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2018年4月の11件の記事

2018年4月27日 (金)

「上尾が誇れる図書館・・・」要望書のここがヤブヘビ-3

新図書館複合施設の早期開館を求める要望書

前記事のつづき  (元文書は前記事にある)
 一番は前記事の公益性欠如ですが、注目されたのは文書Cでしょう(下記引用)

上平地区が、図書館建設予定地となってから、建設に反対する団体より「田舎・辺境の地」と形容され、連日のように街宣車から心ないパッシングを受けて参りました。
根拠に乏しい主張に、悔しい思いをした地域住民も多かったのも事実であります。

非難されたことを書く意味

「連日」被害を受けたように書いた割には「建設反対団体」というだけで具体的な相手が不明です。そもそも、人の悪口は他人に言いふらすもので、当人に向かって言うとバレますからやりません。「街宣車」で叫ぶのはヘイトスピーチ団体くらいです。

1回目に書きましたが、「考える会」が要望書の代表者と面会したもののハッキリせず、後に深山議員を訪ねたら面会拒否ですから事実は不確かなままです。

例えば、車とスピーカーならば昨市長選を連想させます。しかし工事再開を主張したのは泡沫候補の一人だけ(得票数は有権者比0.7%)。よって他候補が上記宣伝をする必要はありません(そんなことしたら票にならない)。

さらに一行目に「予定地となってから」とありますが、2014/1月に正式決定、住民投票請願の否決は2016/12月です。この期間のできごとならばかなり前のことであり、その後は計画は不動のものでしたから悔しい思いは癒え、むしろ勝ち誇っていたはず。ですから今頃、持ち出すのは論理的にヘンです

百歩譲って、悪口や悪態をつく人がいたとしても、個人の問題でありその手の人はどこにでも居ます。本件がらみでは「現本館にはホームレスみたいな人、臭い」と書きながら「差別的発言するな」と書く人もいます。こちらの記事メント

注目しているのは深山孝議員が「市の外郭部」という奇妙な表現を使い始めたことです(ソース)。過去の議会レポートに頻出ならばこちらの誤解ですが、彼の議事録には一発検索で無いことが分かります。
 たぶん、この問題について上平の「ロケーション表現」に腐心して「外郭部」という気遣い表現をしたと見えます。「郊外」って差別でしょうか、ならば郊外都市は教科書にはありませんね。 (文末は市外人の分析記事。きついですよ…)

●文章のネライ

一般論として、敵を想定したり被害者感情を煽ったりして集団の帰属意識を高めようとするのは政治宣伝の手口です。ありもしないことや針小棒大な宣伝です。自分の地域が侮辱されると誰でも不快になり、理知的に考えなくなり、本質をそらします。

余計なお世話ですが、不確かな事象を枕に書いて結束を訴え、地元を美しく綴り、奉加帳方式というのは"古いなー"と感じます。良識ある地域人の共感を得られるでしょうか。

●本当に非難すべき人は違うでしょう

「建設に反対する団体」ではなく島村穰市長こそ非難に値するはずです。なぜなら、彼の逮捕で建設が止まったからです。ケチな賄賂で失脚したから建設停止じゃねーか、○○ヤローってなぜ言わないの(もちろん上品にですよ)

ところがA部に「前市長の辞任」としか書きません。氏名も理由も触れずに書くところには彼への配慮が透けて見えます。辞任とは形式手続きに過ぎず、実態は逮捕失職です。民間なら辞表受理せずクビ。

私利を優先し入札ルールを捻じ曲げた」と判決は断じました。1期目からの金品接待を伝えた報道もあります。図書館問題で逮捕されたわけではありませんが、世間は同じ疑いの目を向けます。市民の多くは県警はよくやったと評価しています。だから「創る会」は本件には一点の曇りもない島村氏の優れた文教計画ですと、心情ではなく立証的に書くべきです。自信があれば書けるでしょう。ついでに当該地域人の読書量と他地域とのデータ比較も出すと説得力が増します。
 参考 議会答弁

