2-上尾市の職員給料と定員管理より
前置き 上尾市のラスパイレス指数は元々高いが2017年に全国市の三位に昇り詰めた。おめでとう(笑)。一位まで僅か0.2差だ。この指数は一人当たりの給与の高さを示すわけではないが、歴史ある物差しとして比較される。
だから、これはヤバイと感じたであろう上尾市はようやく抑制策を出したものの、その効果が指数に反映する前に日本一もあり得るのだ。なぜなら”一位市”はその前に手を打ち始めている。←この前置きの内容は実は次々記事です(多分、笑)、まずは基礎データからとうぞ…
●上尾市の給与・定員管理(h29/2017)が人事給与に関する報告書だ(国の統一指定のようで、他市にもある)。そこから例年、広報10月号へ概要をのせるが(図)、解説も無いから見てもピンとこないかもしれない。
一般行政職(41歳)の平均給料は317千円と表示するも、そこに職員手当を加えた給与は390千円であることは伝えない。給料+職員手当=給与としているのだから、給与まで表示するほうが生活実感にあうはずだ。
職員手当とは配偶者1万円/子8千円、住居手当27500円とか残業代など(詳しくは上のリンク参照)。さらには特殊勤務手当(種類が多い)が一日や一回300~数千円位こまごまある。これは手当にせず業務に含まれると思う種類が多いのでリンク先(p7)を見ると良い。桶川市はもっとシンプルな手当なので自治体により差がある(コスト体質の違いなのか)。
●学歴と年齢による平均給料である(一部のみ抜粋)。給与や年収にすれば”見える化”になるだろう。
行政職(円) 経験20年 経験30年
大卒 359,555 428,442
高卒 304,300 373,856
他にも全職員一人当たり、賞与161万円、退職金(定年)2,360万円である。
●技能労務職の年収の官民比較があったので下に要約した。計算前提が多少揺らいだとしても官民格差は大きいと思う。なお一般行政職の例はない。
年収(試算値・万円)の官民比較 |
H29.4.1 |
上尾市 | |||
技能労務職 |
上尾市 |
民間 |
倍率 |
平均年齢 |
人数 |
清掃職員 |
662 |
402 |
1.6 |
53 |
23 |
学校給食員 |
576 |
345 |
1.7 |
49 |
44 |
用務員 |
667 |
282 |
2.4 |
55 |
2 |
●「昇給への人事評価の活用状況」では上尾市はしていないと答える。
国家公務員には適用済みらしく、地方公務員にも「人事評価を給与その他の人事管理の基礎として活用する」という流れのようだが、実施は自治体でバラバラらしい。実施と答える市でも形式的なものではないだろうか。
合理的な評価尺度が設計され、恣意性の薄い運用がされれば良いが、そんな単純ではないはず。曖昧な仕事を曖昧な基準で評価したら答えはでたらめになるけど、とにかく公務員にもこのような波が押し寄せてきているわけだ。
●1420人の職員の年齢構成がある。特に偏っておらず若い層が多いのは良いと思う。伸び伸びやっていればの話だが、体は若者、頭脳は年寄りと成らないように
つづく
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