上尾市公共施設等総合管理計画(概要版)のまとめと感想
このブログの上尾市関連の記事が増えたために、上尾関連の生活ネタと行政関係のネタが混在してグチャグチャになっていました。
そこで「上尾市私役所」という新カテゴリーを作った。これはその第一回記事。
上尾市Webサイトに興味深い資料がありました。
へー、行政にも長期的視野が有るんだなー、と感心。行政自ら、公共施設等の建築物をハコモノと称しているのに驚き。なお道路や下水道などの都市基盤施設をインフラと称しています。
以下は速読後の個人的な要約抜粋。
●計画の目的
上尾市の公共施設は昭和40-50年代にかけて約三倍の人口急増と都市化に対応すべく建てられたものが多く、近い将来、一斉に更新時期を迎える。
しかし、少子高齢化(福祉支出の増加)、生産年齢人口(15-64)の減少は住民税の減少、財政状態の悪化、現施設の維持が困難という悪循環リスクがある。
従って、今から真剣に考えないとえらいこっちゃ、という「計画」に名を借りた「警告書」です。
で、このようなことを総合的とか整備とか計画とか、整備文(お役所言葉)で長々と綴っています。
本計画は、「第五次上尾市総合計画前期基本計画」の下位計画の位置づけです。
●計画期間は40年間・・・長い!
H28年~H67年/2016-2056年。今年の新入社員が退職するまで。ちなみに人口予測としては最終年は30%減の15万人台。これは1978年頃の水準。
そうとう街中が空いています。
高齢者が多いから外歩きの人を見かけないかもしれません。「混む」という概念がなくなる時代でしょうか。それとも、市中心部に密集するだけでしょうか、分かりません。
超長期計画は必要ですが、どーせ5年先も見通せませんから、あまりにも長いのも無責任化するなーという複雑な感想です。
●現状
上尾市の固定資産は6847億円・・・ほとんど土地83%、大事なのは内訳の
公共建物371億円(5.4%)
インフラ(上水道除く)714億円(10.4%)、上水道入れると961億円
●老朽化の現状
築30年以上のハコモノが64%、うち8割が学校施設。同、インフラでは橋が約60%。
●耐震化
昭和56年以前の旧耐震基準の施設が60%ある。学校施設の9割は耐震化済み。
●財政
歳入は600億円(H24)、うち市税は300億円とちょうど半分だが市税は減少傾向にある。なお直近H26は市税305億円とやや回復したが、H19年の325億円がピーク。
中期的には生産年齢人口の減少で市税の増加は期待できない。って市がハッキリ言ってます
・・・まさか市民にもっと稼げ、と言うわけではないでしょう・・・
歳出は扶助費(生活保護や児童手当)の増加が著しく、H15(12%)からH24(24%)の9年間で倍増。昔は市町の支出って一番多いのは彼らの人件費と思っていたが、今は扶助費です。取り様によっては公務員から老人と子供へ配る先が替わったかもしれないけれど、直近H26年度は152億円、27%。
●経費・・・この辺の表現が分かりにくいが、過去10年間平均値として
公共施設等の整備、年65億円。うち、ハコモノ投資額30億円
インフラは上下水道も含めて60億円
●更新費用の見通し
現在の施設サービスの規模で維持し続けると仮定した場合の費用見積もりです。これが有りえない仮定と思うのだが・・・
・ハコモノ更新費用、40年間で総額1792億円、年間45億円。
上記ハコモノ投資額30億円の1.5倍。建替えは平成50年頃がピーク。
・インフラ更新費用、40年で総額2546億円、年64億円。
年間の投資額60億円の1.1倍だが、実態はもっと高くなると書いてある。
・全体の更新費用は総額4500億円、年間113億円。
●公共施設マネジメントの目標値・・・40年間で、
・ハコモノ経費(約1800億円)の35%を削減する
・インフラ経費(約2500億円)の10%を削減する。
実は、ここが一番引っかかる所、まだよくわからないので書けませんが・・・単位の異なる数字の割り算をしているような、或いは未来と現在の割り算のような違和感があります。
次記事へ
-------------------------------------
上尾市の公共施設マネジメントの原則
1ハコモノ
施設の複合化、多機能化及び更新の際に必要とされる機能の峻別と補完により総量を縮減し、新規整備は抑制する。
2インフラ
ライフラインの確保を最優先とし、効率的に長寿命化をすすめ、経費の縮減と平準化を図り、都市基盤施設の新規整備・回収・更新を実施する。
ハコモノの更新計画
原則として現状の規模と同等以下とする。近隣市町との広域連携により、施設の共有化や民間サービスの活用による建て替えない方法も検討
最近のコメント