●計画への理解度

文書末尾に「われわれ自身も・・・青少年センターや・・・を利用することを楽しみ」とあります。青少年センターは当該団体の会議室利用が主であり、地域住民や一般に開放された施設ではないため「利用が楽しみ」の意味が分かりません。

たった一枚の要望書をここまで深掘りできたのは、上尾の問題が凝縮されていたからです。

 ●薮蛇の最後に、蛇足ながら

上平に決定する前後において上平地区とか他地区の市民団体などが組織的に提言をしてきた事実はありますか。各種の参加機会(イベント)があったのに、参加してきた実態(熱意)がどれくらいあったのですか。それを克明に書くと他地域市民の理解を得られます。美しい言葉で工事再開を促す前に、どんな地道な努力をしてきたかを棚卸して欲しいものです。リンク先文書[3]参照。

私的にはPAPA内図書分室、北上尾駅前分館、予約本の受取施設などを提案した方がよほど多くの読書家市民の共感を得られると思います。ただし緑ヶ丘や原新町になっちゃいますけど・・・。 要望書、誰が書いたのかね?

関連 上尾の図書館移転について一言 …農作物にゲーテ読ませるのか

2018年4月24日 (火)

「上尾が誇れる図書館・・・」要望書のここがヘンだよ-2

地元愛に偏った要望

 文書を内容ごとに区分けしました。文字に色を付けたので指摘したい真意はお判りでしょう。

Photo_2

本文には「上平」が5回出現し、核心であるD部にある「この地」や「地域を」とは上平を指します。「上尾」はAに一度きり、儀礼的な文章で使われています。他に「北上尾駅」が二回ですが、上平との関係で出ています。

なぜ上平が市全域から見て最適なロケーションなのか、全市民共有施設を中心部から移転させるとどんな効果があるのかについて何も訴求していません。これでは『著しく公益性に欠ける』と言わざるを得ません。
 全市民共有の公共施設だというのに、まるで分館建設要望のような認識では説得力がありません。

たぶんD部冒頭が立地理由なのでしょう。でも「地権者の協力」が選定要因とは的外れ、図書館とは関係ありません。そもそも地権者へのねぎらいも、身内意識に偏るような違和感があります(用地総額は218百万円)

例えば、Kは土地を他社から買って半年内に島村市政から打診を受け、結局は使うことなく仕入の四倍で市がお買い上げです。金融取引ならばインサイダーを疑われます(なお、この土地を除いても図書館は建てられます)

他の畑地主が土地を手放すことへの"思い"については世帯の事情なので知る由も有りません。しかし一般論として、市街化調整区域は売りにくいのではないですか。土地や住宅が余るこの時代、相続や営農継続性を考えた時には世間はラッキーな話だと思ってしまいます。それなのに犠牲的な美談のように書くのは原資を負担する納税者の理解は得られません。 

実際、上平の街並み形成が整いつつあるのは結構ですが、市の区画整理事業としては地域的に遅い方です(関連)。上平公民館前の公園には昨年、竣工記念碑が建てられました。刻まれた名は島村穰市長名です。地元の方に聞いたら建立費600万円とか。

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「上平住民とか上尾市民一同」なら意味は分かるのですが、これは公費なのでしょうか?もしも彼が上平の人々の敬愛を受けているならば寄付で頌徳碑が建てられるでしょう。

 つづく  要望書のここがヤブヘビ-3

2018年4月23日 (月)

「上尾が誇れる…会」要望書に欠ける大切なこと-1

2月に「上尾が誇れる図書館を創る会」という団体が建設再開を促す要望書と署名約3300筆を畠山市長に提出しています。

振り返ると2016年秋の「住民投票を求める」署名運動の時には、建設派が早期実現を求める請願を出しています(同一筆跡ゾロゾロ署名事件)。蛇足ながらそのメンバーから二人が昨年夏からの(上平複合施設に意見する)市民会議に指名されています(同会議は中途解散)

