捜査関係者は語る、やりとりをしていたのは島村前市長本人だ
2017年12月13日 朝日新聞Webより 落札逃し 前市長に直接依頼
今から1年ほど前、さいたま市浦和区のホテル内の日本料理店。設備管理会社「明石産業」社長の山田明被告(82)=贈賄罪などで起訴=と、上尾市議会議長だった田中守被告(72)=あっせん収賄罪などで起訴=が会っていた。
今年1月に行われた、西貝塚環境センター(上尾市西貝塚)のペットボトル結束機運転管理業務の入札を控えた時期。山田社長はその最低制限価格などを教えるよう、市長だった島村穣(みのる)被告(73)=受託収賄罪などで起訴=に働きかけてほしいと田中前議長に頼み、見返りに10万円を渡した。
昨年12月25日から、開札前日の今年1月30日までの間だけで、山田社長は合わせて5回、計50万円を元議長に渡したとされる。
島村前市長はこのころ、日高市内の病院に入院していた時期もあったが、会合に同席することもあったという。島村前市長は前議長を介して最低制限価格などを漏らした。
これらが、起訴状や捜査関係者への取材で判明した今年1月の入札の経緯だ。
◇はずれた思惑
だが、思惑通りにはいかなかった。この入札の予定価格は1億1346万円、最低制限価格は「7割」の7942万2千円。明石産業は「9割」の1億211万4千円で入札し、最低制限価格に近い額で入札した別の業者が落札した。
「秘密」を手に入れたはずの明石産業が、どうして落札できなかったのか。
同社が参加した2012年以降の同センター関連の入札では、予定価格の7割が最低制限価格として設定されてきた。市によると島村前市長は落札額を自ら決裁。最低制限価格を書いた書類は封をして、入札まで市の金庫に保管される。
捜査関係者によると、同社側は最低制限価格を慣例の7割から9割に引き上げるよう依頼。利益を増やすためとみられる。ただ既に決裁後で、前市長自らもひっくり返せなかった。それが山田社長らに伝わらないまま、同社は「9割」で入札したとみられている。
◇市長室で渡す
市長、議長にすり寄りながらもこの入札を落とせず、15年の入札でも落札したが契約を解除された明石産業。捜査関係者によると山田社長は「誠心誠意、対応する」といった趣旨の「念書」を2人から取っていた。母印まで押させる念の入れようだったという。
そうした経緯を経て、山田社長は、決裁権を持つ島村前市長と直接やりとりするのが確実だと考えるようになったのでは――。ある捜査関係者は推し量る。
来年初めには同センター本体の運転管理業務の契約が更新される。同センターは先月、漏水が見つかったように老朽化が顕著。このため、関係者によると市内部では、入札でなく経験豊富な業者との随意契約とする検討も始まっていた。
しかし山田社長はこの業務を受注しようと、島村前市長に直接、有利な取り計らいを依頼。見返りに前市長は3回にわたり計60万円を受け取ったとされる。捜査関係者によると、面会記録にも残る市長室で賄賂を受け取るほど、関係は密になっていた。
「前市長は金に困っている様子はなかった」「田中前議長に巻き込まれてしまったのでは」。市の関係者の多くが口にする見方を、捜査関係者はきっぱり否定した。「前議長を介さずにやりとりをしていたのは島村前市長本人だ」=おわり
参考
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