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2018年6月 8日 (金)

武雄市ツタヤ図書館の5年間-1 ツタナイ話し

我が街上尾の図書館問題も落着ですが、この図書館については指定管理が更に五年継続したり、前年の貸出統計も発表されたばかりというタイミングです。二年前の記事の手前、と言うか乗りかけた船なので書いて終わりにしたいがための、ツタヤ図書館に関するツタナイ話しです。

見かけとは裏腹に経営的に苦戦した五年間の累積赤字とは

五年前の開館時はマスコミの注目を集め、全国から地方議員達が見物(半分は慰安旅行でしょう)に押し寄せて一時は「成功モデル」とまで言われた。天井まで書籍を陳列して見る人を圧倒するインテリアは写真映えするが、空箱(ダミー本)だということも伝わってきた。

郷土資料を廃棄したり、フツーの図書館ならば除籍するようなゴミ本を系列会社から仕入れるなどの裏技も露呈した。確か「ラーメンマップ埼玉」とかの本は埼玉県民として印象に残ってる( ゚Д゚)。個人的にはこの辺りから、派手な装いをする奴ほど品が無い奴という印象に落ちていった記憶がある。
 指定管理に
CCCを推した樋渡市長は辞職しただけでなくCCC系列に天下りしたとか、幹部が「武雄市図書館の時、僕たちはド素人でした」とあっけらかんに言うに至っては外部の評価は冷めてしまったはずなのに、まだ「あそこはスゲー」と言うような情弱な地方議員もいる。なお私的には、水と油みたいな図書館と飲食の関係を「それもアリ」と先入観を取っ払った点は評価する。

早いもので契約五年が終わり今年、更新をした。市民アンケートで毎年、満足度80%以上などが評価されのが理由らしい。隣接する子供図書館と合わせて上限1億8千万円の契約だという。

そして先日、2017年度の貸出統計が発表された。武雄市は小中学生に一人一台のタブレットを持たせICT教育の先進として胸を張るのに、教育委員会は図書館の活動実績をWebで報告できないのは矛盾だ。図書館のHPにも蔵書数は分からない(笑)。

「武雄市の教育」という冊子で知らせるアナログ広報だという。PDF化してアップロードするという個人のスキルでやれることが、高コストな人たちにはできないのかと思うとそうでもない。並び評される隣の伊万里市図書館はweb開示しているから、行政能力の差は大きい。

或いは、この図書館は"ツタヤ"という事と来館人数だけが注目され、本来の活動実態には関心が薄い証拠かもしれない。今年も佐賀新聞のニュース配信を待ったが、今年は会員化により見られない。でもツイッターには当該記事があったので、低コストな方が役立つという皮肉になってしまった。

しかしその前に指定管理について触れてみたい。

佐賀新聞(2017/8/14)を引用すると、2016年度までの指定管理の決算は四年連続赤字である。

Photo

四年間の累積赤字6500万円は初期の損失が大きいためで、直近は▲800万円内まで抑えている。委託料はほぼ固定だから想定以上に来館者が増えてその対応が費用増となったらしい。本来は来館人数の増加こそ民業部分の売上に寄与すると見込んだはず。つまり同施設内のツタヤ書店、スターバックス店、DVDレンタル店のこと。記事では「民業部分を勘案しても黒字ではない」(14年度収支)、「民業は黒字だが全体では赤字」(15年度収支)、今回は「指定管理運営部分に限定したい」と明かされない。

どこの街でもレンタル店は苦戦しているようにここは17年5月に閉店した。だが本が売れない時代にあって、ここの書店は館内で自由に読めてしまうという太っ腹な運営らしい。また雑誌類は書店販売優先のためか図書館には少ないらしい(利益相反かな?)。

いろいろ苦労はあってツタナイ経営になったけれど、全体でトントンにするには利益800万円を民業で出さねばならないその売上高は利益率10%なら年商8000万円。一日22万円だ。薄利な本屋と暴利なコーヒーの組み合わせで果たしてどうなのか…。仮定から導く答えほど恐ろしいものはないが()、全部スタバで客単価500円として何人分? ちなみに一日1900人来館である(前年)

僕たちはド素人でした」と言うように新規参入のハンディもあるが、無料の本や居場所で客を釣って有料施設で儲けようとしたが苦労しているようだ。そもそも来館者を増やすと、応対する人件費が増えて赤字になるという構造ならば民業には適さない(客が来ない方が儲かる)。セルフサービス化などの生産性の改善が必要だが、受託側に立つと変動的な契約もアリかなと思う。

結局ツタヤの持ち出しで運営しているわけだから、市民や行政は文句を付けられないと思う。「皆さんお世話になりました」とさっさと撤退しないのは、ツタヤ図書館の一号店としてのメンツなのか、正念場の二期目へ入った。

参考) 少し古いが公立図書館の指定管理は430館、導入率13%である(2015日本図書館協会)。賛否ある中でも新規導入と撤退(直営戻り)を差し引いても少しずつ増えている。しかしツタヤは武雄市、海老名市、多賀城市、高梁市、周南市のみ(来年は和歌山市が予定)でその展開ぶりは遅い。館数では祖業との親和性が高いTRCがかなり多かった(これは出典を忘れました)

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