上尾市に今も残る事務区長制度を伝える古い記事
政令指定都市がやってくる 第二部
「三市」の隣の街より⑤船越 健之輔
政令市になると、街づくりが進められるので、その外観も期待するものがあるが、個人的に言うならば、街の困習のような行政も改革してもらいたい。上尾市には、全国でも珍しい「区長制」というのがある。戦争中の、向う三軒両隣のしきたりのようなものだ。
この「区長制」は「事務区」のことで、市制施行(三十三年)後、「行政事務の徹底をはかるため」の理由で、上尾市全体に事務区を設置したものである。その数は、約百五区に分けられ、各事務区に区長、同代理者各一名を置いて、推薦は市長が委嘱している。
だから「区長及び同代理は非常勤」ということで、市職員となり公務員となる。
もちろん区長の報酬があり、七年位前の年額は百六十万円位(推定)で、区長代理者は百二十万円位(推定)であった。両者共、その市の予算内訳は、六五%が均等割、三五%が世帯割である。
上尾市内は、区長、区長代理、町内会の班長というタテの線により、市の配布物や集金を労働奉仕させられるのが住民の班長。その配布物や集金した現金は、区長代理に集められる。区長とか代理は、市長が委嘱するくらいなので、土地のボス的存在の人たちだ。
区長の報酬は、地区の班内の区費から交際費(年間十万円位、役員八万円位)とは別に、役員手当が区長と役員に総額約二十五万円が出される。
だから区長及び区長代理は市と地区から二重手当を受け、また住民は税金と区費の二重支払いなのだ。
それに区長は、市長らと恒例としている研修会と称して慰安旅行に市費で行く。その区長の名のもとに、共同募金など、命令的に金額を決めて回収する。結果的に、これは区長や市長の募金貢献の成績になる。
住民の班長は一年単位の持ちまわり“無報酬(タオル一本位くれる)で配布と集金をしなければならない。集金は便所のくみ取り費まで集めさせられる。それでも住民は我慢している。 三市には、こんな因習のような市政の実態はないのだろうか。
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昔、もらったスクラップ記事ですが日付と新聞がわかりません。 ゴチックはこちらで付けたもの。 かなり古い記事ですから現在の仕組みは分かりませんが、区長制度のあり様を分かりやすく伝える良い記事です。
そして、考えねばなりません・・・
●S様より、東京新聞の地域生活情報紙ショッパーの連載記事(2000年ごろ)では、との報が寄せられました。 右の「シ」ですね・・・
上尾市事務区長名簿
情報公開コーナーで見られるのでしょうか。町内会長の場合が多いと聞いています。
関連 2018/12 区長の報酬額と決別へ
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