらいに思っていたので、読んでみてこの両親に対する思いは少し変わった気もする。
初めは母親の能天気ぶりに驚くが、書いてあることが本当ならば両親は普通以上の努力で育ててきたように思う。世間にはもっと放任とか過保護もある。一家は贖罪の重みに耐えながら生きているようすも伺える。
 
少年Aが小学生時代から問題行動が多かったことには驚く。一つ一つは小さかったり関連性が無くても、厳しく接するか疑ってみることも必要では、と思うがそれは酷かもしれない。親だからこそ客観的に見られないし、思春期の子供への接し方は難しい。
 
さりとて母親はAを盲信していたわけでもなく、MRIを撮ったり事件前後には母子で児童相談所へ通ってカウンセリングを受けていたらしい。 専門家ですら小さな中学生Aが「殺人願望」を抱いているなど想像できなかった。近年の佐世保女子高生や名大生の類似事件だってそうだ。そんなトンデモナイ所見はなかなか出せないだろう、と思う。
家と外での性格が全く異なり両親には危険性が予知できず、専門家には「掴みどころがない」と言わしめるように、少年Aは年齢にそぐわぬ狡猾さも備えていたようだ。
 
強いて批判すれば、感受性が普通でないことに気づきながら、親同席であってもホラーや残酷シーンの多いビデオを見ることを容認していたことだ。
本書には弁護士の話や精神鑑定とかもあるが、幾つもの犯行声明文が載っていた。見覚えのある文章だが、神戸新聞社へ宛てた犯行声明文の最後の一文が、非常に気になった。
 
---ボクには一人の人間を二度殺す能力が備わっている---
 
 
先日、産経新聞の配信ニュースで見たのが、絶歌出版に対する淳君のお父さんの気持ちだ。
 
引用すると・・・
「今、改めて事件の内容を多くの人に伝える必要がどこにあるのか。私たち遺族の心も傷つき、『息子は2度殺された』という思いだ」 とある。
 
 
犯行声明文通りに、元少年Aは「絶歌」により、二度目の殺人を成し遂げた。
18年間、この時を待っていたかのように。
 
犯行時に成人なら極刑を受けただろうが、
少年法により守られた。
二度目の殺人は、表現の自由に守られた。
 
ただし今回は、共犯者がいる。 そういわれても仕方あるまい。
 
 

2015年7月 4日 (土)

実力のパ、人気もパ、見るのは大リーグ野球

本当にセリーグって人気があるのかな

 
 
セリーグの全6球団がみな勝率5割以下という事が話題になっていた。ほとんど見ていないのであまり気にならないけれど、その原因は先の交流戦でのパリーグの圧倒的勝利とセリーグの惨敗振りにあるようだ。丸で一軍と二軍みたいな差かもしれない。
 
昔から人気のセ、実力のパと言われた。
でもあくまでも興業的な物だとおもう。情報(マスコミ報道)が限られていたから起きた矛盾だと思う。スポーツなら強いほうが人気あるのが自然。
つまり作られた人気なので、今のようにスポーツが多様化した時代では、弱いチームが人気を保つというのは難しいだろう。
ピッチャーもバッターもパリーグの方がパワーに優れた選手が多い。
だから実力だけでなく、人気もパリーグの方があるのではないかと思う。
 
テレビ中継が減っているが、一番見たいのは日本ハムの大谷投手の投げるところ。でも無料(?)のBSでもたまにしか見られない。
 
一番確実に見られるのは、大リーグ中継。
今年はダルビッシュがお休みなのでとてもつまらない。本日はヤンキース田中が投げていた。
アーチャーは凄かった。
多分、大谷が大リーグに渡れば、大谷が出る試合をNHKは放送してくれるだろう。

2015年7月 3日 (金)

ギリシャを笑えない、日本の債務だって高齢化し人口減で深刻です

国立競技場建設費ですら削れない無責任さ

 
ギリシャの金融危機は日本にはあまり悪影響ないと言われているけれど、果たしてそうだろうか。
 
ギリシャ社会の能天気さがギリシャ危機の真相とばかりに言われるど、日本だって似たようなものだと思う。笑えない。週刊誌だと「嗤えない」かな。
 
 ギリシャの債務は巨大な対外債務だけれど、日本の債務は外国人が持っているのではなく日本人自身だとと言う点で楽観視する人がいる。
 でも高齢化の進展は預金を取り崩し(国債を買うよりも売り手になる)、さらに膨大な国の借金支払を未来の日本人に任せている。その子供はどんどん減っているというのに・・・。人口グラフを見れば恐ろしくなる。そしてグローバル化が進展するから日本人だけではコントロールできなくなる。
 
しかし今の政権は、目先の成長ばかりを前提とした経済運営だから、借金は減らない。
 
最近の東京オリンピック用の新国立競技場の建設計画も、更地になっても新プランが固まらない。建設予算が大幅アップで、世界に公約したコンパクトなオリンピックとはならないけれど、だれも責任をとらなくてよい。
 
『せっかくのお祭りに水を差す気か』という論調だけでなく、建設が間に合わなくなるという危機感が喧伝されると、世論が「仕方ない」という合意に収束するのを密かに待っているのだろう。
 

2015年7月 1日 (水)

新幹線内での焼身放火事件に想う

100億分の一人が犯した身勝手な恐ろしい事件

 
報道では新幹線におけるテロ対策が議論されていた。関係者にとっては頭が痛いだろう・・・。鉄道事故への安全策は大事だが、犯罪から防ぐというのは敷居が高いと思う。
 
サミットや東京オリンピックがあるからと言う人がいるが、今回の稀な事件が無ければ、どんな対策を講じるつもりだったのだろう。
 
現在の全新幹線の利用者数はおよそ年間3億人らしい。東海道新幹線の開業以来だと100億人くらいになるのかな、とにかく凄い利用者数。
 
その中のたった一人、1/100億人が起こした犯罪のために、どんな対策が必要になるのだろう。
どんな防犯策をしても、悪を意図する人は、もっと巧妙な手口になるに過ぎないと思う。
 
機器に依存したハード的な防犯対策では防ぎようがないと思う。「対策をしました」という上っ面の世間体みたいなもので、本心は「ムリムリ」と思ってないだろうか。
 
少し昔の新宿駅西口バス放火事件を思い出した。つまり新幹線だけでなく一般電車・特急や地下鉄まで広げるとキリがない。
 
今回の犯人の動機はわからないが、新宿駅バス放火事件の犯人と似ているような気がする。
人間社会の問題です、と正論を吐いても特効薬があるわけではないので、気がめいるばかりの事件となった。

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