 二つの組織に共通するのは活動実態が不明でリアル感が無いという事です。「年寄りの集まりならインターネットができないだけでしょう」とも言い切れません。本館利用者の70代でも40%はネット使います(守る会アンケート )。つまり知の発信拠点とか文化のバロメーターと言い張るものの、ネットやSNSで広く情報発信はできないのでしょう。

市民団体の政治的活動を議員が支援するのはよくあることです。前の団体は元議長ですが彼は失脚しました。こんどの「創る会」は上平の深山議員ですが、彼のサイトには「創る会」のことは皆無のためその本気度が分かりません。

前、入手した要望書はFAXのため不鮮明でした。その後、考え公開かまちょ書館清書までしてくれました。シンプルなA4一枚です。是非読んでください。

残念なのは二つのサイトには批評(反論)が書いてないことです。なお、考える会では「田舎呼ばわりのバッシング」の事実関係を確かめるために代表者を訪ねたそうですがハッキリしなかったようです。その後、深山氏に面会に行ったが「立場が違うから議論しない」と拒絶された、と生々しくコメントしています。
 これは重大です。確か「三年間議会で議論した」と氏のレポートで読んだ記憶があるので、「立場が同じもの同士で議論していた」ことになっちゃいます。

かまちょ図書館に至っては『あきれた・・・コメントする気もしません』とけんもほろろです。

2/20に要望書と署名を提出したのは、四人の区長と深山孝議員、海老原直矢議員のようです。上在住の海老原氏は地域代表で選ばれたわけではないため頼まれたお付き合いでしょう。競合する他団体にも出席しており、中立を決め込んでいると見えます。

市長面会は5分強で終わったようです。反対派の「本館守る会」や「考える会」が市長ら5人に資料を交えて30分間説明をしたのとは差があります。明らかに熱意と工夫が欠けます。

そんな程度のモノは無視という手もありますが、この要望書には重要な欠点があるから取り上げます。市長らが読んでいるので、誤解をされたまま受け止めると危険です。「図書館問題の本質が悪気もなく書かれている」という事を、一市民としてハッキリ指摘しておきます。
 というわけで、あと数回に分けて書きます・・・

次記事 要望書ここがヘンだよ-2

関連 上尾市中央図書館移転に反対する108の理由

2018年4月18日 (水)

上尾市の定住促進HPが指摘した通り改善されていた

上尾市シティセールスの画面で指摘したことが直っていたね…
 
 
2018/2/20に、「クリックされないのは理由がある・・・リンク誘導の貼り方」という記事で、定住促進の画面の不備を指摘したが、それが治っているのを本日発見した。
定住をお考えの方へで、アッピーの絵を入れて「楕円をクリック」を指示している。イイと思う。
 Photo
自分で書くのもなんだが上記の指摘を見ての修正だと思うけど、礼は無いね 
昔の企業ではこのようなことを改善活動としてやっており、提案数を月に何件出すかとかが競われていたものだ。 
若い頃、自分はそんな活動とは無縁の所属だったが、工場の各職場はどこも提案数を競っていた。勤務していた東京工場では製造現場の人で提案件数日本一に輝いていた人がいた。
 
件数は覚えていないが、たぶん一日で10-20件書くレベルと思う。斜に構えた人なら暇だなと思うかもしれないが、日本一は違うな、と感心したものだ。仕事を細かな要素に分解したり複数の角度から観察することがコツになる。
「ああいう人は家に帰っても考えているんだよ」って先輩から聞いた記憶がある。
 
