上尾市議会のBefore Afterの変われない風景に想うこと
読売新聞では越年市会で上尾市役所の職員さんも大変みたいね、という記事だが、果たしてそうだろうか。

ツートップ逮捕を受けての市長選により議会が遅れ、しわ寄せが行政に出るのはやむを得ない。畠山新市長にとっての晴れ舞台となるはずの12月議会は一般質問が少なく会期も短い。これなら質問議員と担当部局の質問と回答のすり合わせ
(台本作成)作業が減って楽だろうと思う。
今回は10人、新政クラブ1、公明党2、政策フォーラム1、共産党6である。例年20人前後が一般質問をするのに、 29人中、10人という事態に憤る健全な市民もいる。でも与党議員のそれは予定調和、監視役としての緊張感が無いから無意味、と言う人もいる。『それを言っちぁおしまい』なので、まぁ、一般質問に登壇するだけでも可としなければ救いようがない・・・。
最終日ではない本日夕に採決が組まれたように、手続上の都合らしいことは分かる(この点のHPでの説明が無いのはさすが上尾市)。「一会派一人でお願いします」という執行部と会派側の調整成果、つまり出来レースだろう。或いは逆忖度かな。
逆らったのは共産党だけかもしれない。新人の海老原直矢議員は「しがらみのない」と言うわりには、しがらみに縛られたかもしれないな。
相変わらずの上尾市の一元代表制であり、島村田中政治の短縮劇である。上辺だけしか報じない記事を読んで、忙しくて気の毒ね・・・という誤解を持つ市民も多いと思う。ちなみに市議会は定数15人レベルでよいという証明にはなるだろう。
なお、市役所にはサービス残業があるのかな。中小企業やブラック企業とは違って、残業手当は堂々ともらえると思うが、その点は分からない。そもそも予算作業が多忙になっても、市役所が倒産するわけではないよね。
長い前置きの後に、本日の傍聴記。
畠山新市長は直接答弁する機会が多いため、その点は好感が持てる。もちろん前の島村が酷すぎた反動だ。市長に答弁求めても部長が答えてばかり、たまに本人が答えたら活舌悪いだけでなく、文章的に意味が通じない答えを平気で述べていた。あとは畠山市長に原稿離れできるか否かだ…
●星野良行議員
年四回きちんと一般質問する人で新政クラブ内では珍しいから期待してネットを見た(
統計はここ)。
本日は他議員もそうだが、図書館建設工事の違約金とか支出金額を質問することが多い。ただその聞き方では井上氏が一番良かった。 ところが、今ごろ議員達が聞く前に、「本館を守る会」が選挙前に分かりやすく公開している。
市答弁は支出額4.7億円、工事等契約済み金額24億円(6件)であるが、当局や建設賛成の新政クラブと公明党は大きな値として取り上げる。上リンク先にあるように土地は資産であり中止したときの損失額は2.6億円である。
11/6に中止決定したので6か月内なら自由にキャンセルできる。それ以後は損害賠償リスクもあるが、発注済み資材や仕掛投下を除いては賠償請求されない可能性もありうることを言うべきだ。ところが、もう猶予期限が少ないとか、被害が及ぶかのような口ぶりを装う。
この計画は正当な手続きだからとか、受注側に迷惑が掛かっているとか言って再開を促すのはお里が知れる。あんな所に本館移す方が市民は迷惑なのだ。
市民会議の事を尋ねていたが、あれは傍聴できる。共産党議員が傍聴しているから、彼も行けばよいはず。保坂亨部長(出ているわけではない)の報告をうのみにして、「活発な議論が行われている」風にまるで大本営発表を宣伝している。あれは利益相反疑いの会議だよ。根拠なく結論すべきではない。自分で見聞きすればよい。
議事録も公開済み。ただし直ぐ消すから要注意。
年四回やっていても、中身は予定調和と調査不足を物語るレベルだった。会派代表に相応しいものなのだろう。
後ろはカメラに必ず映り宣伝にはもってこいの席なのに、深山議員は席替えをしたようだ。なぜだろう・・・
●前島るり議員
今日は初めて傍聴したが、学会員なのだろうか十数名ほどが来ていた。後で議員が傍聴席ロビーに来て、彼らに礼を述べていた、よくある光景だ。そのような人達は目当ての議員が終われば帰ってしまうわけで、市議会や政策に関心があるわけではない。ちなみにこの会も高齢者ばかりだったな。
市長退職金の支払いの質問は、市に電話で聞けば分かる程度だ。下に既出。
むしろ島村の第三期(昨年まで)ではなく、支払済みの第二期の退職金の返還請求を議論せよと言いたい。報道では4年前に明石産業から一千万近くが渡されている。二期(または一期中も?)に業者から賄賂を受けていたことの事実確認を迫り、どのような場合に返還請求できるのかを問うべきだろう。それができない所が問題なのだが、さて会員はどう思うだろうか。
前島議員は図書館問題では資料を出していたのは良いが、たんに図書館要覧から引用したものであり、しかもデータを読みこなせていない所からは本件への造詣の浅さが伺えた。
偶然、後の井上議員も利用登録者数のデータを引用していた。この辺りはつくづく上尾市議会のレベルの低さだと思う。死蔵カードの利用者はたくさんいるから、登録人数という数字は参考にならないどころか、ミスリードで危険なのだ。何度も書くが、実利用者数(年に一冊以上借りる人)ベースはコンピュータで統計が出ているが、誰も見ていないだけなのだ。
建設を待ち望む多くの人が居る、と言う割にはその実態を示さない。『畠山市長の面前で賛成市民と反対市民のプレゼン大会開きましょう』と提案するのが正論でしょう。
市答弁で気になったのは、島村市長は辞職と表現する点だ。辞職勧告される前の手続き的な形式であり、実態は逮捕失職である。また市職員の関与はないということで、二人だけの罪にしたい空気を感じるが、真に証明されているのか疑問だ。見て見ぬふりが実態だろう。今後の調査や法廷のやり取りに期待したい。
●畠山新市長の本当のデビューは12月25日
実は12月議会の開会式であるその日、傍聴席は激しい市長選を支えてきた熱心な同志・支持者たちで埋め尽くされ、畠山稔新市長が晴れの上尾市議会デビューを果たす姿を見たい、と見物にでかけた。
だが傍聴人数は半分にも満たなかった。
多くは図書館問題に係る市民達と議会傍聴の常連さんと思しき面々。途中、一組の若い夫婦が前に座ったが、彼らは最後まで見届けることなく離席した。
三万票にふさわしくご祝儀でたくさん来るかと思ったが、なんとも寒々とした光景だったことを覚えている。
これが組織戦の実態なのだ、
これが投票率35%の民度なのだ、と理解した。
Who is mayor ?
●本日の畠山市長答弁からはまだ明確なものは見えないが、彼の支持者の中にも図書館移転に反対の人もかなりいる。支援した新政クラブは除いて、民進関係者には反対の人もいて、民意を聞いたりやや曖昧な凍結という立場の姿勢で彼は当選した。
だからどうまとめるかに腐心していると思う。島村の代替えとして短絡的に攻撃しても意味はないと思う。それなら議会制形式主義であと二年は何も変わらない。まずは副市長人事で試される。
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