畠山市長のジレンマ-2・・・推奨本、つながる図書館
つながる図書館: コミュニティの核をめざす試み 猪谷千香著/ちくま新書
閉館後の図書館は、昼間の図書館とはちょっと違う。子供たちがお気に入りのぬいぐるみを図書館にお泊まりさせ、翌日朝迎えに行くと、夜の図書館で遊ぶぬいぐるみたちの姿が写真に。一晩さびしかったけれど、ぬいぐるみが選んでくれた本を借り、ぬいぐるみと一緒におうちへ帰る子供たち。アメリカの公共図書館で始まったイベント「ぬいぐるみのお泊まり会」は、日本でも2010年から広まって各地で人気となっている。
えぇっと驚いたが、他市の類似施設を見るまで上尾市の現本館の子供室にある円形部屋の造りの良さは分からなかった。当時の担当者たちが良く考えたと感心する。ただ利用は少子化で減っており閑散としている…
本書は最近の図書館の成功事例、有名事例をジャーナリストが取材して書いているから読みやすい。
・年末年始も開いている、葛飾区立図書館
・住みたいと言われる図書館、武蔵野プレイス
・コンシェルジュが本を案内してくれる、千代田図書館
・公募館長のもとに町民が作った、まちとしょテラソ(小布施町)
・市民が図書館の誕生日を祝う、伊万里市民図書館
・毀誉褒貶に晒される、武雄市図書館
・公立ではない新しい公共、船橋まるごと図書館
ただし武雄市のツタヤ図書館については開館直後とあってCCCの受け売り的な内容が鼻につく。今読めば問題露呈により色あせてしまっている。当初の派手な出現に、浮かれた評価をした首長や議員が多かったように思う。今月中に最新統計が発表されるので改めて注目だ。
どういう図書館が望まれるかよりも、実現プロセスへの住民参加の質と量に関心があって読んだ。それを扱った事例は複数あり、人口数や財政力は関係ないのだということが分かる。それこそ民度なのだろう。その点では近隣の白岡市立図書館のオープンが絶好の比較対象となる。
読んで後悔する本では無いから、畠山稔市長に推薦する本である。アマゾンでは中身検索付きで立ち読みできる
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