上尾市図書館の利用統計は右肩下がりから抜けない
上尾市政は証拠に基づく政策形成へ変われるか
振り返ると図書館問題への関心は2015年秋頃からだ。当時、紙の図書館要覧からデータを拾って分析の真似ごとをした。ビジネス以外でこんなことをするのは戸惑いがあったが、他に類がないために新鮮さも感じた(なお、今はpdfで公開しているが、進言を快諾した職員がいたためだ)。
その後、上尾市の図書館問題が政治的対立にまで膨れ上がる過程では、行政も建設推進派も反対派もまるでデータに基づく議論をしないのではなく、できないことを知った。「市民はそんな小難しいデータを理解できない」という人まで居たのは驚いた。
実際、昨年までの島村市政ではデータの意義を感じることもないから最新データの更新を怠った。今回の見直し案の決定プロセスでもデータに基づく議論よりも政治的な臭いを感じた。ところが最近、「証拠に基づく政策形成」という言葉を知る機会があった。Evidence-based policy、略してEBPという。政策決定が厳格に立証された客観的な証拠に基づくべきだという考えであり、方向性は間違っていなかったと思う。
今後は上尾市図書館の全体計画の再定義が優先されるだろうから、久しぶりに新データ(h29)を入れてみた。
●最新の上尾市図書館の貸出統計
上のグラフは過去12年間の貸出冊数(本以外含む)と利用者数(延べ)の実数推移である。折れ線は、冊数÷人数による一回の貸出における平均冊数である。
貸出数は2009年のピークから▲17%も減った。利用者数も2012年のピークから▲10%減。図書館は公共施設の中では一番利用される施設だが、実は多くの市も利用減少にあるはずだ。桶川市で急増しているのは、それまでが貧弱過ぎたことと駅前増床策による。来月、新施設が華々しくオープンする白岡市も以前が貧弱過ぎる。しかし共に5年後の利用度は楽観できないだろう。
このグラフは傾向的な変化に絞ったもの。何かの策を打つと利用がプラスに反応することもあるが、継続効果にはならず線香花火的だ。長期的にも短期的にも右肩下がりであるという事を受け入れながら、問題解決のためには「さあ、どうするか」よりも、「どうしてか」を徹底的に追及すべきだと思う。
ところが、9/7金の深山・新道の二人の上平(地区選出)議員による、畠山執行部への怒りの原因は地域エゴであり、語った内容は現実を見ない素人視点である。あのような発言(主語が上尾市民ではなく上平地区)が議会で後援者を集めて堂々と行われること自体がこの街が依然として村である証拠だ。議会の録画で見られるから、多くの市民に知らせる必要がある。
関連 怒れる一般質問/かまちょ図書館(再生録画付き)
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