2014年版の上尾市図書館要覧にみる利用状況 (政策の弾力性)
図書館要覧を見た、私家版の図書館白書です
2016/1 内容追加・変更中・・・
上尾市図書館白書なんてものはありませんから、ネーミングは早い者勝ちです
統計対象期間は2014/4/1から2015/3/31です。
(1) 前年比で横ばい、図書館利用が大きく増えたり、減ったはしていない。
施設の増減や稼働日数、市人口に大きく変化が無いので、概ね前年並みです。実数では蔵書数596千冊、貸出数は1,335千冊(点数)、貸出利用者数は423千人。
前年比で蔵書数は1.1%増、貸出利用者数は1.3%の増加(5,600人)となりプラスに転じましたが、貸出数は-0.8%の減少です(その内訳には深刻なものが有ります)。
総じて、去年よりも利用者は増えたが、読書数は減ったとなります。なお利用人数とは貸出手続き回数のことです。人数の増加要因は後述します。
グラフが右下がりにならなかったのは良かったですが、貸出数は二年連続マイナス、過去のピーク2009年比では10%減です。
(『良かった』と書きましたが図書館要覧はデータの羅列であり、一年間の活動総括という視点での評価は一切ありません。行政の欠点です)
(2) 各種指標も前年並みの横ばいです。
蔵書回転率2.3、利用者一回当たりの貸出数3.2冊、予約に占めるWeb予約の比率は1ポイント上がって69%です。
(3) 主要三館の状況
本館、駅前分館、大石分館のみで利用者数と貸出数はともに全体の78%を占めます。
グラフは貸出数の前年比推移です。三館は2-3年連続マイナスです。特に大石分館のマイナス幅が大きいです。(1)で全体の変化なしと見ましたが、分館レベルでは減少が見られます。なお本館は利用者数22万人、貸出数69万冊です。
(4) 年代別の貸出数では大きな変化…読書離れか?
年代別の借りた数のグラフです。昨年とあまり変わらないように見えますが・・・
2013年から2014年の変化では全体が-1%程度の減少ですが、内訳では大きな変動がありました。
たとえば、0-6才は28%増、7-12歳(小学生)は19%増(去年より2万冊増)と子供世代が突出して増えました。
元の値が小さいので変化率も高くでますが、男の幼児は41%増です。ついで70歳以上が6%増、高齢人口が増えるので今後も貸出増加が期待されます。
人生の両端に位置する年齢層で37千冊増え、他の世代は全て減少です。特に母数の多い30代の13%減(32千冊)が全体の貸出数を減らした要因です(男女とも減少)。一過性なら良いですが、中核ユーザーである30-40代層が減るのは深刻です。なぜでしょう、女性の就労が増えたとかでしょうか。上尾市民の読書離れの兆しなのでしょうか・・・
(5) 本館の利用人数の変化について
新図書館の上平建設案がありますから、現本館の利用状況を見ます。
本館の利用人数 | 2013年 | 2014年 | 増加人数 | 前年比伸率 |
---|---|---|---|---|
児童(0-12) | 21,319 | 25,269 | 3,950 | 18.5% |
一般(13以上 ) | 193,395 | 195,201 | 1,806 | 0.9% |
合計 | 214,714 | 220,470 | 5,756 | 2.7% |
児童のシェア | 9.9% | 11.5% |
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