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2017年3月 9日 (木)

予想通り。会話も食事もできる図書館の誕生…本庄市

伝統的図書館が排除してきたものへの寛容が求められる時代

排除と寛容は21世紀の最大テーマだと思いますが、図書館にも別な視点から必要であると、先日、浦安市立図書館を訪れて強く思ったものです(探訪記)。そのイメージどおりが意外と身近なところに完成したみたいです。
 
245d029a073183e19865fd97ca7ff8fb 本庄市立図書館は1年半ほどの耐震改修工事(休館)をへて飲食や会話が楽しめる多世代交流室やインターネット環境などを追加して、蔵書18万冊、7億3千万円で作ったそうです。
 (2017/1/29産経記事)
 
上尾市図書館の利用
  1. 本を借りる・・・最多は40代女性です
  2. 調べ物をする
  3. 勉強室代わりに使う・・・中高生、資格取得の社会人
  4. 時間をつぶす(雑誌・新聞など)・・・高齢男性
1は減少傾向です。少子高齢化や共働き増加、スマホ、読書離れが理由でしょう。
2は絶定数では多くはないと思います。
3は根強くあります。
4が増えています。中高年齢、男性、単身世帯の増加も背景にあるでしょう。高齢女性が少ないのは「おしゃべり」ができない施設だから、と思います。
 
3と4の利用を滞在型利用と呼び、滞在時間が長くなっているようです(見慣れた風景です)。既に上尾市の現本館でも飲食可能ゾーンと時間帯を設けることで、遠地からくる滞在型利用者(受験勉強など)への配慮をしています。
 
しかし会話することは憚れます。急に知人と会って話をしたくても屋外へ出るしかありません。そんな意味でも、これからの図書館には談話可能なゾーンがあってもおかしくないと思っています。複合館化した施設はそれらがあります。分館はそれに近い形態です(ただし中核の図書館機能が貧弱)。
伝統的な図書館ゾーン、飲食可能ゾーン、談話可能ゾーンがあることが現代の図書館に求められるニーズになっている思います。
 
最近、聞いた話ですが小学生の学童保育に兄弟のうち一人しか行かせられない、という家庭が多いといいます。学童保育に月1万円位かかるとか。一人目はカネを出せるけど、二人目は無理、という悩みです。
放課後、子供が安心して居られる場がないわけです。場所があれば学習支援も可能です。
 
単身化・高齢化・放課後の子供、これらの人々のニーズは社会的居場所です。それを限られたスペース内で叶えるには、蔵書を減らす(閉架へ移動)も一つの策です。本は外部書庫化してもリクエストで手に入ります。しかし「居場所」を郊外に作っても誰も来ません。
 
その姿は、騒々しいフードテラスやマック難民を連想しますが、本よりも社会的居場所の方が人々のニーズならそれを優先するのは自然です。
本を核にした文教施設と福祉的な役割。人が集まりやすいを意識したら、行きやすい立地が当たり前です。
 
上尾市図書館の上平移転は文教が動機ではないので、本庄市とは比較できません。
 
 
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