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2016年8月24日 (水)

アメリカの図書館における顧客満足やサービス評価

顧客のことを真っ先に考えよ。
 
Photo_2 図書館の評価を高める―顧客満足とサービス品質
 ピーター ハーノン (著), ジョン・R. ウィットマン (著),
 
てっきり蔵書回転率のような各種指標が書かれた図書館経営の本かと思ったのですが、そんな狭い視点ではなくもっと広い内容の本でした。
図書館サービス・品質評価の方法を探るための図書館管理職や担当者向けの本です。かように読者が限られる専門書ですが、意図的に「図書館」に置いてありそうです。上尾市は一冊ですが、さいたま市では9館にあるようです。
 
内容が予想外だったこととアメリカの図書館事情なのでサラッと拾い読みですが、ユニークで合理的な視点も多いです。日本ではITブームとなった2000年頃のアメリカの図書館事情ですが、今の日本の図書館のITインフラ並みになっていたように見えます。特に、インターネット社会での図書館の在り方を探っています。
 
第一章の最初の文が「顧客のことを真っ先に考えよ」です。
こういう文を真っ先に入れるのは、さすがに徹底しています。市民でも利用者でもありません。
 
●顧客セグメントとしての分類。
1.現在の顧客
2.元の顧客 (サービスに不満で再訪問していない人)
3.非顧客  (どのような状況でも訪問したがらない人)
 
●多くの図書館が資源を電子サービスで提供するようになると、図書館に来ない人へのサービスに努めることが必要になる。客は電子メールでレファレンスの質問を送ったり、OPACで調べて本の配送要求をするようになる。
 上尾市の図書館でも図書館員(か司書)に聞けば相談に乗ってくれますが、日常ではそんな光景はあまり見かけません。子供でもOPACに群がります。ただしネットには乗っていない様なローカル情報では良い体験をしたことがあります。
 
●印刷物コレクションを所蔵する図書館へのニーズは減り続ける。多くの客は仲介されるサービスよりもセルフサービスを好む。客は図書館が閉館していても電子資源へのアクセスを24時間、週7日使いたがる。
 
 確かにネット化のメリットは生産者と消費者の直結ですからセルフサービスが当たり前です。サービスの提供者としての図書館とサービスの消費者。
 
図書館はもはや学術情報の唯一の集積場所ではない
サーチエンジンが図書館員にとって代わるか?。ライバルは書店・インターネット・ドキュメントデリバリー企業。
 
実感します。印刷物の情報は品質が高いものもありますが、更新されず(購入されず)古いままというのが欠点です。でも非印刷物つまりネットは品質劣悪がほとんど。
 
●インターネット、頭を使わなくても良い便利さ。無料ではないが極めて安価なアクセスの台頭。
 
 最近始まったアマゾンの電子書籍読み放題サービスKindle Unlimited。月額980円で12万冊とか。緒に就いたばかりですが、未来は電子書籍図書館になるのでしょう。
 そして「いろんな人の手垢で汚れたページをめくる」というアノ体験は無くなるのでしょう・・・
 
 

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