パーキンソンの凡俗法則
以下は政策会議の議事録、上尾市政の最高幹部の会議です。全6頁、スキャン後のpdf自動変換。
解説(一部追記)
改めて読むと、島村が急いでいることがよく分かる(第二体育館構想がとん挫し、地元に吹聴した手前もあるかも)。前年25年4月には市長友人の会社が2400万円で用地を買い、8月には候補地の一つに挙がっている。
注目点 具体的に5つの問題点を指摘したのは大竹総務部長。それに対して市長がムキになって反論している様子が伺えるが、問題提起に即答していることから事前に回答が用意されていると見える。その5番目の回答は、他の人が答えたら怒られるレベルのものだ。 遠藤教育総務部長が援護役となっている(四月から副市長就任かも?)。
なお昭和の図書館は緑豊か・静かな所に作るものという固定観念があったと思うが、今は人口密集地が良いとして逆になった。つまり上尾は逆。
1 日 時 平成26年1月22日(水)午前10時30分~ 11時30分
吉田都市整備部長、大塚建設部長、遠藤教育総務部長、
駒崎企画財政部次長、菅間教育総務部次長、嶋田図書館長、
塚越秘書室次長、石川総合政策課長、柳下総合政策課主幹、
4 議 題 (仮)新中央図書館整備事業における基本方針について
5 議事録
【趣旨説明】教育総務部長:
(仮)新中央図書館の建設計画を進めるにあたり、建設地の選定は重要事項であるため、政策会議において決定していきたい。
別添 政策会議提出事項 (
様式1) 上位計画、(仮)新中央図書館のコンセプトのとおり
【提出事項の説明】総務課主席主幹:
別添 政策会議提出事項 (
様式1) 本館位置での建て替え、移転建設候補のとおり
本館位置での建て替え(4)の補足として、本館機能を止めないために、仮設図書館を要する場合は仮設費用も考慮する必要がある。
(仮)新中央図書館のコンセプトとしては、自然環境についても考慮したいということも補足したい。
図書館建設地の
比較検討表のNo10、
既存図書館の統廃合について、西口大駐車場用地の場合は1館構想。大谷北部第四区画整理用地の場合は2館構想、上平公園西側用地の場合は
1館構想と考えている。
上平公園西側に本館を移転した場合は、上尾地区に大型図書館が無くなることになる。
総務課主席主幹:
(仮)新中央図書館のコンセプトから、移転候補地を3か所から選定したいと考えている。
市長
上平公園西側用地に建設する場合、北上尾駅からの歩道導線について考慮が必要である。また近隣の公共施設である上平支所・公民館との連絡も考え、歩道の確保が必要である。概算であるが、距離120mとして、単価28,000円/㎡とすると1,400万円から1,500万円程度の予算となる。
市長
西日大駐車場用地は(現在でも多くの駐車場利用があるため、仮に(仮)新中央図書館を建てた場合においては、代替えの駐車場を確保する必要がある。
■大竹総務部長:
いくつか意見があるので、述べておきたい。
1点目は、大谷北部第四区画整理用地、上平公園西側用地は上尾市の中心からは遠い印象があること。
2点目は、平成24年度から土地開発公社用地の買い戻しを行っており、買い戻した用地の活用の課題があるため、その用地を候補地として考えてはどうかということ。
3点日は、先の政策会議(平成25年11月19日)において、文化センターの改修や移転は、耐震診断の結果を待って最終決定していくこととなっていた。図書館との複合化についても考慮するのであれば、文化センターの耐震診断結果を待ってはどうかということ。
4点目は、(仮)新中央図書館を2館構想で進めるのであれば、人員や経費の観点から、直営ではなく、指定管理などの民間活力の利用を前提としていただきたいこと。とくに直営となれば、定員の増加に直結する。
5点目は、現上尾市図書館本館の後の利用については、(仮)新中央図書館の建設にあたって併せて結論を出しておく必要があるのではないかということ。
市長
総務部長からの意見について、
3点目については、文化センターの耐震診断結果を待たずに単独で検討するものである。図書館サービスは既に不足しているため、文化センターの耐震診断やその後の手続きを待つことのデメリットが大きい。
4点目については、確かにそのとおりであり直営は難しい。民間活力の利用を考えることする。
5点目については、現図書館本館を壊すとしても相当な費用が必要となる。建物は残して例えば、蔵書の施設などの活用もあるのではないか。現在も平方北小学校の余裕教室に書架を設置して閉架図書を置いている状況もある。図書サービスについてはブックスタートや新たにセカンドブックスタートなど、力を入れているところであるから、基本的にはいろいろなことを待たずに、先行して建設していく必要がある。
さて、本題である図書館用地についての、1点目、2点目の意見についてであるが、2点目は当然考慮すべきであると思う。大谷北部第四区画整理用地は、当該区画整理組合からも要望もあがっている。選択に当たっては、全体的な視点から考えて、単に距離や要望の有無に限らず、公共交通網など市民のアクセスの利便性なども考慮する必要があるだろう。市内循環バスぐるっとくんの交通体系の見直しも視野に入れている。しかしながら、大谷北部第四区画整理地区は図書館としては中心市街地から遠い印象もある。
教育総務部長:
