見て見ぬふりをして、市民生活に溶け込む不条理な光景
今朝は、金属陶器類のゴミ出し日。
外に出たら、ゴミ集積所に軽ワゴンが横付けした。
ナンバーが所沢だったので、びっくり。
運転席に、老人らしき男がみえる。
さっと助手席ドアを開け、
でてきた人は、
周囲に目をやることも無く、
炊飯器のフタを開け、
釜に手をやる。
あまりにも小さくて、
背が丸い。
どう見ても、
後期高齢者と思しき老女だ。
目の前で、大胆で、
こちらに気付く風も無いので、
思わず
「おいおい、それはダメだよ」と声をかけた。
ちらっと振り返り、
「ハイ」、
か細い声が聞こえた。
何もとらずに、乗り込む。
車は静かに走り去る。
ほんの一瞬のことだが、
とても長い出来事に見えた。
だが、小さくクラクションを二回鳴らした。
どんな意味か、
なんとも言えない不快感が残る。
その後、先を急いでいると、
逆走して、アパートのゴミ捨て場に、軽トラックが現れた。
いつもの「常連」の老人だ。
彼はいつも違う軽を使っている。
金属ゴミの収集日には、良く見かける。
「またか」と思いつつ、先を急いだ。
わずか数分、半径数百メートルでの出来事。
この辺りには、数時間後に、市のゴミ収集車が回ってくる。
彼らは市職員ではなく、委託業者だろう。
いつも思うことは、
換金性のあるゴミは、彼らが先回りして持ち去り、続いて、残り物のゴミを市が高いコストをかけて集めている。
彼らに収集を任せれば、どんなに低コストでこの仕事が回るだろうか、といつも思う。
彼らは、闇に隠れて、公共物から金属をはぎとるような連中とは違うと思う。
資源ゴミの持ち去りは条令違法だが、あんな高齢者が、生計の足しにしようとしている現実は、あまり見たくない光景だ。
これは警察の問題ではない。
国民年金で7万円ほどの満額受給では、生活はきつい。
零細企業に勤める人や定年の無い自営業者や農業人の制度だが、定年が無くても商売も農業も個人では成り立たない時代になってしまった。
まともに掛けて来なかったり、掛ける余裕すら無かった人も多いことだろう。
だから、受給してもたかだか月数万円では困窮する。
あんなに年を取っても、働いているではないか。
せめて、見て見ぬふりをする。
それにも道理があるかもしれない。
不快感の原因は、
嫌悪感だ。
それが彼に対するものから、
自分へと変わった。
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コメント
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わたしもリサイクル品泥をする老人にならないように何か対策を考えます。市議にでもなって私腹を肥やしますか?!
投稿: エーツーエヌ、AAN(オール上尾市民活動ネットワーク)世話人のひとり、秋池幹雄 | 2016年12月22日 (木) 19時40分