銀行の法人営業担当者へ没入感の高いビジネスゲーム研修例
融資先の決算書や資金繰りを見ている銀行マンへの経営シミュレーション研修
若手から10年位の中堅層までが入り混じった自主参加のビジネスゲーム(経営シミュレーション)研修をしました。
法人営業担当なので日ごろ顧客の決算書を見る機会が多い人達です。不思議なのは、本店や近隣支店よりも遠隔地の支店から来た人が多かったです(参加動機は別にあったのかな・・・
)。 土曜朝から夕方までのフルタイムの自主参加なので、学習意欲が高い人ばかりとなるから私としては楽です。


直近の人事異動後の休日と重なり参加者は大幅に減りましたが、本ビジネスゲーム研修は受講者から見て、少人数であることは気にならないようです。定性的な研修ではなく経営スキル養成という具体的であり、流行言葉でいえば「没入感」が高くなるためです(アンケートにもその言葉を発見)。多人数になると、議論が収束しないという欠点が露わになります。
カード型や盤型ビジネスゲームみたいに「楽しさ」ばかりを追求しない点も、リアリティな法人貸付をしている彼らには没入感が得られるのでしょう。
なんと、朝、皆さんが「会計の基本がわかる本」を持ってきたのには驚きました。急きょ、事務局が手配したようですが事前学習はしませんでした。銀行の法人営業担当者ですから「決算書なんかスラスラでしょう」と判断し、一日で5期実施しました。ハイスピード運営です。
研修室の28度のクールビズは蒸し暑いですが、シミュレーションの展開は暑さを忘れさせるものでした。二社黒字・二社赤字。上手くいった・・・


さすがに銀行マン、コース想定レベルよりは理解度が高いので、途中からは一部企業には経営モデルの隠し機能も使いました。「えっ、そんなことできるの」と言われる位にして、5ヶ月の経営をマンネリしないよう運営しました(少し時間かかるけれど…)。循環取引もどきもあって、楽しかったですね・・・。
欲張って、限界利益と固定費の管理会計も少し入れましたが、ニーズは低かった感じね・・・。
皆さんにとって印象的だったのは、自分が経営者の視点で資金繰りを計算したり借入交渉をしたことです。「支払到来の怖さ云々」と感想にもありました。

もう一つは、決算書を見るのではなく手を使って書き上げることを繰り返し学習したこと。既存の理解を深堀するのに役立ったようです。

そうして最後に、「どうして売れないのか」、「どうやって売り上げを増やすのか」という経営戦略のジレンマをマーケティングの視点から体験したことです。

忙しい中でも、最後には二画面プロジェクターで発表したので、一日と言えども内容・質ともに凝縮したビジネスゲーム研修ができました。
アンケート結果も良好です。
「研修を通しての成長実感」項目で平均4.6点。カネ勘定に強い法人営業担当者への短期研修で、高い納得感が得られたのはポジティブサプライズでした。
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