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2016年5月23日 (月)

上尾市の昼夜人口と移動(通勤・通学)実態 -4

東京とさいたま市へ各2万人
  
上尾市民が通勤や通学でどこの市町村へ通っているのか、逆にどこの市町村から上尾市に通っているのかを分析したものが、上尾市地域創生長期ビジョンに少しあります。
 
(1) お粗末な昼間夜間人口の分析 p22-
 
普通は次の単純式ですが、なぜか地域創生ビジョンp23の昼夜間人口比率84%の算式は、上尾市役所の職員でも満足に説明できる人がどれだけいるか疑問です…。
 
昼間人口=夜間人口+他地域からの通勤通学者数-他地域への通勤通学者数
昼夜間人口比率=昼間人口÷夜間人口
 
84%は近隣と比べても低いほうらしいです。つまり外へ出かける人が多い。
同じH22年度の国勢調査を使っていますが、統計結果は市のビジョンと埼玉県の「昼夜人口見える化ツール 」(Excel)では異なります。県ツールには詳しいデータがあり加工もできるのでそちらで見ます。
 
同比率は、
・宅地開発の盛んな伊奈町は意外と高く96%
・桶川市は85%
・蓮田市は81%
昼夜人口比率が低い自治体の特性とはどんなものでしょうか。地域への愛着や帰属意識が薄く、投票率が低いとか、或いは空き巣被害が多とか・・・
 
下は上尾市から外への通勤通学者数のみのデータです。
 
市外へ通勤者  62,453 41,934 20,519
市外へ通学者 8,833 4,731 4,102
(うち15歳以上) 8,311 4,491 3,820
 (うち15歳未満) 522 240 282
合計 71,286 46,665 24,621
(男女比率)   65% 35%
市民で市内勤務 39,260
市民で市内通学 20,027
通勤も通学もしていない 73,560
労働力状態等不詳 19,793
人口(夜間人口) 223,926
 
昼間の移動71,000人は市人口の三分の一。思った通りに多いなという印象。ベットタウン市です。
通学者数は高校の数で決まりますが、15歳未満とは私立小中学校なのでしょうか。女の子を通わせる傾向にあるようです。
 
(2)どの市町村や県へ通勤通学しているのか
 素人目には高崎線に乗ってみんな何処へ行くのか?の方に関心があるので、それが下表です。もちろん電車以外もです。データは県ツールより。
 
  上尾市に常住している人の通勤通学地 上尾市に通勤通学している人の常住地
上位 市区町村名 人口 市区町村名 人口
1 上尾市 59,287 上尾市 59,287
2 さいたま市 北区 6,101 桶川市 4,357
3 さいたま市 大宮区 5,182 さいたま市 北区 2,772
4 桶川市 3,870 伊奈町 2,449
5 千代田区 3,291 鴻巣市 2,288
6 伊奈町 2,944 北本市 2,275
7 港区 2,539 さいたま市 見沼区 1,857
8 さいたま市 浦和区 2,524 さいたま市 西区 1,448
9 中央区 2,465 久喜市 1,057
10 新宿区 2,409 蓮田市 1,049
11 さいたま市 見沼区 2,380 熊谷市 981
12 さいたま市 西区 1,983 川越市 937
13 川越市 1,891 さいたま市 大宮区 896
14 さいたま市 中央区 1,679 行田市 763
15 豊島区 1,558 さいたま市 岩槻区 667
16 渋谷区 1,433 川口市 624
17 北区 1,318 加須市 622
18 川口市 1,268 春日部市 572
19 台東区 1,262 さいたま市 浦和区 562
20 さいたま市 岩槻区 1,138 さいたま市 中央区 469
21 その他 24,051 その他 8,480
130,573 94,412
 
左側が外へ出る人数。さいたま市や東京が細分化されているのでやや分かりにくいです。
・上尾市ビジョンp23では、さいたま市へ通勤通学する人は約22,000人です。
・埼玉県ツールでは、東京都へ通勤通学する人は約21,000人です。
・桶川市には上尾市民が500人いて、上尾市には伊奈町民が500人隠れています・・・
 
(3)データ独占時代から市民へ解放される時代へ
 
 残念ながら上尾市のデータはpdfが多く、コピペしにくいものが多いです。そんな恨み節もあって県庁ツールを使います(全国規模のデータも入っています)。ただし上記のように市と県で同じデータを使いながら答えが違うということもあり、単純に鵜呑みはできません・・・
 
地域創生ビジョンは調査会社への外注費と内部費用(職員人件費ですが当案件のコストに算入されない)で作られているでしょう。一方、一部とはいえ県の統計ツールのようにオープンで優れたものをタダで使えるという事は、何を物語るのでしょうか。
県ツールは各自治体職員が「作成作業」に活用して作業時間を短縮し、分析と問題解決への時間に注力してほしいと言うものだと想像します。
 
しかし、個人的にはもっと違う見方をします。
今まで情報を占有していた行政マン(短期ローテーション人事のために専門家と言えるのかは不明)とは別に、一般市民が(各人のキャリアを背景にして)その領域に立ち入ることができる時代の到来なのだと。
それを心外(侵害)と思うようでは新しい道が開けません。
多様な意見に翻弄されたくない実務者の立場も分かりますが、行政と市民が一体となる新しい姿を模索することも必要だろうと思います。徐々に自分達だけでやれる余裕はないはずでしょうから…
 
 
つづく
 
 

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