破裂するまで続く実需なきアパート建設は金融商品
アパート融資、異形の膨張 16年3.7兆円
3/26の日経記事の見出し。
一年以上前から警戒記事が出ているけれど、融資は膨らむばかり。だから記事の見出しも以前よりどぎつい。
2016年3.7兆円、金融機関による不動産向け融資が12兆円超と過去最高という。
人口減少かつ空き家が増えているのにアパート建設が増えるのは節税対策、とりわけ2015年の相続税の控除額引き下げが効いている。
節税対策でアパート建設請負業者が資産家に売り込む→サブリースや家賃保証で低リスクを訴える→建設→一括借り上げで家賃をオーナーに払う。建設から資金回収までやってくれる。
オーナー1人の立場なら合理的な仕組みだけど、業者は他にも売り込む→建設急増→業者の業績好調
その後、供給過剰→空室率上昇→家賃値下げ→家賃保証が滞る→返済不能→担保没収?という予想もある。

大東建託とレオパレス21が二強。首都圏より地方に熱心だった会社はこれからはきつそう。
相続税対策のオーナー、建設受注を得たい業者、貸出先のない地方金融機関の互助会みたいだけれど、肝心の実需がないからこれは金融商品だ。
或いは無駄な公共事業を民間にやらせる仕組みなのかもしれない…
相続で空いた土地には小さい戸建群、アパート、コイン式駐車場になる。放置された空き家は相続がもめているかニーズのない立地の証拠。
地元を見回しても、国道を超えると木造やプレハブ系の単身用アパートは空き室が多い。何年で元が取れるのか知らないが、平均空室率は30%前後というから、1/3くらい空いていても珍しくないようだ。
近くに一年前にRC3階建てアパートができた。50m2で7-9万円。やはり満室ではない。最近、駅5分のアパート一棟が空なのを知った。以前は会社の寮だった。「固定資産税まけてもらうように交渉する」とあきらめ顔で大家さんが言っていた。
アノ衝撃的な写真の空き家も、今は跡形もない。アパートはほぼ竣工かな・・・
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