市役所の場合は縦割りだが、他部門の仕事に対しても提案箱のように自由に指摘できることが望ましいと思う。優れた提案は表彰される仕組みも欲しい。
 
この定住促進HPに久しぶりに訪れたのは「かまちょ図書館」の記事にコメントしたからだが、憤懣やるかたないみたいなことが書いてある・・・
 
私的には以前を知っているので、やっとまともなものを作るようになったと評価している。
 
今後も改良を加えるなら、図版をカラフルさよりもメリハリあるシンプルなものにした方が良いと思う。或いはもう少し洗練されたデザインに。今のは全体に解像度の低いボケた図に見える。
人口グラフは特にそう(ネライは分かるが二軸が異なる折れ線を比較するのは変ね)。
追記、ただし国勢調査による推計人口を使っているのは正直だと思う。
 
良い評価(?)としてもう一つ書く。
古いシティーセールス文書には上尾から東京駅までの路線しかなく、新宿方面がないという酷さだった(上の記事)。今回はその点も直っている、というか正気になった。
 
最近、私的には各自治体が「こっちの水はあまーいぞ」みたいな「少ない人口の奪い合い」をしても大した成果は得られないだろうという達観になりつつある。
 
人口増をあから様に狙うのではなく、もう少し別な観点からシティセールスをすることで結果として転入人口が増えるという方向を模索する段階だろうと思う。その方が周辺市の一歩先を行けると思うのだが・・・。
まぁ具体的には棲んでいる住民満足度の向上だろう。
 

2018年4月16日 (月)

反問権を与えたフリより劣る痴呆議会

埼玉県では半数の地方議会で、行政側が議員に逆質問する反問権が与えられているという朝日の記事には驚いた。上尾市には無いからね。

ところが、読み進むとそれは形式的なものだと知ったときは二度驚いた、のではなくやっぱりなだった。 2018/4/1 朝日新聞 反問権OKは半数どまり

2013/1/19 読売新聞 「反問権」首長、議員にズレ 

 議会は執行部と議員の「議論をする場」じゃないよ、と読売は書くが傍聴をした事が無い人には分かりにくいだろう。議員は執行部に質問や再質問をするが、執行部からは議員に問い返すことはできない。だから一方通行となり本当の議論はできないと言うわけだ。

反問権の導入は行政側と議員を対等に扱うことで、議会の緊張感を高めて馴れ合いを防ぐことになる。ところが記事にあるように、反問権を多用すると議会が委縮するとか、攻撃道具になるとか、時間稼ぎに使われると懸念すると言う人が現れる。つまり「まだやってもいない、起きてもいないこと」を否定材料にして逃げ回る。

読売記事の最後に「議員は個人。執行部との情報量の差は歴然だからまともに議論したら勝てるはずがない」とある。

執行部「では先生、○○はどう思われますか?」

つまり『みっともない姿をさらしたくない』が本音だろう。だから(制限付きの)反問権を与えて議会改革をしたフリをしているだけなのかもしれない。情報量は行政の方が多いが、年数カ月実働という議員の方が暇は多い。それでできないのは、怠慢か無能かのいずれかだろう。

そんなわけだから、事前に質疑と回答のすり合わせをする朗読劇の方が「楽」と思っている双方には議会制形式主義こそが居心地よい。だがそれは子供議会にも劣り、やがて痴呆議会となる。

本当に議会では「朗読します」と平気で言うからね。「読み上げる」と言った方がましだよ。

2018年4月12日 (木)

キリン・ザ・ストロング9%のコーラ味は一体何だこりゃ

珍しいパッケージの缶が目に留まり、試し買いした。

何が商品名なのか、ビールなのかチューハイなのか、それとも新しいカテゴリーなのかよく分からず買ってみた。
確か100円だった気がするので、初めはノンアルコールビール飲料かと思って手にした。
 
そしてよく分からないまま夜、飲んだ。
「キリン・ザ・ストロング ハードレモン」「キリン・ザ・ストロング ハードドライ」「キリン・ザ・ストロング ハードコーラ」商品画像 
ハードコーラというカタカナ名称が目につくが、キリン・ザ・ストロングという商品のコーラ味の炭酸酒だった。
スピリッツ(発泡性)と書いてあり、何とアルコール9%だ。
 
