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2018年8月16日 (木)

3-ラスパイレス指数とは高い自治体を牽制する圧力である

全国3位達成のジレンマ

前記事のつづき

(1) ラスパイレス指数とは、国家公務員行政職を100とした場合の地方公務員一般行政職の給与水準を表す。最近は話題にならないが昔はよくニュースに取り上げられていた記憶がある。地方公務員の給料が国家公務員よりもかなり高い、という批判が長年あったからだ。仮に就職試験の簡単な方が給料が高いという事なら不条理だが、公務員試験を知らないので分からない
 図は総務省のH29データより。グラフは全公共団体の平均値。

Photo_4 拾い読みした論文(※)からの孫引きだが、指数が下がり出したのはS49(1972)年にラスパイレス指数を公表するようになったため、首長が給与水準の削減に取り組み自律的な低下が始まったとある。※ 地方公務員給与の決定要因

上グラフはそれを物語るが、内輪の馴れ合いや自治労との力関係で、ダラダラ・渋々下げてきた面はないか。ピークから100までの下落に30年近くかかっているのだから。

既に全国平均は100未満なので、値が高い市は必然的に目立つわけだ。それこそが指数のネライである。高くて目立つ→これはヤバイ→下げないと、になる。その具体例(なぜ高いのか、どう下げるか)は他市の例があった(次記事予定)。

(2) 上尾市は広報10月号にラスパイレス指数を示すが、そのグラフに違和感があるのでそのことを書く(h24-25は特例によるため参考値でみて可)

Photo_6

 

①グラフは上尾市のみのため基準100との関係しか示さず、推移の適否は分からない。全国平均線が無いことが欠点だ。自分の値が優れているときは、平均値を見せ、劣る時はそれを見せないという凡庸な手口である。

②横軸の刻み幅(時間軸)に注意せよ(H20以前は5年刻み!)。こういうのを描くのは文化系の人だろう。国のグラフ(先頭)も同様だからかもしれないが、高い(甘い)期間の姿を短く示す印象操作()。本来Excelでは横軸の値を(文字列化しなければ)人間よりも賢く比例的に自動描画してくれるからそれを使えばよく、工作は不要なのだ。

 

Photo_2

(下図を見れば明らかだが、H16~18は100を切っているのに上の省略グラフでそれを見せないのは惜しいはず。結局は全年でプロットすべきなのだ。国に倣う義務はないはず、指数は倣ってないじゃん…)

(3) 次図は全国市平均値()を入れたオリジナル。新井市長(12)から逮捕された島村市長(29)まで。

 

Photo_7

 ここ10年間で全国平均は97から99へ上がるが、上尾市は98103と振れが大きい。つまりラスパイレス指数曲線から読み取るべきは、その自治体が下げる努力をどれだけしてきたか、上昇圧力をいかに抑制したか、である。

H29/4/11位が越谷市103.72位が宇治市103.63位は上尾市103.5前年は上尾市は10位前後だった。今年の10月広報では全国三位”の事実を知らせるか気になるが、都合の悪いことを伏せるのは人も組織も同じかもしれない

 

実はもっと気になるのが本年4/1日の値だ(自市を試算できても他市の値は分からない)。12月に総務省発表らしいが、全国一位なら祝賀行事を開くのだろうか。或いは、高校野球の"上尾高校"と並んで"上尾市役所"を自慢する市民が現れるのだろうか

上っ面ではなく真実を正直に伝える広報を望む。待遇の高さに相応しく

 

4へつづく

 

参考 埼玉県市町村のラスパイレス指数(県庁)

 

 

 

 

 

 

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