建設中止の一つ、ランニングコスト比較表の意味を解説する
●本当はカネじゃない
上平案件の年間維持費3.9億円と現本館2.3億円の比較表である。議会では市長は差額1.6億が一般財源(主に地方税などの収入)を侵食するなどを理由にした。その時に、耐用55年だから210億円になると誇大PRしたが、本来なら年間利用者の8割・35万人に55年間も迷惑をかける、と詫びるのがサービス提供者の目線である。
●この表、もったいない
しかし、もっと大切な意味があるのに使われないのは残念だ。「図書館はタダではない」という事を知らしめることだ。現本館の2.3億は月1900万円となるだけでなく、”事業の活動量”で割れば来館1人当り500円、貸出1回当り1000円、貸出1冊当り340円となる。こういう喩えを市民に伝えて悪いことは無い(なお民間と違って減価償却費は含まない)。
●八百長市政に説明責任も監視責任もあるわけない
実は、この試算は3月に井上議員が問うている件でもある(こちら)。しかし島村市政がなぜサボり、賛成派の新政クラブや公明党議員はなぜ質問しなかったのか。理由は、試算結果が建設機運に水を差すからだろう。都合の悪いものにはフタである。
行政は絶対口にしないが、本件は初めから終わりまで「無責任」を原動力に作られてきたことを最後に証明したわけだ。それを支えた元凶は”知の発信拠点”とか”子供たちのために”と奇麗ごとでホンネを隠して私物化をする政治屋とその奇麗ごとの裏を知りつつも見ぬふりをする市民ないしはコミュニティ(既得権益層)である。
恐ろしいのは、人事権を握られた行政マンはアホにも仕えざるを得ないが、その方が楽であると安住する行政マンが増えると、市政劣化は我々の予想以上に加速することだ。
●返す刀が自分に当たる
穰館を財政立て直しで斬り捨てたのだから、つぎに提案する稔館(新複合施設)はコストが厳しく精査されるだろう。果たして既存施設の統廃合に終始してプラスマイナスの結果、減少効果をもたらす自信があるのだろうか。”微増ならよし”とするなら、財政立て直しが聞いて呆れる。
たぶん、前任者なら1.6億円など借入でごまかして突破しただろう。他を削ってねん出も可能と思うが、八方に良い顔をする人にはできない。財政健全化は人から嫌われる人でないとできない。
注)畠山氏の公約には具体的な数字や指標があるわけではなく、財政立て直しという耳ざわりの良い言葉のみである。
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