最近ビールでも高アルコールが増えている。どういう理由なのかよく分からないが、ネットでみると「しっかり酔える」という表現が目立ち、なんか違和感あるな。
 
嗜好品だから人それぞれだが、あまりいろいろ混ぜない方がいいと思う。確かにコーラもどきの味だが、甘い。
アルコール9%は、コーラと思って飲むとトンデモナイ・・・
 
高アルコール系RTDというカテゴリーらしいが、マーケティングの一つに過ぎないと思う。
「しっかり酔える」という表現は、なんとなく少ない量(=安く)、早く(高度数)、酔えるという意味にとれるから、デフレ対応型商品なのだろうか。
 
ビールのがいいな。
 

仕舞われたアンケート結果にみる二つの落胆

こんな市政には、こんな市民が似合うのか…

第二次図書館サービス計画(h28/3)の資料に利用者アンケート調査結果がある。h27/8/1-14、全館とWeb合計2024人である。 

なお、h25/12月にも大規模アンケートをしたが、当時は上平用地交渉中だとは明かさずに現状分析的な設問だった。h29/5月には「本館リニューアル」のためのアンケートをしたが、目も当てられないお粗末な内容だった
 アンケートの存在はその場面に遭遇しない限り記入できないし、結果もWebのトップページに出さないと気付きにくい。なお本件は上平決定後としては初アンケートになるが文書中には"新図書館"としか書かず、立地イメージを与えない。その中から二つ紹介する。

●「図書館に対する自由意見」が23件しかない!
 下がその利用者コメント(番号は追記)。既に回答原紙は廃棄されているが、たった1%とはあり得ない。数百件あっても不思議はない(参考 市の 2017/6月は33%、本館守る会の同/3月は約40%)。

1. 開館時間・休館日の見直し

2. 利用者マナー向上への取り組み

3. 設備の充実(閲覧席・学習室等)

4. 資料の充実(定期的な入れ替え)

5. 貸出・返却ができる拠点の増設

6. 子ども連れでも安心して利用できる環境づくり

7. 汚損・摩耗した資料の買いかえ

8. インターネットによる予約・リクエストサービスの充実

9. 電子書籍や宅配など非来館型サービスの充実

10. アンケート項目の見直し(もう少し簡潔に)

11. 上尾駅、北上尾駅からのバス便を充実してほしい。

12. 駅から距離があり、子どもや高齢者は行きづらい。

13. 車だけでなく、徒歩や自転車での行きやすさに配慮してほしい。

14. 移転したら行く回数が減ると思う。

15. 膨大な建設費は、将来の負担になるから避けるべき。

16. 新図書館建設の必要性を感じない。

17. 広く情報公開して、市民の意見を聞いた計画づくりをしてほしい。

18. 移転しても現図書館本館は残してほしい。

19. 自由に手に取れる資料を増やしてほしい

20. 広くて快適な新図書館を早く作ってほしい。期待している。

21. 民間と連携するなど工夫をして魅力的なものにしてほしい。

22. 建物や資料数だけでなく、専門的なスタッフの配置といったソフト面も充実してほしい。

23. JR高崎線西側地域の図書館もあわせて充実してほしい。

 類似コメントを省略したらしいが、12-17が反対系、賛成系は20-21の二件しかない。1516番の内容は大勢から上がっても不思議は無いように、反対や疑問の意見が(類似という手口で)多く消されたとみるのが自然だ。これが島村「市長案件」に寄り添ってきた上尾市図書館関係者仕事である。

注、h29/5のアンケートは全数開示しているから担当者で違う。


●問19 移転後の現本館について(本館と駅前館の利用者のみに問う)

