上尾市議会傍聴記-6 教育行政の誠実さと語るに落ちる
1. 地下書庫、集密書庫、特別閉架書庫(平方小学校)の写真・・・糟谷珠紀議員
初めて本館地下の書庫を写真で知ったが、この程度は行政側が開示すべきだろうと思う。
ところで、外部書庫(平方小)にある本へのリクエストは1-2日ほどかかる、と糟谷議員は調査結果をのべたが、直前の大室議員の時の市回答では1週間~10日だった。
この大差は何か。追求すべきだろう。一体平方とは何県にあるのだ?。これでは、外部書庫は不便だから大型書庫を作るべき、というウソによる誘導ではないのか。
実は、これと似たような(建設を正当化する)現状説明は、耳タコができるほど見聞きしている。本館駐車場(57台)は土日休日は満杯、椅子(約170席)が少ない、寛げるスペースが無い、蔵書が少ない等々不満の声が多いとか…。だが定量的調査(時間帯稼働率とか)で示せばましだが、多くは恣意的な文章でしかない。
これで稟議が通るのだから民間勤め人には理解できないだろう。
分かり易い例として、夏休み中の学習室の盛況ぶりがある。
開館前に並ぶ姿や、アプローチが自転車であふれる光景を見たことがある人には、印象に残っているだろう。しかしそんな混雑日や時間帯は夏休み中に一体何日間・何回あったことなのか。その裏付けはない!(毎日職員は居たのだから、数分一回りすれば把握できる仕事だ。民間なら能動的に調べるだろう)。
印象的な光景やピーク需要の例をあげて、あたかも恒常化しているかのように話すのは井戸端会議レベルではないのか。
かように実態を知らない、あるいは自分の目と足で確かめようともしない人々(議員や各種任命委員)へのなんとなく「そうなのか」と思わせる説明は、正確さを欠いた誘導でしかない。
だが今回は、7-10日と2日の違いがでた。語るに落ちるか。
ついでに言うと、どんなに椅子を多くしてもピーク需要はその想定を上回るものだ。そして今の時代、ピークに合わせて施設を作るなんてことはしないだろう。一回しか行ったことが無い、さいたま市駅前図書館ですら、たくさんの学習机があるのに高校の試験期間中は満席だった。もちろん良好な立地が前提になるから、立地が悪い所では椅子を増やしてもその効果は読めない…
2. 語るに落ちるというけど、底がみえない
一年間に一回以上図書館で本を借りる人の数、つまり実質利用者人数を市が答えた。この質疑は一瞬で終わり、多くの人は注意を向けなかったかもしれない。しかしブログ主には違った。
1) 2年前のH26年10月に上尾市中央図書館基本構想(案)に対するパブリックコメントが実施された。そこでも類似質問があり、その回答は平たく言えば「そんなデータは数えられません」である。 上記リンク先の回答文書内88番。
数えられないのではない、たんに見ていないのだ。それが真相。
理由は簡単、彼らの仕事に目標が無いからだ。本当に図書館を愛し、市民への知的情報提供の場となりたいなら、「この数字を5万人、6万人へと上げたいのです。そのためには大型新館が必要です」と言えるだろう。
それが面積や駐車場だ、開架率だとぬかし言っている。利用度向上を理由にしない・・・教育に携わりながら、恥ずかしないのか。プロとして胸張れるか。
2) 過去データと比べると、市回答は残念な真実になっている。冴えない数字だ。
2012年度(H24 | 2013年度(H25 | 2014年度(H26 | 期間不明 | |
---|---|---|---|---|
実質利用者数 | 34,324 | 32,859 | 33,366 | 32,575 |
人口比(1月付) | 15.1% | 14.4% | 14.6% | (14.3%) H28/1/1 |
前年比増減 | -1,465 | 507 | -791 |
3.口頭ではさっぱり分からない建設地…図面をみると
4候補地のときも名称のみで地図が示されたわけではないから、事情通ではない素人には「あのヘン」という理解しか得られない。 新図書館のパース図も最近見られるようになったが、正確な土地はサッパリ分からなかった。
●正確な上平の建設予定地 (下図はクリック拡大)
Google-3D地図はこちら。
4. 空の古倉庫で短期熟成されたのは、「ホショーキン」?
てっきり角地の畑のみと思っていたが、そうではない。市は用地取得にからんで上平の築41年~51年の倉庫に物件補償として5600万円払うという(さらにその関連?の調査費が410万とか聞こえたがやや不明…)。
そんな古い上物は民間取引では0円だろうが、それを高額で買い取る理由は公用地取得の条令の解釈によるという。糟谷氏は別な解釈もできるから過大であると追及したが、双方の条文の話はやや専門で話が見えなかった…。
この物件補償問題はネットで調べると「図書館を考える会」が登記を調べたようでもっと詳しく書いてあった。建物転がしみたいだから、それなら利益供与って言わないのかな?、まぁその当たりは良くはわからない。 (その内容はリンク先にある9月議会傍聴記のpdf文書2ページ目)
地図を見て思うが、本来は景観的に公園内か完全隣接なロケーションを優先するのがプロだろう。その分、駐車場を外縁部に配置する。つまり「上平」というよりも、赤丸土地がピンポイントであったことを伺わせる。
●この話に絡んで、あるニュースを思い出した。
今年、病気理由に二年間も議会を休みながら、満額3000万円の報酬をもらったという地方議員の話。病気時の減額ルールがなく、本人が市に返すと公選法の寄付でダメとかいって結局はまるまるもらったらしい。
単純に払わなければ良いだろうと思った。
本人には支払いを求めて訴訟してもらい、裁判で争うなかで妥協点(減額和解)か大岡裁きが期待できると思う。つまり支払額を減らそうとする立場に立つことが、納税者の損失を減らす行政としての義務だと思う。迷う時は納税者有利でイイじゃないか。
上記の物件補償も、(条令解釈はともかく)公金支払いを減らすほうの立場をとって交渉するのがあるべき姿だろうと思う。
『安くしないと、この土地買うのも辞めちゃうよ』とか・・・
でも、問題の本質は単純なのだ。
「自分のカネなら、もっと上手に使う」
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