建物と住民の高齢化が進む団地の再生と入居収入条件
追記 3/17 アクセス多いため上尾市民なら前記事の
10団地比較をどうぞ…
夏に訪れたときの感想文です・・・今頃書いてますし、タイトル負けした内容です。団地人口に関する統計話しの最後になる予定です。
広いなーというのが第一印象、つづいて人の気配が無いなーが第二印象・・・。
全部で何棟あるのでしょうか。・・・34棟でした。
古い公的機関の建てた団地は、棟の間隔が広くてゆったりした配置です。民間だとこうはいきません。ベランダの柵にはサビも目立つところがありますが、建物はそんなに古い感じは受けません。公的な建物なのでメンテナンス計画があるためしょうかね。
さすがに児童用の遊具公園は誰も使わないためか朽ちた風景でした。
東京都だけで築40年以上の老朽マンションは12万戸、その中には管理不全の物件もあり、廃墟化しているものがあると聞きます。いわゆる限界マンション化です。その点では公団系の物件は建物がしっかりしている、という印象はありますから安心かもしれません。
余談ですが、この手の団地はエレベーターがありません。今となっては致命的ですが、そうも言えない面もあります。老朽化した民間マンションで改修工事をするときにエレベーターの部品交換ができないということがあったそうです。(部品保存の年数が切れてか不明ですが)修理部品が無いそうです。だからと言ってエレベーターを新品へ全面交換なんてことはできない・・・という深刻な問題があるそうです。

ぶらっと歩くと、一目で空き室が目立ちます。ざっと25%が空き家と言われています。
2015年/1/1
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世帯数
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人口
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世帯人数
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10年前比 人口減少
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30年前比 人口減少
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建築年
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築年数
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しらこばと団地 |
606
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1,256
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2.1
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-39.2%
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-57.0%
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1967-1968
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48
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しらこばと団地が誕生した1968年頃と比べると、半世紀後の今は周辺環境の利便性は良くなったのでしょうか。
当時を知らないので何とも言えませんが、北上尾駅ができたのはメリットだと思います。近くにはホームセンターのビバホーム(旧トステムビバ)もあります。反面、中小商店は廃業していったのかもしれませんが・・・
さて人口減少とW高齢化(住民と建物)、空き室の増加が進んでいるのが郊外型団地に共通する問題です。
大家である埼玉県住宅公社の看板が目につきます。内容は古いものです・・・
礼金と更新料無しで、家賃は安いです。
公営住宅は高収入の人が入れないのは当たり前ですが、下限の条件もあるようです。知りませんでした。
ある程度の収入が必要ですが、この敷居が今のデフレ時代にそぐわず高いのではと思うのですが・・・建設時からの法的縛りや特定事業としての会計基準があるのでしょうか。
しかし建物は耐用年数(建設当時の税法では今より長いけど、今は50年)に近いのですから、入居者の収入条件を思い切り下げても良いのではと思います。
空き部屋が多いから、公共資産の効率的運用と言う単純な理由です。
最近は、やたらと高齢化問題と貧困問題がクローズアップされます。下流老人なんてへんな言葉も流布してますが、極端な話しではなく普遍性のある問題です。
国民年金だけに頼る高齢者は月7万円位の受給ですから、ほとんど家賃に消えます。その点では団地の空き部屋の活用は社会的ニーズがあると思うのですが・・・。人が住まない建物は傷みが早いです。
団地のリニューアルを目指した試みもされています。しらこばと団地は行田市にある「ものつくり大学」と埼玉県が共同で団地再生らしきことをしているのを以前NHKテレビで見ました。
団地が近隣大学と共同して空き部屋対策を試みる例は、そこそこあります。学生用に部屋を貸し出すとか、団地行事に参加して住民と交流するとか。URの原市団地には芝浦工業大学の施設があります。
実は訪問したときにものつくり大学の学生と偶然会い、話しができました。放送内容を裏付けることも聞けたけど、いろいろと悩みも抱えているようでした。大学側には実践的なよい研究対象にもなるし社会貢献的な意義もあるので参加しているのだと思いますが、やや自腹的なとこもあるようで大変みたいです・・・埼玉県のオール補助金事業と思いきや

。
予算上、彼らが手がけるリフォーム戸数が限られるのは当然としても、若い世代向けの間取り案のためか上層階の部屋でした。
若い世帯を呼び込むのもよいですが、高齢者向けに一階の間取り改善とかのが良いように思いました。構造壁がなければ、二戸ぶち抜きでグループホーム風なんてのも出来そうに思うのですが・・・無理ですかね。
まあそれ以前に、入居者の収入条件の緩和という法改正をやるべきと思います。福祉住宅ではない、という体面にとらわれずに。それが政治でしょう。
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