一部図書館機能は必要56%、新図書館できるなら必要ない10%、分からない13%、未記入21%

 廃止すると予約受け取りや近隣の子供や足の無い人が気軽に利用できない。世間には他者とか公益性への配慮を一顧だにしない人が一定数いるけれども、あの図書館に一割も居たとはゾッとする…

2018年4月10日 (火)

住宅過剰社会の末路-3 宅地拡大のデメリット

宅地開発の風景を見ると人口増加でイイなと思うこともあるが、そんな単純な話ではない。

老いる家、崩れる街…自分の街を見回そう
 住宅過剰社会の末路-2タワマンとサブリースそして近所

本書で驚いたのは、新築住宅がインフラ(道路、小学校、公園)の整わない区域でも野放図に続けられ、居住地の拡大が止まらないという指摘だ。その結果、公共施設や道路、防災対策やゴミ収集エリアの拡大を迫られて行政負担が増すという。

土砂や津波、高潮、災害危険区域という指定があっても、或いは活断層があってもマイホームを建てることは可能というほど新築規制は難しいらしい。地方都市では農地エリアにまで住宅がバラ建ちし、人口密度の希薄化が進むという。これらは各自治体の都市計画における規制緩和合戦の結果だという。国も不況対策として住宅建設を煽ることを繰り返してきた。

既存の家を壊してそこに新築するという再建築率は10%程度と低い。相続しても子供世代は他所に住んでいるから、そうなるのだろうか。

●上尾市の足元の景色

「空き家=住民の高齢化」だから、古い住民が多い中心部や早くに宅地開発された郊外地域に空き屋が目立つのは当たり前だ。三井住宅や向山辺りの分譲地にも空き家がチラホラみられる。わが近隣で目にするのは、死亡→相続→更地売却→ミニ分譲というケースが多いが、なぜか売れ行きが悪い。

Ss図は上尾市の区画整理事業の全体。スプロール化(虫食い状態)を防ぐためだがほとんど完了しており、後は大谷北部第二・第四が施工中だ。行政が懸念するのは推奨場所以外でパラパラ家が建ち外側に居住面積が広がりながら街のスポンジ化(本書の表現)が進むことなのだろう。

本書では触れていないが、空き家の増加は自営業の廃業が大きいと思う。洋服屋も八百屋も魚屋も肉屋もクリーニング屋も文房具屋も駄菓子屋も食堂も床屋も『個人商店が成り立たない経済構造』になったからだ。

例外的にFC加盟でやれる業種もあるが、一部だ。昔より増えた店は税金(医療や社会保障)が支払い手となる分野だ。なお上尾駅周辺で美容室が増えたのは女性雇用数の増加と思う一方、塾は少子化で既に減っている。

対策の妙案は乏しい。今ある居住地の再生や更新を重視せよと言う。例えば、空き家をリノベーションして公民館に替わるコミュのティの居場所にする。その収益は固定資産税を払える程度にすれば低賃料で利用できる。焼け石に水みたいだ・・・それほどこの問題は既に大きくなりすぎていて大変なんだと思う。

規制緩和が良い事ばかりではないという大問題を知った。街づくりにはむしろ規制が重要のようだ。


2018年4月 6日 (金)

前川喜平氏と寺脇研氏の対談、さいたまカフェ主催

折れない心の育て方

この講演会を見つけ、聴けたのはネットの効果だと思う。Photo

ゆとり教育の提唱者とも揶揄された寺脇氏は、子供の能力を低下させた張本人みたいな言われ方をされるが、テレビに出ることも多く、その話はなかなか面白く官僚とは思えない。マルチな文化人だ。