前回の政策会議において図書館の建設を検討することになり、今回挙げた候補地の地権者にあたってみたところ、おおむね問題がないような印象を受けている。
上平公園西側用地では、近隣に上平公園の臨時駐車場もあり仮に図書館で図書館祭りなどのイベントを行つた場合においても融通して利用できるメリットがある。
農業委員会事務局長:
建設にあたっては、西側大駐車場用地、大谷北部第四区画整理用地は市街化区域であり問題ない。上平公園西側用地は市街化調整区域であるが、上平公園建設時に農振農用地域の制限を外しており、図書館であれば農地転用も不要であるため上記用地と変わらない。
市長
建設スケジュールにおいてはどの候補地も遜色がないことが分かつた。
教育長:
新中央図書館をイメージしたときには、街中の狭い環境よりも、自然の中でゆったりと読書に集中できる環境が理想的と思われる。
都市整備部長:
環境や交通アクセスを総合的に勘案すると、上平公園西側用地が良いのではないか。ただし、大谷北部第四区画整理用地については都市整備の観点から何らかの支援は必要であると考えている。
市長
大谷北部第四区画整理用地は、上尾バイパスに近接していることなどから、誘致や何らかの公的利用を検討していかなくてはならないと考えている。
図書館長:
市民サービスを考えたときに、新中央図書館の規模としては現在の図書館本館の約2 倍の5,000㎡にしていきたいと考えている。詳細については当然これからの検討となるが、現在の課題となっている開架図書の蔵書数を増やすことや、開覧スペースや学習スペースを増やすことを考えると5,000㎡を目安としていきたい。
市長
これまでの議論からは上平公園西側用地が有力候補地と考えられる。
事務局や担当者席の職員にも意見をいただきたい。
総合政策課主任:
新中央図書館の建設を検討するにあたつては、図書館サービス網全体の視点で考えることが大切である。よつて、本会議により新中央図書館の建設場所が決まった場合は、図書館サービスの地域差が生じないように、すでに整備されている。
図書館分館の開館時間の延長や蔵書数の増加など、サービス全体の向上を併せて議論することが必要である。これにより、どの候補地となつても特段の問題は生じないのではないか。
教育総務部長:
先ほど総務部長からのご意見の中で、経費のご心配をいただいているが、現在の図書館運営において既に窓口業務の民間委託によリコスト削減が実現されている。仮に指定管理者制度を導入したとしても現在のコストよりも大幅に削減できるということはないのではないかと考えている。
市長
候補地についておおむね意見が出たと思う。上尾市は市街化が進んでおり、候補地以外にはなかなか5,000㎡の床面積を確保できる用地は見つけられない。
現在の図書館サ―ビスを考えると、閉架図書が多いという課題を解決して、たくさんの蔵書に陽の目があたるようにする必要がある。
上平公園西側用地とした場合は上尾駅や北上尾駅からの距離も考えて妥当ではないだろうか。自転車のまちづくりも進めていることから中心市街地でなくても自転車によるアクセスも可能ではないか。
(仮)新中央図書館を建設したとしても、現在の図書館本館の建物は大規模改修や建て替えを検討しなくてはならない。
教育総務部長:
上平公園西側用地であれば、上平公園に近接していることからスポーツと文化の拠点として、利用者が使いやすく、相乗効果があるのではないか。
都市整備部長:
確かに互いの施設利用者が行き来出るため使い勝手はよい。
市長
上平公園西側用地の場合はJR高崎線西側地域の利用としても、公共交通等によるアクセスができる。また、西側の図書館サービスを検討することで図書館サービス機能には問題ないであろう。現時点での地権者の状況は如何か。
教育総務部次長:
上平公園西側用地の地権者の意向としては、図書館建設においての問題は無い状況まで来ている。
市長
これまでの議論から(3)上平公園西側を適地として選定したい。本会議で出された課題については、各所管課で解決に向けて対応していただきたい。市議会においてもしっかりと説明していく必要がある。
6 結論
建設予定地は(3)上平公園西側用地 とする。
本会議で出された課題については各所管課で解決に向けて整理する。
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議会の傍聴経験からすると、やけに市長の発言が多いことに不自然な印象を持ちます。一時間、しかも初めに詳細説明があったようですから、実質討議は少なくて「手続きの場」に過ぎません。
肩書だけ立派な幹部の多くは現本館の利用実態を知らないということが伝わります。図書館がこの場所に相応しいのか、どんなユーザーが居てどんなアクセス性が良いのかという問題を語ることができず、建築条件という自分たちが語れる範囲で議論しています。岡野教育長の発言は時代錯誤と言うよりも世間知らずです。
このような会議をパーキンソンの凡俗法則と呼ぶのに相応しいです。
ところでこれは重要資料ですが、熱心なソースから「もらった人」がみんなで共有するという発想(集合知)に欠けていましたから、二年近くも遅れて公開です・・・。
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