上尾市議会選挙にみる世襲化は民主主義の劣化だよね
世襲議員を応援する利益は昔よりも希薄だから、天に唾するようなもの
数か月前に何度も家族それぞれあてのダイレクトメールが来ていた。ある議員の後援会からのもの。年末(2015/12/6?)の上尾市議会選挙でよろしく、という意味だろう。
本来、ウチの住所を知っているのは別の目的のためなのに、これは個人情報の乱用だと思う。そのうち電話がかかってきたら言ってやろうと思う…

「個人情報保護法に抵触しないか法的に説明してくれ」って。
それはともかく、手紙の内容に驚いた。
ムカシ現職が市議選に出る時には先代(爺さん)も議員だったらしい。今回の手紙は、その息子が家業を継いで日が浅いにもかかわらず、今度は上尾市議選に立候補するらしい。
なんとこの家は三代続けて議員をやるつもりだ。市議会議員が家業になっている・・・
。

二世議員や世襲議員なんて地方・田舎の話しと思っていたが(上尾も田舎、と言う人も居るかもしれないが)、それでも東京の郊外都市であり、人口23万人の多くはよそ者ばかりのはず。
地縁、血縁は希薄化していると思っていたのでビックリ。
DMには三代目の経歴が書いてあった。トーゼン見るべきものがナイ・・・
何か論文でも書いているかと期待したが大学名からも理知的な感じは受けない。
もっとも東大法学部出身でも「法的安定性は関係ない」と言う国会議員もいるから、学歴で人を判断してはいけない。 そもそも、先代も先々代もどんな能力があったのかなんて知る由もない。
若いのに親から言われるままに自分の将来を決めたことに葛藤は無かったのだろうか。親とは違う道を志そうと思ったことは無かったのか、と尋ねたい。そういう葛藤を経て人間は成長すると思うのだが、他人様の家のことだから余計なお世話かな
そしたら別の議員のチラシが来た。珍しい苗字だから知っているが写真は若く別人のものだった。そこには書いてないが、察するに二世議員候補だろう。こんな地方議会にも世襲の流か
、と驚きを通り越して、危機感を感じる。

そもそも有権者からして、地縁血縁で議員を擁することにどんなメリットがあるというのか。今時、公共事業で潤えるはずは無いだろう。強いて、冠婚葬祭に議員からの電報でもくれば得意げな顔ができる?、なんてレベルか!。或いは、贔屓のチームが勝利することで他人同士が一体感でも得られるアレに近いものか。
つまり幻想だと思う。
若い人が政治家を志すことに異論はない。しかし、政治屋ではなく政治家として実行できる見識やスキルは身についているのか?。それを客観的に有権者に示すことができるのか?。議員になってから勉強します、では詐欺だ。
カネや生活の苦労も無いまま育った人間に政治的な権力を持たせることにリスクがあることは国会議員を見ていれば分るはず。渡る世間の酸いも甘いも体験したり、矛盾と葛藤を経てから立候補すべきだ。その点こそ二世議員の致命的な欠点だろう。
だから世襲議員は若くても、周りの年寄りに媚びへつらうようになる。若いのに、若い人の代表にはなれない。
でもそれが可能なのが議員と言う職業だ。能力ではなく知名度や組織票が優先される。世襲議員の比率は国会議員で自民党40%、民主党は20%らしい。
上尾市議選の当落分岐点は四年前では1600票くらい。それだけの人数に自分の名前を書いてもらうには、やはり知名度が必要だ。本当は、筆記試験と討論会でも課したほうが良い人物が選べるというものだ。

デーブスペクターのダジャレが的を射ている。
世襲議員とかけて、夏目漱石の小説ととく。
そのココロは
「坊ちゃん」は「吾輩はコネである」。
競争の希薄な所から生まれるのは衰退だ、って最近もTPPでよく言ってたね。
だからそんな人物に投票しても、天に唾することになる。それで政治に不満を言うのは道理が通らない。
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コメント
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ここに書いてある立候補予定の2人は、だいたい察しがつきます。
3代目という候補予定者は現議員である父親の地盤をそのまま受継ぐことが出来るし、珍しい名前の候補予定者もやはり知名度で当選を
期待してるのだと思う。よっぽど議員という仕事は楽で美味しい仕事なのか?ウチにもウチの地域の候補予定者が挨拶に
区長を伴って来た。ここの地区担当の○○ですと言っていたが、○○
さんとたまたま同じ地区に住んでいるというだけで、○○さんに投票
しなければいけないという義理もないし○○さんを地区の担当に選んだ覚えも無い。例えば小泉に住んでる人が原市に住んでる候補者に
投票してもいいはずだ。挨拶に来た候補予定者は顔と名前は知ってるが、ホームページすら無くどんな人なのか全くわからない。チラシを
見ても公約にスポーツの事や箱モノばかりでたいした政策も無い。名字からするとこの地域の地主の親戚だと思われる。現議員を見ても
地主やその関係者が多い。そういう議員ばかりが悪い訳ではないと思うが、そういう議員が中心になってどんどん大事なことが勝手に決められてるような気がする。図書館の事とか…。私は上尾に越してきて20年くらい経つが未だによそ者みたいな感じがする。昔から上尾に
住んでる人は良くも悪くも上尾の事しか知らない。よそ者は他の所に
住んでいたわけだから上尾の良い所も悪い所も少しは分かる。でも
よそ者の意見を聞く耳を持たないという感じがするというか。これじゃ
上尾は全然良くならないし、上尾に住んでみたいという人もいなくなると思う。政治屋ではなくて政治家と呼ぶにふさわしい候補者が出てくればいいのだが
投稿: | 2015年10月30日 (金) 23時28分
ご来訪に深謝。
察しが付くように書いたつもりです…
それにしても長いコメント、そのままブログ記事になりますね。
もう挨拶回り来ましたか!。介添え役はオレが地域の実力者だと誇示陶酔したいのでしょう。無策なのは分かりますが、HPも持てないのは本人の能力だけではなく、そんな能力を持つ支持者すら居ないという証拠です。
政治家になる第一義の能力は選挙に勝つ能力ですから、選挙に強い人が政治家になるのであって、行政能力に優れた人が成るわけでは無いですね。だから時々ヘンな人間が出てくるのです。
実はもっと利己的な投票を勧める気もあります。みんなが自分だけの生活に一番有利な人は誰かを徹底的に考えると、意外と公平な結果になると思うのですが・・・この当たりは「天に唾する」の反意として改めてブログに書きたいテーマです。
まあペーパー試験と長時間の公開討論会を課したい気分です。
地方議員などは無給で議会は各人の仕事が終わった夜に開かれるという外国の例があるそうですが、民主主義の歴史の差ですね。
またのおこしを。
投稿: 管理人 | 2015年10月31日 (土) 11時14分