彼以上に元高級官僚として有名なのが前川氏。

『公平・公正であるべき行政のあり方が歪められた』

『極めて薄弱な根拠のもとで規制緩和が行われた

あまりにも有名であり、地方自治体にも言える普遍性のある言葉としてスキだ

教育問題を自分の言葉で語れる人達だが、先輩の寺脇氏が僕はツッコミ役、前川さんはボケの漫談コンビと紹介をして笑いを誘ったように仲が良いらしい。

子供の不登校やいじめの問題を扱うのかと思ったが、それに限定せず幅広い内容だった。前川氏は初めに生い立ちを語った。東京に転居した小学生の頃一時期不登校だったという。フロムの自由からの逃走を愛読したり、高校時代は学校が無秩序状態だったから「自分で考え、自分で見出したものしか信じられない」と10代で悟ったと言う。

意味もなく丸暗記させられることは大嫌いと言う寺脇氏は「自ら学び、自ら考える」を目的に「主体的・対話的・深い学び」の教育の転換を熱く語っていた。実はそれこそがゆとり教育だとも言う。S

最近、森友問題で佐川長官が注目され、"高級官僚とはどんな人達"みたいな話がテレビで面白おかしく伝えられていたが、自分の無い人、自分の言葉で語れない人が官僚の中に結構いると前川氏は嘆いていた。だから使い捨てになるとも。

道徳教育がスタートするらしい。折れない心のためには、心を鍛える=道徳として行われるようだが、「柳に雪折れなし」の喩えとして、硬さではなく柔軟性が必要であり、それには自分の中に如何に豊かなものを持っているかが大切だと言う。

前川氏は子供の夜間学校支援をしている。川口市に公立の夜間中学校が開校予定らしい。公立としては何十年ぶりかの事と言うと会場から拍手がおきた。潜在的に必要な人は日本人だけでなく外国人も含まれ、100万人以上いるから政令市に一つは必要だと言う。

退官後は遠慮なく政治に物申して注目されるためか講演が多いようだ。でも本日は参加500円、500人弱で満席だから総額でも25万円にしかならない。集客力あるタレント性と比べたら破格の講演料で請けているから、おカネじゃないよという両氏の志が伝わる。ネットで見たら前川製作所の親族とあった。ユニークな経営のため80年代に工場見学をし社長さんと会った記憶もあるが、お顔は似てないと思う。

会場の8割は女性かな。子育て世代と高齢世代が多かったが、賑やかだった。市外からも来ていると思うが、わが街の雰囲気とは明らかに違った…浦和市らしさがあった。スマホを持っている人が”FBに上げるわとか、そんな会話が当たり前のように耳に入ってきた。

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記念として「これからの日本、これからの教育」(前川喜平、寺脇研/ちくま新書)を買って二人の署名をもらって帰った。その前に読まなくてはならない本があるし、教育も我が家は必要ないので、いつ読むか分からないな・・・。

そもそも本日は、ネットで知り合ってメールでしか知らなかった方とようやく対面でき、お茶を飲んで帰ったことも大きかった。

2018年4月 4日 (水)

住宅過剰社会の末路-2 タワマンとサブリースそして近所

老いる家、崩れる街つづき

たまたま日経が土日に最近のマンション事情を報じていた。市況が低迷しているらしいが本書の内容を裏付けるようにタイムリーだった。

東京都心だけは人口増加を独占しているがそれは喜べないよ、というのが3/31の記事。タワマン乱立、児童あふれ小学校悲鳴・東京湾岸地区

Photo 過度な集中は弊害をもたらすという当たり前の話だ。ピーク需要に合わせて小学校建てても数十年後には高齢者の街になることはニュータウンで周知のことだが、全体計画のないタワマン開発は初めからコントロールが効かないらしい。
 記事では、最近10年間の学校建築費が以前の22倍だとか、危険なので学年別に休み時間の遊び場を指定する学校もある。最寄りの地下鉄ホームが過密で危険だとか。人気の武蔵小杉では朝の改札で通勤客が駅からあふれて行列するとも聞く。

自治体は住みよい街づくりを通して人口の奪い合いをするが、住みにくくても人が集まると言うことは、この国の有り方に問題があると思う。規制緩和がもたらした都心乱開発である。

