上尾市の政党得票数の長期推移と誰の希望の党か
世論調査よりも、政党の実力が分かる衆院比例の得票数
先日の2017/10/22衆議院選挙から遡ること17年、7回の衆院選比例区の党派別得票の実態を示すのが下の積み上げグラフ。
まずもって、安倍政権になってからはやや短期間に、選挙をしていることが分かる。なお全国ベースの投票率は前回2014/12月の52.66%が戦後最低、今回は下から三番目とな。安倍政権下では政治離れ・無関心層の拡大が進んでいることが伺える。
・横軸の年月の下は投票率を示す。
・現在の主要政党のみ扱い、得票数の少ない政党や消えた政党は「その他」に含めた。

左端の自民党が少ないのは、当時は自由党(新進党分裂後の党/小沢一郎)が存在していたからであり、合わせると3万票となる。
郵政解散選挙、小泉劇場と言われた時、或いは民主党政権誕生時のようにドラマチックな選挙では投票率が10ポイントも上昇し、大変化をもたらす。
前者は小泉自民党の圧勝、後者は民主党圧勝となるがその獲得53千票(シェア45%)が最大値である。
一つの市データのみで語るのは無理を承知だが、2012年末の自民党復権はライバルが勝手にこけた小選挙区効果という姿がよく分かる。今回も同様。
●時系列の趨勢を折れ線グラフで見る。

自民党(2000年を除く)や公明党は変動率が小さく、比較的安定している。
自民党は上尾市では第二党の時が数回あり、近年、国会で圧倒的議席を持つ与党なのに三万票が限界のようになっている。全国平均よりも相対的に弱そうだ。
公明党は長期的に減少傾向にあるように見える。政権与党なので有利に働くはずが、そうならないのは深刻である。支持者が固定化していると高齢化の影響を受けるはず。
ただし高齢化は伝統ある政党に共通する悩みである。
民主党は極めて変化が激しく、とうとう無くなってしまい立憲と希望に分裂した。(無意味とは思うが)単純合計すると前の民主党勢力に戻る。つまり、まだまだ有権者の判断を迷わせる段階から脱していない。
共産党も二倍の変化率があり一万票を挟んで上下に振れる。
その他では、自由党、国民新党、新党日本、次世代の党、みんなの党などが消えていった。全て覚えていても何の役にも立たない。存続しているのは社会民主党、幸福実現党などである。
失礼ながら維新も風前の灯にみえる。小選挙区制では小党が存続するには強固な支持者(=選挙運動までやる人)がいないと難しいようだ。
できたばかりなのに希望の党が存続できるとは思えないから、次回の得票順は立憲、自民、しばらく空いて、公明、共産、その他の順とみる。
だからこそ、最後になって「希望の党」の存続を心から希望するのは自民党である。小選挙区制により天下を失い、小選挙区制により嫌われながらも「この党を取り戻した」。
この意味において、「小池百合子」とはトリックスターである。
ただしそれを狂わすのは残り50%の有権者の動きだろう・・・
つづく
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