日経さいたま版、今どき図書館という連載記事
共通するのは、なあに・・・

ライトな感じの連載記事が始まっている。
1 都立多摩図書館 国分寺市
6000タイトルの雑誌が最新号から過去一年分読めるという。名付けて東京マガジンバンク。書庫を含めると17000タイトル。雑誌をたくさん集めたのは中央図書館との役割分担のためという。 最近、大宅壮一に関する本を読んでいたので、そのスケールの大きさに驚く。
西国分寺駅歩7分。若いころ住んでいた近所だった。
2 大和市文化創造拠点シリウス 神奈川県大和市
記事的にはこれがユニーク。
昨年11月開業以来、年間目標の2倍以上の約230万人がきた。地上6階、地下1階建てで床面積2万3千平方メートルとでかい。
2階には居心地良くした2時間100円の有料ラウンジがある。 ( ゚Д゚)
なら、本も一冊50円で貸し出したらと思うね…
「本が主役ではない、本をきっかけに人が集まる居場所だ」。いいこと言うなあ、と大木哲市長の談が書いてあったが、Wikiではなんだか・・・。
それはともかく会話OKスペースやイベントが多いのが市民に受けている。
大和駅歩3分。
3 鴻巣中央図書館 埼玉県鴻巣市
記事的には問題がある。
貸し出し記録を通帳に記帳するサービスを始めたことで有名。ATMを模した機械に「通帳」を差し入れると貸出記録が印刷され、履歴がたまることで読書意欲を高める効果があるという。
2010年に同館がJR鴻巣駅前移転を機に小学生対象に3館で導入。今年5月には全年齢層に拡大した。 過去10年で児童数は千人減ったが、読書数は伸びたという統計が出ていた。
コスト情報が何も書いていない。行政サービスはつねにコスト見合いが当たり前なのに。
ネットでは記帳機は一台500万円とか通帳も1冊数百円するらしい(競争が働かないようだ…)。
2000円/冊の本なら2500部買える。しかも本館一台では不公平という声で、分館数まで導入となるとまさに「本」末転倒。 過去記事より
指定管理者はTRC。通帳機械は誰の発案なのか、その辺りまで探るべきと思う。
個人的にはこの記帳サービスにもっと付加するアイデアがある。さらに言えば、こんな過剰投資をしなくてももっと知恵を出せばカバーできると思う。
4 みずほハスの花図書館 千葉市
寝転がって本が読めるとか、おしゃべり可の図書館として注目された。でも寝っ転がって読める空間など大型図書館ではマット敷きの児童用空間があるから珍しくはない。むしろ上尾市の本館が35年前からそれを実施している点で優れている。
「大人が寝転がって本を読める」ならば人が犬を噛んだみたいにニュース価値はある。
会話可能は、当方も前から主張してきたことでその実例はうれしい。もちろん限定スペースにするなどの工夫は必要だ。
今の時代、集客増の図書館を目指すなら、伝統的に排除してきた機能を取り込めば良いだけの事。飲食可、そしておしゃべり可である。そもそも借りた本を家でコーヒー飲みながら、ミカン剥きながら読んだり、テレビつけっばなしで読むことがあるのだから。
図書館で他人の声が腹立たしいのは、騒音よりも「ルールを守らない人」への嫌悪だと思う。日常の読書や学習は必ずしも静かな環境とは限らない。上尾駅前のベローチェに行くと、とんでもない騒音の中で読書や勉強している人が居る。コーヒー一杯が安くてクーラー効いた空間であれば、他人の声など我慢できるのだろう。
「ここはうるさい図書館」と看板に書いてあれば文句は出ないかもしれない。もちろん伝統的図書館を愛する人には噴飯ものだが、そのうち麻雀できる図書館なんてのも・・・
5 武蔵野プレイス 東京都武蔵野市
「今どき図書館」と言う連載はこれが最後だった。たった5本、しかも超有名な成功事例とうたわれるムサシノプレイスで締めくくのはさすが日経。
文教面の掘り下げが弱いなという意味ね。
日経ならせめてマスコミが群がった民活事例の武雄市ツタヤ図書館のその後の姿くらいを分析する義務があると思う・・・
でも、ムサシノプレイスを酒も飲める図書館という感じで伝えたのはいいかも。
最近の都市型の新設図書館では喫茶コーナーを設けて本を読める例は珍しくはないが、ここのカフェ・フェルマータ店は夕方から男性はビール、女性はワインを飲みながら館内の雑誌を持ち込んでくつろいでいるとある。
持ち込むということは、貸出手続きをしていない本なのだろう。駅徒歩1分でオムライスやカレーなどの飲食しながらタダで雑誌読めたら、そりゃ人は集まるよね。

昔、この名前を知った時は葬儀屋と勘違いしたものだが、ムサシノプレイスは優れた事例なので、図書館などの文教施設を現代に再定義したい自治体にとっては良い手本になる。
きっと2番目の大和市シリウスなどはそうなのだろうか。
ただし、私利私欲や考える力を失った自治体には、市民に知られたくない事例だろう。
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