 4/1 新築マンション「将来価値」トップ30  タワマンは2016年に⾸都圏で8000⼾弱が2020年に15000⼾へ増えるとある。

 増える理由は、同じ面積なら住戸を積み増しできるから業者が儲かるためと言う。都心の話だが、プロの視点で遠慮なく書いてあった。用地は駅徒歩『8分が限界点』。1分離れるごとの㎡単価の下落が最近激しいとか、『将来価値』への最大のポイントは駅距離にあるなどだ。

ところが本書はタワマンに否定的な見方をする。「眺望の陣取り合戦から値崩れへ」と書くが、修繕や維持コストが高くつくことや災害時の弱さについての指摘が目についた。エレベータが停電になると下へ降りられない・上の住居に戻れない高齢の住民を「高層難民」と言う。また上・中・低層という住む階の違いが所得階層の差になり、維持管理の合意形成が難しいと指摘する。

そう思う。直下型地震を経ないと本当の評価はできないだろうし、そもそも日本には適さない建物だと思う。つい先日スーパー台風の高潮被害で東京湾岸部の浸水予想が出ていた。地下機械室が完全防水とは思えない…

上尾市にもタワーマンションができた。長く販売したわりに完売できなかったようだ(賃貸が数十件ある)。不動産サイトに行くと十数件もの賃貸や売却物件がゾロゾロ出ている時もある。流動性が高いことは良いのか悪いのか知らないが、賃貸20万円が多かったのに最近15万円を見かけた。最初で最後のタワマンかもしれない。体裁は西口のライオンズタワーの方が立派に見えるんだが…。

本では住宅過剰の一つにサブリースのアパート建設も指摘している。近所でも大きい家を建てるなと思っていたら、アパートだったという事が何度かある。昔の家は100坪くらいの敷地があるからアパートに向くのだろう。その結果、駅から遠くて古いアパートは競争に負けて空き室になる。安いから外国人が入居することもあるようだ。

軽量鉄骨系の二階建てアパートが多いが、近くに三階建て鉄筋コンクリートがあって未入居が目立つ。サブリースの物件では業者は子会社等に建築させてそこで利益を取るらしい。実需なき住宅建設がうまくいくわけはない。

写真はイメージです。本文とは関係ありませんが、アパートになった・・

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つづく

2018年4月 2日 (月)

老いる家、崩れる街… 自分の街を見回そう

本の探索は時代と共に変化する

自らの目で資料を見つけページをめくり読みながら探すという図書館ならではの醍醐味(上平移転のための基本構想案p2、2014/11)、という時代遅れな探し方をしている市民はとても少ない。というかITオンチを言い繕ったに過ぎない

最近のスタイルはネットサーフィン中に「読んでみるか」と目に留まった(書名の)文字列をマウスでドラッグ選択し、そのままグーグル検索をする。署名による検索は検索インデックスの一位にアマゾンが表示される。入るとブラウザーに組み込んだプラグイン『その本、図書館にあります』が働き、登録した図書館を検索して蔵書の有無が分かるから「予約する」をクリックして上尾市図書館HPへ入り予約をする。

Photo

もちろんアマゾンサイトで本の概要やベスト・レビューを眺め、読む(時間をかける)に値するかをスクリーニングできるから、空振り確率は減る。

その後、本が用意できたとメールで知るわけだが、上のプロセスでは一度も書名を書く(入力)をしてないから、予約期間が長いと忘れてしまい『その本、私が予約したんですか』ってなる

そのトホホな本の感想…。

老いる家、崩れる街 野澤千絵著/講談社

 本書は空き家問題を広く深く扱っている。820万戸(2013)1400万戸(2023)、空き家率21%と予想するが、自分の住む街で見かける風景とタブらせながら読むとリアルになる・・・

タワーマンション
 賃貸アパート経営(サブリース)
 焼き畑状態に増える新築
 中心部から増える空き家

つづく

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上尾市政をみつめるサイト

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